東京バレエ団「ジゼル」9/11

東京バレエ団「ジゼル」
2008年9月11日(木)　19時開演　　会場／ゆうぽうとホール

ジゼル：  小出領子
アルブレヒト：  ウラジーミル・マラーホフ
ヒラリオン：  後藤晴雄

バチルド姫：  川島麻実子
公爵：  木村和夫
ウィルフリード：  野辺誠治
ジゼルの母：  橘静子
ベザントの踊り（パ・ド・ユイット）：  高村順子‐中島周、乾友子‐長瀬直義、佐伯知香‐松下裕次、吉川留衣‐平野玲
ジゼルの友人（パ・ド・シス）：  西村真由美、高木綾、奈良春夏、田中結子、矢島まい、渡辺理恵

ミルタ：  井脇幸江
ドゥ・ウィリー：  西村真由美-乾友子

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マラーホフは素晴らしい！！　

と、改めて私が言うまでもありませんが・・・・

マラーホフの全盛時代にバレエを観ていなかったので、彼の全幕をこれまで観る機会がほとんどがなかったため、正直これまで彼の踊りに心を動かされたことがなかったのです。いや、実際にはマラーホフのアルブレヒトを全幕で観るのは２回目ではあるのですが・・・前回のことは全く記憶に残っていなかったぐらい。今回は座席が３列目で表情がとても良く見えたせいでしょうか、あんなに感情のこもった、自身そのものがアルブレヒトになりきっている・・・というのは初めて観た気がしました。

第一幕ではベルベットのベストに白のパフスリーブのシャツ。貴族の高貴さを隠しきれませんよ。とにかくジゼルがかわいくて愛おしくてしょうがなくて、ジゼルにキスの雨を降らせまくるアルブレヒト。バチルダを目の前にし、現実に戻された時の凍てついた表情。ジゼルを失った時の狂乱に近い取り乱し。第二幕では視線を常に遠くに保って、精霊との距離感を表していたのが印象的。踊りの面ではテクニック面でやはり衰えが隠せない部分もありましたが、脚さばきの美しさは別格。特にクライマックスで脚を打ち鳴らしながら舞台奥から斜めにささーっと出てくるところは、華麗そのもの。２回目は会場からも思わず拍手が。

ジゼルデビューの小出さんもとても良かった。一幕は完璧。とても落ち着いてしっかりとジゼルを演じきっていたように見えました。狂乱のシーンはおとなしめかな？でも、悲しみと絶望は十分に伝わってきました。二幕では、脚さばきにちょっと不満が残りました。そして、そのため上半身のポーズが乱れるのが気になりました。リフトの際はマラーホフのサポートが抜群で空に浮いているようで、二人のパートナリングも初めてとは思えないぐらい。

後は・・・一幕のペザントの踊りの中で、高村さんは安定感があって引き続き素敵。白鳥やバレエ・インペリアルの時にコール・ドで目をひいていた吉川留衣さんが入っていました。ステップ・アップしてますね。男性陣もイキが良くて、しっかりそろっていてなかなか良かった。ミルタは井脇さんがハマリ役。最後のカーテンコールの時、とてもうれしそうだったのはなぜかしら。