野外保育 とよた 森のたまご
小さな草にも、大きな木にも、一つ一つに役割があり、私たちの生活に欠かせないものを、
小さな手で触れ、いろんな気持ちをいっぱい感じ、育ってほしい。
子ども同士の関わり、時間を大切にし、満足感や、達成感をたくさん味わってほしい。
大人たちは少し口を閉じ、子どもたちが何をどう選ぶのかそっと見守り、
必要な時には知恵のエッセンス。
大人も子どもも育ち合い、自分らしく生きる・・・
『森のたまご』にしか出来ない、手作りようちえんを創っていきたいと思っています。
森のたまごの目に見えてわかりやすい特徴は園舎のないことと、母が保育に入るということ。
母が当番という形で保育に入ることについて、実際のところどうなるのか想像がつきませんでした。私の考えの及ぶ範囲は「我が子可愛さのあまり冷静さを欠いた態度や他の子に理不尽なことを言ったりしてしまうのではないか」ということくらいでした。
ところが、いざ保育が始まってみると、我が子以外の子の可愛いこと、可愛いこと!
特に少しずつ時間をかけて仲良くなり、関係ができ始めた子に至っては尚のことです。
登園してきたP太に「Pちゃん、おはよう!」と声をかけるも、毎度のことながら私に返事はないのですが、この日は母の影でモゾモゾしています。母の通訳によれば「ここはヘビが出るので怖いということをあらかじめ大人に言っておいてほしい」とのこと。
それを聴いて私は「くららちゃんもヘビとっても怖いよ。だからヘビさんがお家に戻ってくれるように草むらを棒で叩きながら歩くから大丈夫だよ!」と声をかけました。
今回の遊びの一つは大縄跳びでした。足がつりそうになりながら必死で飛び終えた私に、そのP太が後ろから飛びついてきました。大人のくせに必死という所あたりがP太にヒットしたのでしょうか。"やるじゃねーか、このやろう"と親しみを込めて言われているようなそんな感じでした。
朝の一件もあってか、P太と初めて少し近づいた瞬間でした。
そのヘビ退治というのを私と一緒に一生懸命やってくれる小さい組のHま。
Hまも母が当番で入っているけれど、こんな風に離れて動くことができています。
我が子Kねも最初から私が居ようと居まいと楽しそうにようちえん生活を送っていました。そのことに安心しきって私は当番という役割に没頭していました。
「くららちゃん、こっち来て!」とLおに呼ばれたり、
「くららちゃん好き!隣りでお弁当食べよう」とSやが言ってくれたり・・・
みんなと仲良くなっていくことが楽しくて仕方ありません。
そんな最中、帽子をかぶりたくないKねが、「暑いから帽子かぶろう」と促されたことでテンションが下がってしまい、私の所に来て「帰ろう、帰ろう」と言い出します。その前はHめの営むお店屋さんに行きたがっていたのです。帽子をかぶれないことは諦めて一緒にHめの所に行ったのですが、葉っぱを下に落としたりして営業妨害をしてしまいました。そして「お母ちゃん抱っこ、抱っこ」に。
そこへLおがやって来て、「くららちゃんお店屋さんやろうー!」と誘ってくれました。でも私は「ごめんね、Kねがやりたくないって言ってるんだ」と伝えたのですが、私がKねに少しうんざりしていることを察したのでしょう。
LおがじわじわとKねに近寄り、ほっぺを地味につねったり、そうする内に「倒してやる」と言って押したりしました。そうなるとKねはもう声を殺して泣いて私の影に身を隠し一歩も離れることができなくなりました。
一時間もこの状態が続き、「もう嫌だ」と私は言ってしまいました。そんな態度を感じる度により一層Kねは私にまとわりついてきました。冷静に考えれば当たり前の反応なんですが、みんなの遊びの中に入って行きたい私の頭の中は「せっかく当番に入ったのに」「帽子くらいで」ということでいっぱい。
入園前に心配していたこととは逆の意味でバランスを欠きそうになっている私がいます。
よくよく考えれば、母が当番に入った時くらい甘えたって良い、つねられたり叩かれたりしたらその悲しい気持ちに寄り添うのは他の子も我が子も同じはず・・・
「せっかく〇〇」という思いに至る時は大人の都合であることが多い気がします。
改めて、子ども時間を大切にしながら我が子も他の子とも関わって行けたらと思います。
(くらら)
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