日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

最後のランチ(17)

2014-03-25 22:07:25 | B級グルメ
赤坂でフレンチといえば、自分にとっては何といっても「オステルリースズキ」だと申しました。しかし、かつてはこの店に並ぶ双璧があったのです。それが本日紹介する「ホワイエ オネスティー」です。
去年惜しまれつつ閉店した「トキ」と並んで袋小路の突き当たりにある店は、一見するとバーのようでもあります。実際のところ、店内は洋酒を無数に並べた立派なカウンターを中心にしており、太い梁を通した低めの天井と、昼間から薄暗い照明などは、いかにもといった雰囲気を醸し出しています。昼と夜にビストロとして営業した後、バータイムを設けて夜半まで営業するというのがこの店の形態でした。
ランチは十種ほどから選べる充実ぶりで、手頃なものは千円から、高いものでも千円台の後半。満腹感という点では「オステルリースズキ」には及ばないとしても、決して物足りなさはありませんでした。ご飯は選べずパンのみだったり、箸を使わずナイフとフォークだったりと、フレンチ特有の堅苦しさはあったものの、天然木を贅沢に使った店内の居心地がよく、少し贅沢したいときの選択肢の一つだったのがこの店です。
店主の年齢的な問題もあるのか、いつしかビストロの営業を取りやめ、バータイムのみとなってしまったのは残念でした。しかし、店そのものが跡形もなくなってしまった「京屋」と違い、あの趣ある店内はそのまま残っているでしょう。赤坂で呑んだ帰りに、店主への挨拶がてら一度は立ち寄ってみるのもよさそうです。

都内の桜も開花し、昼食の時間も惜しんで花見に注ぎ込む毎日が、この先少なくとも半月ばかり続くと予想されます。それとともにランチの話題もしばらく休載です。しかし、今なお名店を余すことなく紹介したわけではないため、一段落した頃に再開しようと考えています。

ホワイエ オネスティー
東京都港区赤坂2-14-12 赤坂第一井上ビル1F
03-3585-1088
1800PM-2300PM(LO)日祝日定休
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