日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春は別れの季節 二日目

2012-02-19 23:41:53 | 東北
帰宅しました。今年に入って三回目となる東北への汽車旅でしたが、東京駅で新幹線を降りてまず最初に感じたのは、やはり都会の空気の暖かさでした。東北より関東の方が暖かいという当たり前のことがいいたいのではありません。都会の暖かさが、今年はなおさら際立って感じられるということです。もちろん関東も久しく経験したことのない寒さではあるものの、東北の寒さはそれ以上のものがあります。往年のCMの名コピーを借りれば、「寒い場所はより寒く、そうでない場所もそれなりに」というのが今年の冬なのでしょう。
とはいえ、東北の空気は1月に訪ねたときほどには寒くなかったというのが実感です。気付けば都会の寒さも少し緩んで、春の気配をほんの少し感じるようになってきました。深い雪に閉ざされてはいても、次の季節は一歩ずつ歩みを進めているようです。去りゆく冬への名残惜しさを噛みしめつつ、心は早春の旅路へと向かいつつあります。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 20:13:08 | 東北
最終の新幹線で帰路につきます。早めに駅へ戻って、駅構内の寿司屋で一献傾けて、最後は余裕綽々で新幹線のホームへ…と思ったら、結局ぎりぎりまで滞在してしまい、最後は大荷物を抱えて急ぎ足で乗り場へ向かうという結果に終わりました(オイオイ)
しかも、改札をくぐろうとしたところで乗車券類をはさんだ手帳がなくなっていることに気付いて顔面蒼白。時間もないので理由を話して改札だけは通してもらい、紙一重のところで発車には間に合いました。どこでなくしたか散々思案をめぐらせて、最悪もう一度運賃料金を支払うことを覚悟しかけたところで、風呂上がりに入浴道具の中へ無造作に放り込んだのを思い出し、どうにか事なきを得たものの、安堵感に浸る間もなく昨日からの疲労が一気に押し寄せてきましたorz
時間が余ればその分慢心してしまい、結局時間との闘いに陥るというのは、日頃の活動においてもよくあることです。しかし、今回の旅では、出発前のすったもんだを含めて、体力面より精神面で疲弊する場面がことのほか多かったように思います。そんな旅路を象徴するかのような土壇場の一幕でした。

★新青森1933/はやて42(3042B)/2308東京
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 18:33:19 | 居酒屋
少し早めに青森へ戻りました。レンタカーを返して寿司屋で一献傾けます。
寿司屋といっても、居酒屋使いができてまことに秀逸な青森駅前の寿司屋ではありません。最近やたら耳にする言葉を借りれば、いわゆる「駅ナカ」ということになるのでしょうか。味気ない新青森の駅に構える、寿司屋と呑み屋と定食屋を足して3で割ったような中途半端な店舗に風情は皆無で、新幹線が出るまでのわずかな時間に軽く一杯引っかけるのがせいぜいといった印象を受けます。しかし、そんな第一印象に反して、数十種類に及ぶ青森の地酒はグラスになみなみ注がれ、寿司、刺身、揚げ物焼き物に簡単な酒肴も揃って、居酒屋使いには思いの外好都合です。高い酒さえ選ばなければ正一合のグラスが500円から600円台、並のにぎりも900円で、酒肴にいたっては200円台、300円台からと手頃。しかも分量が半端ではなく、250円のげそ唐揚げと300円の塩辛を一人で頼めば、それだけで満腹になりそうです。安く手軽に酔って素早く席を立つという点では、寿司屋というより大衆酒場のようでさえあります。素っ気のない店内は長居に不向きとはいえ、それは時間のない乗り継ぎ客に的を絞った結果なのかもしれません。青森に来たら必ず寄りたいかというと決してそうではないものの、青森駅に立ち寄る時間がないときにはもう一度世話になりたいと思う一軒です。

魚っ喰いの田
青森県青森市大字石江字高岡140-2 あおもり旬味館 1F
017-752-6088
1000AM-2100PM
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 16:44:07 | 温泉
津軽の最後はお待ちかねの温泉に立ち寄ります。立ち寄るのは「大坊温泉」です。
今年は津軽の湯めぐりに際して痛いことが一つあります。必携書であった「北東北日帰り温泉」が刊行されなくなったということです。岩手、秋田、青森三県のタウン誌が合同で発刊するという仕組みが行き詰まったというのが公式発表で、どうやら背後には政治的な事情があったようです。入浴料の割引分だけで980円の代金がほぼ回収でき、事実上ただ同然で北東北の温泉情報が手に入るというまことにありがたい本だっただけに、刊行中止とは実に痛いのですが、割引目当てで本書に掲載された温泉にしか寄らなくなるという副作用が出ていたのも事実で、この制約がなくなったことにより、選択肢はむしろ広がったともいえます。そこで本書に頼らず、地図上の温泉マークだけを頼りに選んだのがこちらの温泉です。
「保養センター」と冠した名の通り、広い駐車場の奥には平屋の入浴施設、三階建ての宿泊棟と離れの宴会場が並び、宴に興じる地元客の歓声が襖の奥から聞こえてきます。なるほどこれは旅館でもなければホテルでもなく、保養センターという表現が一番似合います。直線基調の浴場は内湯にサウナのみと飾り気がなく、三方の壁に洗い場が、大理石で縁取った長方形の浴槽が中央に二つ接して並ぶという配置です。お湯は無色透明で無臭、奥の小さい浴槽には熱い湯が、手前のやや大きい浴槽には温い湯が注がれます。正確には、熱い湯と温い湯が注がれるのではなく、両方の境目から掛け流されるお湯は全く同じものです。しかし、浴槽の大きさが違う分だけ湯の冷め方が異なり、それが温度の違いになるという心憎い演出がなされています。お湯はもちろんのこと、浴槽の造りに建物の佇まいなど、様々な角度から楽しめるのが津軽の温泉の奥深さだと思います。

大坊温泉
青森県平川市大坊竹内28-1
0172-44-3059
530AM-2200PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温 59.8度
pH 7.8
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 16:24:51 | 東北
新里駅を訪ねます。去年の花見以来久方ぶりに訪ねると、古い木造駅舎が改装されて、風情が大分損なわれてしまいました。その代わりというべきか、駅前にはハチロクこと8620がいつの間にか据え付けられています。暖地型だと同行者はいうものの、シールドビームは紛れもなく寒冷地仕様で、おそらく東北ゆかりの機関車であろうということは想像できます。しかし、今の時代になって新たに保存車が出現することはないわけで、どこかに置かれていたものを移設したのでしょう。来歴が気になる機関車です。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 15:36:04 | 東北
残り時間も徐々に少なくなってきました。この後は弘南電車の駅をいくつか訪ね、温泉で一風呂浴びればちょうどよさそうです。まず訪ねるのはこちらも毎度おなじみ田舎館駅です。個性的な駅舎は変わらず健在ながら、その駅舎を埋め尽くさんばかりにうずたかく雪が降り積もっています。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 15:07:08 | B級グルメ
ごく小さい黒石の町だというのに、今回も延々二時間以上滞在してしまいました。最後は二軒目の焼きそばで締めくくります。訪ねるのはこれも去年と同じ「コロの家」です。
何度か食して気付いた黒石焼きそばの特徴が一つあります。縮れのない太めの平打ち麺です。ソースが最も乗りにくいであろう形状の麺は、必然的にソースの大量投入につながり、その結果ソース焼きそばとしては比較的汁っぽくなります。しかし、汁っぽいといっても湯切りに失敗したカップ焼きそばのような汁っぽさではなく、濃厚なソースがしたたり落ちてソースの海になっていると表現するのが正確です。この残ったソースにから揚げをからめていただくと、一味違ったおいしさが楽しめます。

コロの家
青森県黒石市大町2-131
0172-52-8367
1100AM-1800PM(木曜定休)
焼きそば+から揚げ450円
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 13:04:13 | 東北
黒石の町を歩きます。毎度おなじみこみせ通りを含め、もう何度も訪ねた黒石の町ですから、地図を見ずとも歩けるようにはなりました。しかし、それでも訪ねてしまうのは、趣深い建物がそれだけ多いからでもあります。こみせ通りの少し手前の三階建てと、表通りを折れて入った路地裏の、ちょっとやそっとの地震では微動だにしなさそうな土蔵がいい味を出しています。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 12:44:12 | B級グルメ
ほどよく腹も空いたところでご当地名物の焼きそばをいただきます。訪ねるのは駅前の「すごう食堂」です。傾いだ木造家屋、こぢんまりした土間の店内、白いシートカバー、絵に描いたような駅前食堂の品書きは、当然ながら昨年訪ねたときと何一つ変わりません。濃い味付けが東北ならではです。

すごう食堂
青森県黒石市一番町20
0172-52-3476
1100AM-1900PM
焼そば500円
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 12:22:38 | 東北
東北限定の高速無料化の恩恵に与り、東北道を飛ばして黒石に着きました。先月訪ねたときと同じく、青森市街から峠を越えて津軽平野に下りると、明らかに雪の量が違ってきました。高速道路の本線車道まで積雪で真っ白だった青森市街に対して、こちらは主要な街路ならさほどの積雪もなく、随分と走りやすくなりました。ここからは黒石を中心に町並み、名水、焼きそば、温泉と気の向くままにめぐって、時間切れになり次第青森へ戻ります。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 10:43:24 | 東北
延々二時間近くの苦行ですっかり興ざめしたところで新青森に着きました。日本海に乗れない以上、青森駅まで行く意味はないためここで下車。新幹線で直帰する同行者の一人と別れ、ここからは残る一人とレンタカーを借りての活動となります。青森市街は先月訪ねたときにもまして深い雪に埋もれ、運転には相当難儀しそうです。いたずらに行動範囲を広げるよりは、早めにレンタカーを返して一杯引っかけてから帰る方がよいかもしれません。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 09:03:34 | B級グルメ
大館でさらに列車を乗り継ぎます。乗り継いだところで全く同じ形式ですがorz
大館といえばハチ公、もとい鶏めしです。同行者が前もって押さえておいた鶏めしをいただいて朝食とします。これは初耳だったのですが、前日までに予約を入れておけば、列車の到着に合わせてホームまで駅弁を届けてくれるそうなのです。しかも、ご丁寧にお茶までつける念の入りようです。もちろんペットボトルのお茶ではありません。その昔駅弁と共に売られていた、水筒型の小さい容器に入ったお茶です。紐で結んだ昔ながらの包装をほどいて、このお茶とともにいただけば、旅情も俄然高まります。といいたいところですが、寝台列車で飲み食いするつもりが混み合ったロングシートに一変し、せっかくの旅情も台無しです。いくら鉄道好きでも、この電車での移動だけは苦痛以外の何物でもありません。まったく何のために来たのやら…
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 08:33:37 | 東北
救済列車が只今発車。青森までの行路を引き継ぐのはもちろん悪名高き701系電車ですorz
北東北の幹線筋では、特急以外の旅客列車といえば家畜運搬車のごときこの車両がほとんどで、いかにしてこの車両を避けるかが東北地方の汽車旅における一つの重要ポイントであると以前申しました。しかし、突発的な事態で代走などに入られてしまうとさすがに避けようがありません。こんな屈辱を味わうのも二年前の冬以来のことです。寿命半分、コストも半分の触れ込みで登場したはずが、「憎まれっ子世にはばかる」の言葉の通りに生き長らえて早二十年、天国から地獄に落ちるかのようなこの落差の激しさはいい加減どうにかならないものでしょうか。特急料金が払い戻されるといっても、この電車と引き換えでは全く割に合いません。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 08:19:55 | 東北
結局運転打ち切りとなってしまいましたorz
たとえ二時間三時間遅れようとも待つつもりだったとはいえ、打ち切りではどうしようもありません。止むなく荷物をまとめて列車を降ります。件のドアを外から見ると、なるほど折り戸の下部がそこだけ何かにぶつかったかのようにへこんでしまっています。しかし、ドアが開け放しになったわけでもなく、デッキを締め切りだましだまし走る分には問題なさそうにも見え、運転打ち切りと聞いて何とも割り切れない思いが残ります。とはいえ、平時ならともかく、鉄ヲタで混雑したこの状況で運転を続行しようものなら、思わぬトラブルが起こらないとも限らず、当局の立場も理解できないわけではありません。青森駅まで乗り通し、風雪と闘い抜いた老雄にねぎらいの言葉の一つもかけて終わりたかったというのに、別れの時は唐突に訪れました。
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春は別れの季節 二日目

2012-02-19 07:45:18 | 東北
奇蹟というべき健闘ぶりで、大阪、新津と二度の遅れを出した以外は定刻通りに走ってきたこの列車ですが、ここへ来てトラブル発生です。鷹ノ巣に停まったところでドア故障のため発車ができず、かれこれ20分も立ち往生しています。車内放送では普通列車での乗り継ぎを案内しているものの、この列車に乗るのがこちらの目的なのですから、乗り継ぐ意味は一切なく、何時間遅れようとも待ち続けるしかありません。とりあえず寝台で横になって運転再開を待ちます。早く出てくれればよいのですが。
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