今年も沖縄ゆかりのナンバー、羽田の58番乗り場から沖縄へと旅立ちます。私が飛行機という乗り物をどれほど嫌っているかについては
過去の記録に譲るとして、近年その飛行機嫌いがより一層明確になってきたのを感じます。といっても、自分をますます飛行機から遠ざけるような出来事があったわけではなく、「飛行機の何が嫌いなのか」が自分の中で明確になってきたということです。ズバリ一言でいうなら、私が飛行機を嫌うのは、それが旅情を台無しにする乗り物だからです。
まだ肌寒い早春の内地から、汗ばむ陽気の沖縄まで、中間を一切省略して瞬間移動するかのような無粋さに、私は何回乗ってもなじむことができません。むしろ乗れば乗るほどその無粋さがうっとうしく感じられてきます。思うに、旅とは目的地へ至る過程そのものを楽しむことであって、それを省略してしまっては単なる移動に過ぎません。移動とは、その名の通りある場所から他の場所へと移る行為であって、目的地へ到達するという結果のみを追い求めた無味乾燥な行為です。結果のみが意味を持つなら、そこへ至る過程は短ければ短いほど望ましく、移動時間は苦痛以外の何物でもなくなります。このように、似ているようで対極にある行為といえるのが「旅」と「移動」ではないでしょうか。そして、「移動」の目的を究極まで突き詰めた乗り物が飛行機なのだと私は思います。
そのような乗り物に旅情など望むべくもありません。楽しいはずの旅の一部が、座席に縛られ時が経つのを待つだけという苦痛に変わり果てる現実には、毎度のことながら辟易させられます。最も安上がりな交通手段とはいえ、沖縄へ空路で渡るにつけ、金銭的な安さとは裏腹に損をしているような気がしてなりません。一週間を越える休みが遠慮なくとれる身分なら、私は迷うことなく船で沖縄へ渡るでしょう。そんな暮らしは夢のまた夢に過ぎませんがorz
それにしても、飛行機に乗る都度これほど不平不満をたれる人間もそう多くはないでしょう。要は自分に金と時間がないのがいけないのです。しばらくの辛抱と割り切って今年も飛行機の世話になります。次は那覇でお会いしましょう…