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気の向くままに。。。 ダンス・バレエの関連トピックが一番多いかも。 by nao@momojrt020327

マリインスキー・バレエ「白鳥の湖 」11/27 ロパートキナ&コルスンツェフ

2009年11月27日 | Ballet
マリインスキー・バレエ「白鳥の湖 」
2009年11月27日(金) 18:30~21:30

音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付 : マリウス・プティパ,レフ・イワノフ
改訂振付 : コンスタンチン・セルゲーエフ
台本 : ウラジーミル・ベーギチェフ,ワシーリー・ゲーリツェル
装置 : シモン・ヴィルサラーゼ
衣裳 : ガリーナ・ソロヴィヨーワ
指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

≪出 演≫
オデット/オディール : ウリヤーナ・ロパートキナ
ジークフリート王子 : ダニーラ・コルスンツェフ
王妃 (王子の母) : エレーナ・バジェーノワ
王子の家庭教師 : ソスラン・クラーエフ
道化 : グリゴーリー・ポポフ
悪魔ロットバルト : コンスタンチン・ズヴェレフ
王子の友人たち : ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/マクシム・ジュージン
小さな白鳥 : エリザヴェータ・チェプラソワ/ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エレーナ・ユシコーフスカヤ
大きな白鳥 : ダリア・ヴァスネツォーワ/ユリアナ・チェレシケーヴィチ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/リリヤ・リシューク
2羽の白鳥 : ダリア・ヴァスネツォーワ/オクサーナ・スコーリク
スペインの踊り : アナスタシア・ペトゥシコーワ/ヴァレーリヤ・イワーノワ/イスロム・バイムラードフ/カレン・ヨアンニシアン
ナポリの踊り : ヤナ・セーリナ/マクシム・フレプトフ
ハンガリーの踊り : ポリーナ・ラッサーディナ/ボリス・ジュリーロフ
マズルカ : アリサ・ソコロワ/オリガ・ベリク/ナターリア・ドゥゼヴリスカヤ/スヴェトラーナ・シプラトワ/ドミートリー・プィハチョーフ/カミーリ・ヤングラゾフ/ニコライ・ナウーモフ/セルゲイ・サリコフ



やはりロパートキナの白鳥は素晴らしい。

細い体、長い手足。優美に滑らかに動く腕、しなった脚、柔らかい背中・・・白鳥の化身のような踊り、ラインの美しさでこの人を凌駕する人はいるのだろうか。
ザハロワの白鳥も完璧なフォルムなんだけど、ザハロワと違うのは華奢で折れそうに細い体と柔らかい肩と背中を使った腕の動き。

2幕のアダージオを絶品だった。スローモーションのようにゆっくりとした動きの中でロパートキナの動かす腕と脚の軌跡にひたすら目が釘付けになった。そして、コーダの最後の羽ばたき、そして、膝乗せポーズに感涙。

ただ、残念ながら前回の公演時よりロパートキナの体力の低下は否めなかった。音楽に少し遅れてしまうところもあったし、ポワントから落ちて決めポーズがぐらりと揺れる場面もあったし、DVDの時は2回に1回はダブルだったフェッテも全てシングルで最後はもうやっとやっとな感じだった。もしかしたら、全幕で白鳥を観ることができるのは最後なのかもしれない。

セルゲイエフ版では、王子の見せ場がやや少ない。悩みのソロも割愛されているので、王子の人物像がやや不鮮明。道化のグリゴーリー・ポポフは跳躍はとても高いのだが、最初の回転系でフィニッシュが乱れていて、表情も硬くて、この人大丈夫??と思ったが、一番の見せ場の乾杯の踊りの前の回転はしっかり見せてくれて、その後はどんどん表情も出てきて、3幕ではしっかり高い跳躍を存分みせてくれて、尻上がりに調子が上がっていって良かった。

王子の友人たちのマクシム・ジュージンが素敵だった。踊りがノーブルでサポートも上手。次は王子で見たい!

スペインのイスロム・バイムラードフが噂どおりかっこいい・・・♪とおもったら、黒の方はカレン・ヨアンニシアンでした。えらくイケメン。長身でも踊りはしなやかで、彼に眼が釘付け。おかげで女性陣はまったく目に入らなかった!ふふふ、今後の公演ではヨアンニシアン君探しに精を出さねば。

コール・ドは名前を知っている人がほとんどいなくて、また、これと言って目を引く人がいなかった。これは意外。

実は今日は残念ながら舞台に集中できなかった。隣の席の男が5秒に1回ぐらい姿勢を動かし、そのたびにため息をつきやがって、それが気になって気になって。2幕の後はよほど注意しようかと思ったのだが、その後もそいつの隣で見続けるのは気まずいし・・・と我慢したのだが・・・

ありがたいロパートキナさまの価値がわからない男を連れてくるな~!!そんな観劇態度の彼氏なんて、私だったら即効で別れるよっ!


2006年12月8日 マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」ロパートキナ&イワンチェンコ

2001年末のパリ・オペラ座のバレエ・リュス・プログラム

2009年11月26日 | Ballet
この年末はパリ・オペラ座でバレエ・リュス・プログラムが予定されている。

ということで、そういえば2001年の年末に同じパリ・オペラ座でバレエ・リュスのプログラム(演目は異なる)を観たけど、全然わからなくて堪能できなかったんだよなぁ・・・と思い出した。

あの時はそもそもあまりプランのない観光旅行でクリスマスのパリに滞在し、街中が休業で機能停止に陥り・・・なんとかオペラ座で催し物をやっているのを見つけ、チケットを取ったのだった。

当時はバレエもほとんど観たことがなくて、知識もなく、貴重なプログラムであったのに全く理解できなかった・・・・。なんとも惜しまれる。しかも、当日のリーフレットも紛失してしまい、記録すらも残っていない。

演目は、後にバレエの知識がついていくうちにこれだったな~というのが判明したが、キャストは全く不明。色々調べて、ようやくBallet Talkの当時の関連投稿記事を発見!

公演前にキャストがアナウンスされた時のスレッドから
http://ballettalk.invisionzone.com/index.php?showtopic=4080

Forkin's Petrouchka" ペトルーシュカ(フォーキン)
-Laurent Hilaire - Elisabeth Maurin- Wilfried Romoli
-Kader Belarbi/ Karin Averty/ Yann Bridard
-Lionel Delanoe/ Clairemarie Osta/ Jean-Christophe Guerri (coryphee) or Herve Dirmann (sujet)
-Kader Belarbi/ Laure Muret (sujet)/ Stephane Phavorin (sujet)

Nijinsky's "L' Apres-midi d'un Faune" 牧神の午後(ニジンスキー版)
-Jean Guillaume Bart and Karin Averty
-Wilfried Romoli and Laurence Laffon (coryphee)
-Yann Bridard and Amelie Lamoureux (coryphee)
-Stephane Bullion (coryphee) and Laurence Laffon

Robins' "Afternonn of a faun "牧神の午後(ロビンズ版)
-Nicolas Le Riche and Eleonora Abbagnato
-Karl Paquette and Laetitia Pujol
-Herve Moreau (sujet) and Juliette Gernez (coryphee)
-Yann Saiz (sujet) and Emilie Cozette (coryphee)

Blanca Li's "Scheherazade" シェヘラザード(ブランカ・リ)
-Agnes Letestu and Jose Martinez
-Delphine Moussin and Benjamin Pech or Stephane Phavorin
(以下他サイトより)
音楽:Nicolai Rimski-Korsakov
振付:Blanca Li
美術:Thierry Leproust
衣装:Cristian Lacroix
オーケストラ:Orchestre Colonne 指揮者:Paul Connelly
上演スケジュール:
2001年12月19, 20, 21, 22, 24 (14 :30 & 20 :00), 25 (15 :00), 27, 28, 29, 30 (15 :00) - 19 :30
2002年1月2, 3, 4 - 19 :30
会場:《Palais Garnier》

28日に見た方の投稿記事では、
http://ballettalk.invisionzone.com/index.php?showtopic=4066
ペトルーシュカ
Laurent Hilaire - Elisabeth Maurin- ?Wilfried Romoli(記載がなかったので上記より)
イレールの出来は4年前にこの方が観たベラルビに遠く及ばない動きだったとちょっと酷評。私はこの演目に関してはこの時「なんじゃこりゃ?」と訳がわからず、印象最悪。以来観たことがない。長く踊り継がれてきている演目だから、もう一度改めて観るべきなんだろうな。

牧神の午後(ニジンスキー版)
Yann Bridard and ?Amelie Lamoureux(記載がなかったので上記より)

牧神の午後(ロビンズ版)
Karl Paquette and Juliette Gernez
ロビンズ版は1974年にパリ・オペのレパートリーに入った(ヌレエフとポントワなど)が、その70年代以来の上演だったそう。で、とても期待してたのにキャストが悪かった!とこれまた酷評。

この時は同時にバスティーユでラ・バヤデールを上演していて、エトワールとプルミエール・ダンスールの大半がこちらに回っていて、こちらのプログラムのキャストは若手中心に組まれていたのが、初演時と違いすぎる!!とかなりご不満

シェヘラザード(ブランカ・リ版)
もうこれにいたってはキャスティングに言及されず、とにかく酷評。
振付もそうなのだが、特に衣装が最悪とのこと。私はラクロワが担当したという衣装の美しさに目を奪われ、ここでようやくバレエを観た!と感激したのですが・・・この衣装に関してはどちらかというと肯定的な意見が多数だったと思うののだが・・・。

とにかく引用した方はプログラム全体に対して概ねネガティブな感想だったが、このスレッドを最初に立てた方は全般的に素晴らしいパフォーマンスだったとポジティブな印象をお持ちだった。が、この方にしてもブランカ・リの振付は「so so」とのこと。このシーズンの新製作だったのに、かなり不評だったよう。

そして、ニジンスキーとロビンズの二つの牧神を同時にやるものおもしろい試みだけど、あの音楽2回は眠くなるとの意見も。

確かに!

今年のバレエ・リュス・プログラムはエイマンの薔薇の精とかボリショイからのゲストも数名参加でさらに内容が充実しているよう。どんなパフォーマンスになるのかな。

東京バレエ「くるみ割り人形」 11/20 コジョカル&コボー

2009年11月20日 | Ballet
東京バレエ「くるみ割り人形」(全2幕)

振付: レフ・イワーノフ/ワシリー・ワイノーネン
音楽: ピョートル・I.・チャイコフスキー
美術: ニコラ・ベノワ


クララ:アリーナ・コジョカル
くるみ割り王子:ヨハン・コボー


【第1幕】

クララの父:柄本武尊
クララの母:井脇幸江
兄フリッツ:青木淳一
くるみ割り人形:氷室友
ドロッセルマイヤー:後藤晴雄
ピエロ:平野玲
コロンビーヌ:高村順子
ムーア人:小笠原亮
ねずみの王様:梅澤紘貴


【第2幕】


スペイン:乾友子-木村和夫
アラビア:西村真由美-柄本弾
中国:佐伯知香-高橋竜太
ロシア:田中結子-松下裕次
フランス:高村順子-吉川留衣-長瀬直義
花のワルツ(ソリスト):
矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、日比マリア
宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本武尊


指揮: デヴィッド・ガーフォース
演奏: 東京ニューシティ管弦楽団
児童合唱:東京少年少女合唱隊


◆上演時間◆

【第1幕】 19:00 ~ 19:55

休憩 20分

【第2幕】 20:15 ~ 21:05


「初」ワイノーネン版。プログラムで勉強しようと思ったら、バージョンの違いに関する記述なしでした。残念。

ワイノーネン版は「クララの物語」で、クララを主演ダンサーが演じ、クララに助けられたくるみ割り人形が王子に変身して、不思議な世界で再びねずみたちと戦って勝利を上げ、クララにプロポーズ?→グラン・パ・ド・ドゥ、そしてすべてはクララの夢でした・・・と最も素直なストーリー展開。これはこれで楽しかった。
コジョカル&コボーの愛のあふれるPDDもこの演目にぴったりで、夢のようなひと時だった。堪能。


プロローグではクララの家のパーティに向かう人々が次々と登場。ドロッセルマイヤーがくるみ割り人形を小脇にかかえて、コケティッシュなステップで舞台を横切る。


紗幕が上がると、パーティ会場。ピンクっぽい壁画の中央にツリーも絵。これにはちょっとびっくり。このツリーは巨大な細長い三角形で、後に大きくなる時は上に引っ張り上げられるにつれ、下に余していた布がどんどん広がって大きくなるという仕掛けなのだが、あまりにシンプルな仕掛けに目が点になる。いや、別に良いんですけど。

走り回る子供たちの中に自然にコジョカルが。あまりに溶け込んでいたので、誰も登場の拍手ができないほど。この版のクララは他キャストとのからみが多いので、リハーサルが大変と聞いたが、彼らは前日に到着したらしいのに、コジョカルの演技に不自然さは感じられなかった。すごいなぁ・・・ 

ドロッセルマイヤーが見せる人形劇の人形たちはちょっとペトルーシュカっぽく、ピエロにコロンビーヌ(女の子の人形)にムーア人。みんな人形振りがうまい!
くるみ割り人形は人形(ぬいぐるみっぽい)と人がくるくる入れ替わる。が、人が演じる場合、最初の方の人形振りは当然主役のコボーではなく、別の人が演じる。
ドロッセルマイヤーはこともなげに人形を出したり片付けたりするが、もちろん体重を感じさせない。実際は重いだろうに。

この版のドロッセルマイヤーはミステリアスな雰囲気はあまりなくて、むしろおもしろいおじさんな感じ。壊れたくるみ割り人形を直して、フランツとクララを仲直りさせていくあたりはかなり良い人。このキャラだと存在感やストーリーへの影響度がかすむように思う。ま、でも、あくまでクララの物語としてはここのぐらいで良いのかしら?

クララがねずみたちに恐々スリッパ投げつけると、ねずみがやられた~とケイレン。くるみ割り人形が自らその仮面を取って、王子に変身。あら素敵王子様・・・と2人のPDDが始まる。2人で踊り始めると、ふとコジョカルの緊張がほぐれて世界になる。

バックの窓の夜空に雪が舞い始め、コボーの美しいマネージュに導かれ、雪のシーンへ。ここの雪の降らせ方は実に美しくて、今回の演出の中で一番気に入った。雪の精たちの踊りも幻想的で素晴らしかった。コーラス隊が舞台下手の花道に登場して歌うのもライブ感があって◎


第2幕は不思議の国への旅からスタートなのだが、これがちょっとちゃちまたくさい。紗幕でぼんやりと見せるようにしてあるが、ちょっとねぇ。王子とクララが船?を手漕ぎして舞台を横切るが、この船がいかにも・・・(苦笑)

後からドロッセルマイヤーの人形たちがお供に?、そして、またねずみが!まだ登場してきたのにびっくり。ねずみの王様が後を追え~!早く漕がんか~と家来のねずみたちの頭を望遠鏡でぽかすか殴るのですが、もぐらたたきみたいでおかしかった。

不思議の国のお城の前ではキャラクターたちがお出迎え。そこへねずみたちが・・・!! くるみの王子が勇敢にたたかう。ついにネズミたちを撃退、王子は奪取したねずみの王様の王冠を剣で掲げ、迫力のピルエット・ア・ラ・スコンドで勝利を高らかに宣言。そしてクララにその王冠をささげる。

各国の踊り。スペインの木村さんが素晴らしくかっこよかった。跳躍も高くて、指先足先まで美しくて。アラビアは西村さんは良かったけど、柄本さんが・・・グランバットマンの足がきちんと上がってないし、サポートも危うく見えた。中国はこれまた男性の方がいまひとつ・・・だったけど、次のロシアの松下さんがそれを一掃してくれました。すごいキレ!主役デビューを控えてパワー全開。フランスは女性陣が素敵。吉川さんはどんどん存在感が増している。花のワルツはちょっと・・・・4組のセンターがまたちょっとぎくしゃくとして見えた。

が、グラン・パ・ド・ドゥが始まったらまたまた別の至極の世界へ。
それはそれは夢のようなPDDだった。コジョカルの音楽を奏でているような腕と指先の柔らかな動きにうっとり。
また、コジョカルの淡いピンクベージュのチュチュがとても美しくて、オペラグラスで拡大してしっかり見てしまった。
こういうゲストで来る場合は衣装ってどうするんだろう。ロイヤルのものとはちょっと違うようだけど、東ババージョンなのかしら??と疑問に思っていたら、ロイヤルの衣装を作っていらっしゃる日本人のyoshiさんのブログに真実が。Yoshiさんオリジナルだった!

ところで、首を痛める前のコジョカルはポーズを決める時に首をきゅっ!と動かしてアクセントをつけていたが、復帰以降は極力それを抑えていると思う。長年の癖を直すのはそれは大変な努力であったろう。そのアクセントがなくなったからといって、彼女の踊りが変わったわけではなく、むしろ流麗になったように思われる。
そして、踊り自体の緩急もすごくなった。シェネの早いこと早いこと。後半になってもまったく衰えず。全幅の信頼をおいているパートナーに思いっきり飛び込むダイブの潔さは相変わらず。

あまりテンション上げずに望んだけど、かなり良い舞台だった。大満足。

K Ballet Company 「ロミオとジュリエット」11/9 SHOKO&遅沢

2009年11月09日 | Ballet
K-BALLET COMPANY
ロミオとジュリエット  Romeo and Juliet
2009年11月8日(火・祝)   14:00 東京文化会館 大ホール


ロミオ Romeo 遅沢佑介 Yusuke Osozawa
ジュリエット Juliet SHOKO
マキューシオ Mercutio 西野隼人 Hayato Nishino
ティボルト Tybalt 清水健太 Kenta Shimizu
ロザライン Rosaline 浅川紫織 Shiori Asakawa
ベンヴォーリオ Benvolio ビャンバ・バットボルト Byambaa Batbold
パリス Paris ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin


これまたSHOKOさんの全幕が観たくて取ったチケットでした。観ておいて良かった!すっかりファンになった!康村さんに比べると、身長も高いし体もしっかりとした筋肉質で、ゴローちゃん似で線の細い遅沢さんと並ぶとちょっと姉御っぽさが否めなかった・・・が、ロミオと恋に落ちてからはもう圧巻。踊りは伸びやかでかつ丁寧で指先足先まで細やかに神経が行き届いていて、抜群のプロポーションで決めるひとつひとつのポーズが本当に美しい。とても華のあるダンサーだ。もうちょっとちゃんとしたサポートがあれば・・・・が惜しまれる・・・・ 古巣のシュツットガルトでクランコ版を踊るチャンスはないのかしら??ベルリンでマクミラン版でも良いんじゃない??とにかくちゃんとしたパートナーで観たい~ 

遅沢さんのロミオは若々しくって頼りなくて良い意味で情けなくってかわいい・・・・♪ ジュリエットはこれだから母性本能をくすぐられたのかしら?という感じのロミオ。熊川ロミオとは全然違っていた(笑)。踊りは・・・もうちょっとがんばりましょうかな。熊川さん用跳躍回転てんこ盛りの振付もそれなりにこなしていて身体能力も高いのだろうが、こなすので精一杯でつま先などに構ってられなくなってしまうのだ。サポートも頼りないしリフトもよろよろ・・・SHOKOさんが大きいから負担がいかにも荷が重そうだった。バルコニーのシーンの最初のダイブで落としそうでひやり。なんとか持ち直したけど、そのままリフトされつづけて美しいポーズをキープできるSHOKOさんが素晴らしい・・・ あ、でも遅沢さんは脚がきれいだしナルシストっぽくなく好感度は高し!もうちょっと経験を積めばよいダンサーになりそうだと思った。

本日のベンヴォーリオはさらにマキューシオっぽいキャラが立ってて良かった!顔立ちは日本人と違和感がない、あまり聞きなれない外国名と思ったら、モンゴルの方だったのね。納得。マキューシオは相変わらず、存在薄・・・踊りの見せ場がないことはなかったことに気がついた・・・がやはりキャラを浮かび上がらせるような演出がないことが致命的。ティボルトの清水さんの使い方ももったいない!
2回目となると音楽の組み換えにも冷静に対応出来て、1回目ほど拒絶感がなかった。本日は指揮者も違っていたため?オケのまとまりも良かったように思った。
それにしても、Kバレエのセットと衣装は相変わらずゴージャスでセンスが良い。今日はかなり前列だったので、しっかり見えたキャピュレット夫人のスカートのプリーツの美しさに目が奪われた。

K Ballet Company 「ロミオとジュリエット」11/6 康村&熊川

2009年11月09日 | Ballet
K Ballet Company 「ロミオとジュリエット」
2009年11月6日(金)   15:00 東京文化会館 大ホール
ロミオ Romeo 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
ジュリエット Juliet 康村和恵 Kazue Yasumura
マキューシオ Mercutio 橋本直樹 Naoki Hashimoto
ティボルト Tybalt 清水健太 Kenta Shimizu
ロザライン Rosaline 松岡梨絵 Rie Matsuoka
ベンヴォーリオ Benvolio 伊坂文月 Fuzuki Isaka
パリス Paris ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin
キャピュレット卿 Lord Capulet スチュアート・キャシディ Stuart Cassidy
キャピュレット夫人 Lady Capulet ニコラ・ターナ Nicola Tranah
乳母 Nurse 樋口ゆり Yuri Higuchi
僧ロレンス Friar Laurence ブレンデン・ブラトーリック Brenden Bratulic'
僧ジョン Friar John 小林由明 Yoshiaki Kobayashi


熊川版はひとことで言うならば「浅い」ロミオとジュリエットだった。音楽の組み換えによる違和感もさることながら、人物設定がロミオとジュリエット以外は曖昧で、主役以外の主要キャストであってもどうしてそのような行動を取るのかがまったく描かれていない。原作のエッセンスを取り出してつなげただけで、それに対する振付家独自の解釈が加えられていないのだ。

休憩時間に耳に入ってきた会話によると、あまり他のバージョンを見慣れていない方には「テンポが良くてわかりやすくておもしろい」ということだった。なるほど。でも、クランコ版やマクミラン版が刷り込まれている上、直近観たのがノイマイヤー版の身の上には、かなり落差が大きかった。

熊川版ロミオは良く回るし跳ぶ跳ぶ!最初から飛ばしまくり。熊川さんも調子が良さそうで、回転では軸足が地面に吸い付いているようだし、フィニッシュだって余裕だし、跳べば空中では止まっているよう。そんなところで回らなくても愛は伝わるんじゃない・・・・???と思うことしばしば。
ロミオの見せ場が多い分、第一幕では通常ジュリエットの子供っぽさを表す部分が大幅にはしょられているため、ジュリエット像がわかりにくい。パリスだって結構かっこいいのに、単にロミオの方がタイプだったのだろうか???


人物設定が曖昧と言えば、マキューシオの扱いがひどすぎ。マキューシオはピエロみたいな衣装なんだけど、お調子者を表すそれらしい踊りや演技の見せ場がちっともない。ベンヴォーリオの方がよほど見せ場が多くキャラも陽気で、マキューシオがティボルトと闘って殺されるまでベンヴォーリオがマキューシオだと思っていたぐらい。キャラが立たない間にティボルトに後ろから突き刺されて死ぬのに、どうしてあんなに長くのた打ち回らなければいけないのかまったく説得力がない。

ロザラインとか乳母とかどうでもいい人のシーンもやたら長い。ロザラインは例によって人物設定がわかりにくいため、なぜあんなに登場するのか意味不明。そして、乳母はアシュトンよろしく笑いを取る役なのだが、ロミ&ジュリに笑いはいらないし、この時間で他に掘り下げるべきシーンはたくさんあるでしょう・・・とちょっとイラついた。

コール・ドの振付は全体的にスピーディで躍動感あふれるもので、ヌレエフ版をちょっと思い出す複雑さ。全員身体能力が高いのね・・・と思った。特に男性ダンサーは身長もあってスタイルも粒そろいで目に麗しい。
康村さんのジュリエットが素晴らしかったのが救いでした。アラベスクやアチチュードで上げる脚の美しさに惚れ惚れ。第二幕の後半では感情表現も細やかで素晴らしく涙を誘われた。もともと康村さんの全幕を観たくて取ったチケットだったので、これだけでも十分幸せ。

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モンタギュー家の若者たち Montague young men
浅田良和 Yoshikazu Asada / ビャンバ・バットボルトByambaa Batbold / 西野隼人 Hayato Nishino
キャピュレット家の娘たち Capulet young women
浅野真由香 Mayuka Asano /木島彩矢花 Sayaka Kijima / 松根花子 Hanako Matsune
岩渕もも Momo Iwabuchi / 三井英里佳 Erika Mitsui
キャピュレット家の若者たち Capulet young men
内村和真 Kazuma Uchimura / 福田昂平 Kohei Fukuda
合屋辰美 Tatsumi Goya / 浜崎恵二朗 Keijiro Hamasaki / 高島康平 Yasuhira Takashima
ヴェローナの娘たち Verona girls
白石あゆ美 Ayumi Shiraishi
中島郁美 Ikumi Nakajima / 副智美 Satomi Soi / 井上とも美 Tomomi Inoue
中村春奈 Haruna Nakamura / 松岡恵美 Emi Matsuoka
ジュリエットの友人たち Juliet Friends
日向智子 Satoko Hinata / 渡部萌子 Moeko Watanabe / 梶川莉絵 Rie Kajikawa
中谷友香 Yuka Nakatani / 山口愛 Ai Yamaguchi
マンドリンカップル Mandolin couples
神戸里奈 Rina Kambe / 湊まり恵 Marie Minato
荒井英之 Hideyuki Arai / 長島裕輔 Yusuke Nagashima


●音楽 Music セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev
●舞台美術・衣裳 Set and Costume Design ヨランダ・ソナベンド Yolanda Sonnabend
●照明 Lighting Design  足立恒 Hisashi Adachi  ●指揮 Conductor 福田一雄 Kazuo Fukuda ●演奏 シアター オーケストラ トーキョー THEATER ORCHESTRA TOKYO

●芸術監督 Artistic Director  熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●舞台美術・衣裳アソシエイト Associate Set and Costume Design マシュー・ディーリーMatthew Deely
●衣裳アソシエイト Associate Costume Design アラン・ワトキンス Allan Watkins