日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

初秋の越後を行く 続編 - 今夜の宿

2015-08-22 22:15:47 | 甲信越
さて、外湯に入ったことからもお分かりの通り、結局野沢には泊まらず車中泊を選択しました。この時間に投宿しても晩酌して寝るだけとなり、それなら車中泊でも大差ないからです。飯山で買い出しができず、宿で呑むならコンビニしか調達手段がないという事情もありました。幸いにも天候は適温無風の好条件、しかも代車のデミオなら、シートを倒せばフルフラットになることは分かっています。車中泊の条件が揃いも揃ったことで、腹は決まった次第です。
唯一問題なのは、この先十日町まで買い出しができそうにないことです。しかし、時間が相当遅くなりそうなことからしても、おそらく道の駅を利用することからしても、どのみち盛大な晩酌はできません。セーブオンで最小限の肴を買い、軽く一杯やれれば十分だろうと考えています。
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初秋の越後を行く 続編 - 大湯

2015-08-22 22:05:21 | 温泉
菅平から須坂に下り、小布施、中野、飯山と北上してお待ちかねの野沢に着きました。なんだかんだで間が開き、これが実に六年ぶりとなるでしょうか。しばしば訪ねていた頃ならともかく、久々ならば選択肢は原点回帰に絞られます。訪ねるのは外湯の代名詞「大湯」です。
総檜の建屋と浴槽、ほのかに硫黄臭 のする源泉は、過去繰り返し絶賛してきた山田温泉の大湯とほぼ同様。この風呂にただ同然の寸志で入れるとは、頭が下がるばかりです。
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初秋の越後を行く 続編 - 宮島酒店

2015-08-22 19:35:48 | 酒屋
佐久北から高速に乗り上田菅平で下りました。高速道を短絡し、菅平を越えて須坂に下りますが、沿道の「宮島酒店」がまだ開いていたため立ち寄ります。小海で買えなかった明鏡止水の夏純米があったため迷わず選び、さらには同じく今季未入手だった本金の「雨上がりの空と」があったためこちらも購入。いずれも自分が感服した数少ない夏の酒です。出色の二本を押さえ、今夜の晩酌が俄然楽しみになってきました。

宮島酒店
上田市真田町長5913-1
0268-72-4039
900AM-1900PM
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初秋の越後を行く 続編 - 信州の夏終わらず

2015-08-22 18:13:38 | 甲信越
六時を回って夕日は雲に隠れ、さらには山の彼方へ落ちようとしています。この夕景を見届ければ昼の部は終了です。
曇りがちとの予報にもかかわらず、かなりの時間にわたって晴れたのは幸運でした。しかし、信州の寒冷地をたどってきたにもかかわらず、予想以上に蒸し暑かったというのが実感です。賑々しい蝉の声も、直立した稲穂も夏そのものであり、秋の気配を随所に感じた越後とは趣が違います。信州の夏いまだ終わらずと実感した一日です。

やや蒸すとはいえ、日が傾けば多少は気温が落ちます。これなら車中泊も成り立つでしょう。最新の予報を確認する限り、雨の心配もなくなりました。明日の予報も曇りがちとはいえ、今日のように上振れする可能性を考えると、今日中になるべく距離を稼いでおき、明朝すぐさま動けるようにしておくのが賢明ではないでしょうか。かような観点からは、当然ながら車中泊という選択に落ち着きます。
もっとも、野沢に泊まるという選択肢が捨て難いのも事実です。どのみち移動中に一風呂浴びる必要は出てくるため、適度な時間に野沢へ着けば、空いた宿に飛び込むのも悪くはありません。逆に、今更宿を探すような時間でもなくなれば、そのまま走れるだけ走って車中泊とするのが順当でしょう。どちらをとるかは現地の通過時刻次第となりそうです。
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初秋の越後を行く 続編 - コスモス街道

2015-08-22 18:06:02 | 甲信越
日没まで残り時間を使い、毎度おなじみ佐久のコスモス街道を訪ねます。去年は10月に訪ねて、散り際に辛うじて間に合うという結果でしたが、今年は逆に早過ぎました。全く咲いていない株も相当数あり、桜でいうなら咲き始めか、せいぜい二分、三分咲きといったところでしょうか。加えて日が大分傾き、青空に映える絵柄は期待すべくもありません。とはいえ、大きな雲が浮かんだ茜色の空を背にして、コスモスを影絵のように切り取れたのは収穫です。
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初秋の越後を行く 続編 - 臼田駅

2015-08-22 17:19:37 | 甲信越
徐々に日が傾いてはきましたが、予定していた全ての駅を回ることができました。最後に訪ねるのは臼田駅です。
右側に入口と庇があり、全体が大きく三つに分かれた造りは、一見する限り羽黒下と同様です。しかし、撮った写真を比べてみると、臼田駅の玄関部分は寄棟、中央は切妻、左側は中央部分と直交する切妻となっていて、実は全く違う造りであることが分かります、しかもこの駅では、側面に巡らされる庇とは別に、玄関から寄棟の形をした車寄せが張り出しており、凝った意匠の柱には、駅名を縦書きにした扁額が掲げられます。駅舎の前に二本並んだ桜の木もよい点景になっており、細部にわたる造り込みは見事という他ありません。
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初秋の越後を行く 続編 - 羽黒下駅

2015-08-22 16:32:17 | 甲信越
本日三つ目の木造駅舎、羽黒下駅を訪ねます。手本通りの寄棟屋根だった八千穂の駅舎に対し、こちらの屋根は少々複雑な造りをしています。全体が大きく三つに分かれており、玄関のある右側は半切妻の屋根と庇、事務室のある中央は寄棟屋根、少し張り出た左側は切妻屋根となっていて、遠目にはありふれた横長の木造駅舎に見えながら、よくよく見ると複雑な造形に気付くという仕掛けです。
ちなみに、ここでも光線状態は完璧です。八千穂と同様西を向いた駅舎は夕日を浴び、背後に浮かぶ白く大きい雲が立ち姿を一層引き立てています。
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初秋の越後を行く 続編 - 海瀬駅

2015-08-22 16:27:15 | 甲信越
八千穂からは木造駅舎とホームのみの無人駅が交互に続きます。続いて訪ねるのは海瀬駅です。
馬流の立地が特異だと先ほど申しましたが、この駅の立地も変わっています。車一台通れるだけの入り組んだ集落を進み、最後は歩行者しか通れない路地から行くという立地は、馬流と全く同様です。加えて巨大な送水管がホームを横切り、怪しげな雰囲気を一層引き立てています。
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初秋の越後を行く 続編 - 八千穂駅

2015-08-22 15:57:53 | 甲信越
お待ちかねの木造駅舎が再び登場。訪ねるのは字面も響きも美しい八千穂駅です。県道から一段上がった位置に建つ、寄棟屋根、漆喰壁と下見張板を組み合わせた庇付きの駅舎は、まさに手本通りの木造駅舎といった感があります。正方形の板で一文字ずつ書かれた駅名、事務室から張り出すストーブの煙突など、細部の造りも同じく手本通りです。それらに加えて、駅舎の前面に向日葵が植えられ、玄関脇には白樺で造った鹿が並ぶといった演出も心憎いものがあります。
さらに幸運といえるのは、時間が経つにつれて空が晴れだし、ほとんどの駅を晴天下で撮影できていることです。白眉といえるこの駅も、快晴かつ順光という申し分のない条件で押さえました。
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初秋の越後を行く 続編 - 高岩駅

2015-08-22 15:42:00 | 甲信越
続いて訪ねるのは高岩駅です。短いホーム一本と、その上に鎮座する三角屋根の待合室は、小海線の無人駅の典型ながらも、緩やかに曲線を切るホームを花壇が彩り、写真写りは思いの外上々です。
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初秋の越後を行く 続編 - 馬流駅

2015-08-22 15:08:53 | 甲信越
難読駅の馬流を訪ねます。一度聴いたら忘れられない「まながし」の読みもさることながら、この駅最大の特徴は立地にあります。車一台通るのがやっとの入り組んだ集落を案内板を頼りに進むと、最後は歩行者しか通れない路地に入り、その突き当たりにホームがあるという状況です。当然、近くには車を止める場所もなく、離れた場所から二、三分ほど歩いて行かざるを得ません。
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初秋の越後を行く 続編 - 清水屋

2015-08-22 14:35:44 | 酒屋
小海に着いたところで駅前の酒屋に立ち寄ります。沿線を訪ねるのが久々だけに、この店に寄るのも当然ながら久々です。改めて訪ねると、当地の「佐久乃花」「明鏡止水」「澤の花」を始めとして、信州の地酒が偏りなく揃うところは秀逸ながらも、都会にも出回る有名どころが多く、名もなき地酒が思いの外少ないという印象を受けます。もっともこれは、信州の名だたる酒屋を訪ね歩いて、下手に目が肥えてしまったことによる部分が大きく、信州の片田舎としては出色の品揃えには違いありません。
ちなみに、今季まだ入手できていない「明鏡止水」の夏純米を探したものの、残念ながら当店には在庫がありませんでした。この先取扱店をさらにいくつか回る可能性があります。どこかで押さえられればよいのですが。

清水屋
南佐久郡小海町大字小海4285
0267-92-2044
930AM-1900PM
日曜定休
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初秋の越後を行く 続編 - 松原湖駅

2015-08-22 14:03:44 | 甲信越
海尻、松原湖とホーム一本の無人駅が二つ続きます。崖下にある駅は昼間から日陰になり、鬱蒼とした木立では蝉が賑々しく鳴いています。初秋の気配が漂っていた越後平野に対し、信州の高原は意外にもまだ夏真っ盛りの様相です。
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初秋の越後を行く 続編 - 佐久海ノ口駅

2015-08-22 13:21:45 | 甲信越
国道に合流してから最初に現れるのが佐久海ノ口駅です。開業時からの木造駅舎は、残念ながら三年前に改築され、何の面白味もない安普請の待合室に変わり果てた、と思ったところが、現地で待っていたのは思いの外真っ当な駅舎でした。
待合室のみのささやかさながらも、黒い瓦屋根と漆喰風の白壁、それに焦茶の羽目板という純和風の出で立ちが好印象。ホーム側の瓦屋根は庇のように長く張り出て上屋を兼ねており、京福の永平寺口の旧駅舎を彷彿とさせます。羽目板は最近よくある安物の建材などではなく正真正銘の天然木が使われ、待合室とホームのベンチも艶やかなニス塗り天然木です。玄関にある扁額は、先代駅舎から引き継いだもののようにも見えます。
元々皆無に等しかった期待値を上回っただけにすぎず、先代駅舎にはもちろん遠く及びません。しかし、スーパーハウスと大差ない安物ばかり量産してきたJR東日本にしては、上出来の部類といってよいのではないでしょうか。
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初秋の越後を行く 続編 - 佐久広瀬駅

2015-08-22 12:58:31 | 甲信越
続いて訪ねるのはお隣の佐久広瀬駅です。狭くて短いホームの上に、三角屋根の安っぽい待合室が乗っているという、構造物としては何の面白味もない駅ではありますが、ホームの前を千曲川が流れ、対岸には烏帽子のような形をした山が屹立していて、その様子を一段高い県道沿いから見下ろすと、一枚の絵を眺めているような気分になります。
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