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気の向くままに。。。 ダンス・バレエの関連トピックが一番多いかも。 by nao@momojrt020327

バーミンガム・ロイヤル・バレエ「美女と野獣」 1/8

2008年01月09日 | Ballet
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「美女と野獣」
2008年1月8日(火) 18時30分開演 東京文化会館

音楽: グレン・ビュアー
振付: デヴィッド・ビントリー
装置・衣裳: フィリップ・プロウズ
照明: マーク・ジョナサン

ベル: 佐久間奈緒
野獣: イアン・マッケイ
ベルの父親(商人): デヴィッド・モース
ベルの姉 フィエール: ヴィクトリア・マール
ベルの姉 ヴァニテ: シルヴィア・ヒメネス
ムッシュー・コション: ドミニク・アントヌッチ
ワイルド・ガール: アンブラ・ヴァッロ
雌狐: 平田桃子
カラス: 山本康介
木こり: ジョナサン・ペイン
差し押さえ執行官: ジェームズ・グランディ
収税吏: ジョナサン・ペイン
祖母: マリオン・テイト
狩人、鳥、城の獣たち、結婚式の招待客: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

おもしろかったです。ただ、バレエを見たというより、演劇かミュージカルを見た気分でした。着ぐるみを着ている分踊りが制約されていて、踊りを堪能できたか?というとちょっと不満。でも、演劇としての構成は抜群。舞台装置がすごい!お金がかかってる!

<プロローグ>
薄暗い舞台のセンターには書庫の一部。階段を上って本を取ろうとするベル。この装置もなかなか重厚な造り。ベルが階段を降りてきて本を読み始めると、背景から友人達と狩りにきた王子が登場します。木こりと雌狐に出会い、王子は木こりの制止を振り切って雌狐を仕留めようとします。木こりは魔法で雌狐を赤い髪の少女(ワイルド・ガール)に変えて逃がします。そして、野蛮なふるまいをした王子達一行を野獣に変えてしまいます。本を読みつづけるベルの傍らでこのお話が展開していって、これはベルの本の世界であるかのような演出です。これがうまい!次々と家来たちが野獣になっていくシーンも、あれ?耳が、尻尾が・・・いつの間に??と巧みでした。王子役のマッケイ君はかなり長身小顔のハンサム。これが野獣の仮面をつけてしまうなんて・・・・

原作にはなぜ王子が野獣になってしまったかというこのようなプロローグはないく、ビントリーが創作したものだそうです。

獣に姿を変えられた王子と従者たちは嘆きながら岩山(?)のお城に姿を消していきました。

<第一幕>
岩山の前に壁を見立てた幕が降りてきて、照明が明るくなり、場面を一転させます。ここはベルの家。すばやい展開がおもしろい。ベルは商人(貿易商って感じかしら?)の父と意地悪な姉二人の家族(おばあさんもいるけど、この時点ではわからなかった)。この姉二人がなぜベルに意地悪なのか良くわかりませんでした。シンデレラみたいに母親が違うとかなのかしら?二人のキャラ設定も中途半端な気が。

ベルの父は遭難していた船が発見されたという知らせを受け、荷物を引き取りに出かけます。娘たちにお土産のリクエストを尋ねると、二人の姉はドレスや宝石を、ベルは薔薇の花を頼みます。

父親たちの一行は途中で盗賊に襲われ、荷物を奪われ、従者たちともはぐれてしまいます。父親は岩山?の前で呆然としていると、岩山が扉のように開いていって、ドアが現れます。父親はその中へ入っていきます。そしてさらに岩山が展開してくと、そこはお城の中の場面に切り替わります。このあたりの装置の巧みさ、展開のスムーズさが素晴らしい!絵本を見ているようです。

さて、場面はお城の広間。人の姿はありません。が、突然キャンドルに火が灯り、奥にあった椅子がす~っと動いて中央に出てきました。そこで、父親がドアを開けて中に入ってきます。疲れきった父親は中央の椅子に座ります。側のテーブルにはワインや食事が。突然、デキャンタが中に浮いてワインがグラスに注がれます。空腹だった父親は、不気味に思いつつもワインと食事をいただきます。お腹いっぱいになって椅子に再び腰をかけると、椅子のアームが突然動いて、父親を抱きしめます。驚きもせず、眠りに落ちる父親。もうこのあたりの仕掛けも凝っていておもしろかった! 椅子は後ろに黒子がいたんでしょうね。

父親が目を覚ますと、盗まれた荷物が傍らにあり、中身も無事。荷物を持って城の外に出たところで、岸壁に薔薇の花を見つけます。ベルへのおみやげのためにそれを手折ろうとすると、恐ろしい姿の野獣に腕をつかまれ、薔薇を盗もうとしたことを責められます。野獣は映し鏡を持ってきて、父親の家の様子をうかがい、娘が3人居ることを知ります。この写し鏡のシーンも良く出来ていました。実際に鏡に映像が出ているかのように、その表面からは青白い光が出て、覗き込む顔を照らします。傍らで場面が展開されるのです。野獣は一番若い娘を自分のところへ寄越こせば、父親を開放すると脅し、父親は渋々同意して城を後にします。

帰宅した父親は娘に旅の話を聞かせ、ベルは納得して野獣の城へ向かいます。道中、ワイルドガールが現れ、ベルは打ち解けて、一緒に踊ります。するとカラスの一団が。リーダー役の山本さん、踊りの切れが良かった。劇中、初めてバレエらしい踊り。頭のかぶりものがガッチャマンに似てる!と思ったのは私だけかしら・・・? カラスの群れの踊りはボーン版スワン・レイクを彷彿とさせる振付。迫力があってぞくっとしました。

ベルは鳥達に運ばれ、野獣の住む城に到着します。ベルは野獣の醜さに思わず顔を背けてしまいますが、ベルの顔を見た野獣はその美しさに一目で心を奪われますが、自分の醜さが恥ずかしくなり、顔を隠します。2人は踊り始めますが、ベルは気を失ってしまいます。野獣はやさしくベルを横たえます。野獣はすっかりベルに恋していました。


<第二幕>
お城では舞踏会が催されています。このお城のセットもゴージャスで、趣味が良い。音楽も全般的にクラシカルで初めてなのに心地よい。招待客はすべて獣の姿をしています。ベルはそんな光景にもすっかり慣れ、野獣と楽しそうに踊っています。ここで、ポスターになっているシーンが出てくるのですが、ベルのドレスのスカートは、金糸のグラデーションのオーガンジーの布が花のように何層にも重ねられていて、脚をあげた時に羽根を羽ばたいているように美しく動きます。

野獣はベルに求婚しますが、ベルは野獣のやさしい心は感じているが、愛していないので結婚は出来ないと断り、広間を飛び出していきます。苦しむ野獣。かわいそうで胸が切なくなります。

野獣がベルの部屋を訪れると、ベルは泣いていました。どうか少しの間でも良いから家へ返して欲しいと懇願します。野獣はベルに必ず帰ってくるよう念を押し、一輪の薔薇を渡し、その花が枯れる前に戻ってくるよう約束させます。

ベルの家。お金持ちだけど、とても醜いムシュー・コション(フランス語で豚!)と姉(でも、まだどっちか決まっていない)の婚約を祝うパーティが行われています。ゲストは皆太っているし、よれよれの祖母が突然かくしゃくとして踊ったり・・・とお笑い満載なシーン。でも、私はなんとなく違和感。ベルをあんなにひどい目に合わせておいて、なんで父親は平気そうにしてるんだ!と思ってあまり笑えなかったなぁ。

ベルが帰ってきました。姉達は邪険にしますが、ベルは帰宅を喜ぶ父との再会にひたります。

一方、お城では野獣がベルを待ち焦がれていました。時間が経つにつれ、野獣はベルが戻ってこないのではという疑心暗鬼にとらわれ、深く絶望し、衰弱していきます。病床で、映し鏡でベルの様子を伺うと、姉達がベルの持っていた薔薇の花びらをむしりとってしまいました。ショックのあまり野獣は意識を失ってしまいます。

そこへベルがやっと戻ってきました。瞼を閉じたまま横たわる野獣の意識を必死で取り戻そうとするうちに、ベルは自分の気持ちに気がつきます。

その時、あの木こりが現れます。

野獣は美しい王子の姿に戻っていました。すごい汗で、衣装がぐっしょり。そりゃ、そうですよね・・・ すべての呪いが解かれ、お城の人々も皆人間の姿に戻りました。 2人は思いを確かめ合うように踊ります。

ワイルド・ガールも元の狐の姿に戻ることができました。HAPPY END☆


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おもしろかったので、ストーリーを事細か~に記録しました。踊りの感想がない~

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