しばしの花見の後は神社の向かいの「温泉旅館 中野」へ立ち寄ります。来る途中にいくつも温泉があったというのに、わざわざここまで足を延ばしたのは、
去年ここで味わった花見の湯が秀逸だったからに他なりません。二面に開いた大きな窓の外では、今年も紅枝垂が二本並んで咲いています。しかもただ並んでいるのではなく、絵柄が実によいのです。旅館の建物から近すぎず遠すぎない適度な距離が置かれていて、その向こうには何もない草地が広がり、さらにその先には山並みが連なって、二本の桜が空に抜ける様が絵になります。そんな光景が、二面採光の浴室の対角線方向、すなわち浴室を最も広く感じる方向に広がるというのがなんとも心憎いばかりです。この天気でこれだけ様になるのですから、昨日や一昨日のような夕空ではどれほど見事な眺めになるかと想像してしまいます。前回と同様利用客は他になく、かくも贅沢な風呂を一人借り切っての花見の湯となりました。
★温泉旅館 中野
青森県弘前市百沢字高田80
0172-83-2345
800AM-2100PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
泉温 49.8度