「ミハイロフスキー劇場ガラ」
2009年1月21日(水)18:30開演 Bunkamuraオーチャードホール
第1部
「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ
音楽:P.チャイコフスキー
振付:M.プティパ
イリーナ・コシェレワ
コリパエフ、モロゾフ、カシャネンコ、ヴェンシコフ
「ばらの精」からの演目変更。コシェレワは特筆すべきところなし。
「人形の精」より
音楽:J.バイヤー
振付:S.レガート、N.レガート
サビーナ・ヤパーロワ、ヴャチェスラフ・チュチューキン、マクシム・ポドショーノフ
ワガノワ・バレエ学校のレパートリーとか・・・おもちゃ屋さんで真夜中に人形たちが踊るというお話のクライマックスで、フェアリー・ドール(=人形の精、「妖精の人形」とかの方が正しそうじゃないかな?)とピエロ2人のパ・ド・ドゥ。ヤパーロワは小柄でとっても華奢!ピエロの2人はなかはか良かったけど、メイクのせいでどちらがどちらか判別不能。
「ロミオとジュリエット」よりバルコニーの場面
音楽:S.プロコフィエフ
振付:O.ヴィノグラードフ
イリーナ・ペレン、アンドレイ・マスロボエフ
聞きなれないヴァージョンですが、ヴィノグラードフは1970年代にミハイロフスキー劇場の芸術監督を務め、この時に振付けたもののようです。ミハイロフスキー劇場で昨年10月30日から11月1日に上演されたそうです。凝ったリフトが盛りだくさんでなかなかロマンチックな振り付けでした。ペレンのジュリエットは素敵~。し、しかし、マスロボエフはノーブルな雰囲気なんだけど、ちょっと体のバランスが・・・(はっきり言って顔が大きすぎる!)で、入り込めなかった。
「せむしの仔馬」より“海と真珠の踊り”
音楽:C.プーニ
振付:M.メッセレル
アンナ・クリギナ、ユリア・チーカ、アンドレイ・ヤフニューク
「海」役の男性一人と「真珠」役の女性二人のパ・ド・トロワ。
「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
音楽:L.ミンクス
振付:M.プティパ
オクサーナ・シェスタコワ、ミハイル・シヴァコフ
ヴァリエーション:タチアナ・ミリツェワ
シェスタコワさん、昨日はやはりお疲れだったのか、パートナーが悪かったのか。彼女の踊りは本当に「磐石」。どこも危なげがなくて、完璧。フェッテの最後はやはりちょっとずつ顔の位置をずらしていって、最後に正面に戻るのを。彼女の十八番なのでしょうね。ミハイル・シヴァコフは大技はないけど、フィニッシュがとてもきれいで、決めポーズをバリっと決めていて好感。
第2部
「ムーア人のパヴァーヌ」(「オテロ」のテーマによるヴァリエーション)
音楽:H.パーセル (「アブデラザール、またはムーア人の復讐」より)
振付:J.リモン
ファルフ・ルジマトフ、イリーナ・ペレン、アンナ・ノボショーロワ アンドレイ・カシャネンコ
ルジマトフってやはり別次元のダンサーなのですね。指先からつま先まで体全体のラインがまったく違うんです。片手を上げるだけでも全身が美しい。体中に神経が行き届いてコントロールされている。圧倒的な存在感でした。
オペラの「オテロ」がベースで、登場人物はオテロ:ルジマトフ、デズデモーナ:ペレン、イアーゴ:カシャネンコとその妻エミリア:ノボショーロワの4人。ハープシコードが奏でるバロック調?な音楽と貴族のような衣装で、ゆっくりとしたダンスやムーブメントによって、イアーゴとオテロの対立やイアーゴと妻の陰謀-白いスカーフが誤解を生む道具として使われ、嫉妬からオテロがデスデモーナを殺害してしまう物語が展開されます。
パヴァーヌは、イタリアを起源とする、男女のペアにより威厳のある行列を作って踊られる、ゆったりとした舞曲の意
第3部
「エスメラルダ」より
音楽:C.プーニ
振付:M.プティパ
エカテリーナ・ボルチェンコ、ニコライ・コリパエフ
よくガラで観られるPDDではありませんでした。エスメラルダは恋心を抱いた相手に婚約者がいることを知り、失意の中で踊り子として祝いの踊りを踊る・・というシーンで、ボルチェンコは終始悲しそうな表情を浮かべて踊っていました。全幕としてレパートリーにしているのはミハイロフスキー劇場だけらしく、内容がわからないだけにガラの中ではちょっと唐突な演目かも。
「スパルタクス」よりアダージョ
音楽:A.ハチャトゥリアン
振付:G.コフトゥン
イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ
昨年新製作された版とのこと。スパルタクスと恋人ワレーリア(グリゴローヴィチ版ではフリーギア)のアダージョ。片手はないけど複雑リフトいっぱい。マラト・シェミウノフは身長195cmでスタイルも良い。ペレンは万能でなんでもこなしちゃう。
「アダージェット」
音楽:G.マーラー
振付:N.ドルグーシン
ファルフ・ルジマトフ
さっきあれほどルジマトフの体に感激したのに、疲れてしまって集中できませんでした。
「海賊」第3幕より花園の場&第2幕より
音楽:R.ドリゴ他
振付:M.プティパ/V.チャブキアーニ
メドーラ: オクサーナ・シェスタコワ、ダリア・エリマコワ、エカテリーナ・ボルチェンコ
アリ: アントン・プローム、ヴャチェスラフ・チュチューキン、アレクサンドル・オマール、ファルフ・ルジマトフ
ギュリナーラ:タチアナ・ミリツェワ
キャスト表をもらった時に、なんでメドーラとアリのところにいっぱい名前が書いてあるんだろう???と思ったら、ちょっとずつ踊って交替していき・・・最後のコーダではサプライズでルジマトフがアリで登場。会場が大いに沸きました。
花園の最後にシェスタコワが初めて乱れたところがあって、足を怪我したんじゃないかとひやり。最後まで踊っていたから大丈夫だったのでしょうが。
総じて、ミハイロフスキー劇場のレベルが確実にあがったように思いました。食わず嫌いはいけませんねぇ。
2009年1月21日(水)18:30開演 Bunkamuraオーチャードホール
第1部
「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ
音楽:P.チャイコフスキー
振付:M.プティパ
イリーナ・コシェレワ
コリパエフ、モロゾフ、カシャネンコ、ヴェンシコフ
「ばらの精」からの演目変更。コシェレワは特筆すべきところなし。
「人形の精」より
音楽:J.バイヤー
振付:S.レガート、N.レガート
サビーナ・ヤパーロワ、ヴャチェスラフ・チュチューキン、マクシム・ポドショーノフ
ワガノワ・バレエ学校のレパートリーとか・・・おもちゃ屋さんで真夜中に人形たちが踊るというお話のクライマックスで、フェアリー・ドール(=人形の精、「妖精の人形」とかの方が正しそうじゃないかな?)とピエロ2人のパ・ド・ドゥ。ヤパーロワは小柄でとっても華奢!ピエロの2人はなかはか良かったけど、メイクのせいでどちらがどちらか判別不能。
「ロミオとジュリエット」よりバルコニーの場面
音楽:S.プロコフィエフ
振付:O.ヴィノグラードフ
イリーナ・ペレン、アンドレイ・マスロボエフ
聞きなれないヴァージョンですが、ヴィノグラードフは1970年代にミハイロフスキー劇場の芸術監督を務め、この時に振付けたもののようです。ミハイロフスキー劇場で昨年10月30日から11月1日に上演されたそうです。凝ったリフトが盛りだくさんでなかなかロマンチックな振り付けでした。ペレンのジュリエットは素敵~。し、しかし、マスロボエフはノーブルな雰囲気なんだけど、ちょっと体のバランスが・・・(はっきり言って顔が大きすぎる!)で、入り込めなかった。
「せむしの仔馬」より“海と真珠の踊り”
音楽:C.プーニ
振付:M.メッセレル
アンナ・クリギナ、ユリア・チーカ、アンドレイ・ヤフニューク
「海」役の男性一人と「真珠」役の女性二人のパ・ド・トロワ。
「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
音楽:L.ミンクス
振付:M.プティパ
オクサーナ・シェスタコワ、ミハイル・シヴァコフ
ヴァリエーション:タチアナ・ミリツェワ
シェスタコワさん、昨日はやはりお疲れだったのか、パートナーが悪かったのか。彼女の踊りは本当に「磐石」。どこも危なげがなくて、完璧。フェッテの最後はやはりちょっとずつ顔の位置をずらしていって、最後に正面に戻るのを。彼女の十八番なのでしょうね。ミハイル・シヴァコフは大技はないけど、フィニッシュがとてもきれいで、決めポーズをバリっと決めていて好感。
第2部
「ムーア人のパヴァーヌ」(「オテロ」のテーマによるヴァリエーション)
音楽:H.パーセル (「アブデラザール、またはムーア人の復讐」より)
振付:J.リモン
ファルフ・ルジマトフ、イリーナ・ペレン、アンナ・ノボショーロワ アンドレイ・カシャネンコ
ルジマトフってやはり別次元のダンサーなのですね。指先からつま先まで体全体のラインがまったく違うんです。片手を上げるだけでも全身が美しい。体中に神経が行き届いてコントロールされている。圧倒的な存在感でした。
オペラの「オテロ」がベースで、登場人物はオテロ:ルジマトフ、デズデモーナ:ペレン、イアーゴ:カシャネンコとその妻エミリア:ノボショーロワの4人。ハープシコードが奏でるバロック調?な音楽と貴族のような衣装で、ゆっくりとしたダンスやムーブメントによって、イアーゴとオテロの対立やイアーゴと妻の陰謀-白いスカーフが誤解を生む道具として使われ、嫉妬からオテロがデスデモーナを殺害してしまう物語が展開されます。
パヴァーヌは、イタリアを起源とする、男女のペアにより威厳のある行列を作って踊られる、ゆったりとした舞曲の意
第3部
「エスメラルダ」より
音楽:C.プーニ
振付:M.プティパ
エカテリーナ・ボルチェンコ、ニコライ・コリパエフ
よくガラで観られるPDDではありませんでした。エスメラルダは恋心を抱いた相手に婚約者がいることを知り、失意の中で踊り子として祝いの踊りを踊る・・というシーンで、ボルチェンコは終始悲しそうな表情を浮かべて踊っていました。全幕としてレパートリーにしているのはミハイロフスキー劇場だけらしく、内容がわからないだけにガラの中ではちょっと唐突な演目かも。
「スパルタクス」よりアダージョ
音楽:A.ハチャトゥリアン
振付:G.コフトゥン
イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ
昨年新製作された版とのこと。スパルタクスと恋人ワレーリア(グリゴローヴィチ版ではフリーギア)のアダージョ。片手はないけど複雑リフトいっぱい。マラト・シェミウノフは身長195cmでスタイルも良い。ペレンは万能でなんでもこなしちゃう。
「アダージェット」
音楽:G.マーラー
振付:N.ドルグーシン
ファルフ・ルジマトフ
さっきあれほどルジマトフの体に感激したのに、疲れてしまって集中できませんでした。
「海賊」第3幕より花園の場&第2幕より
音楽:R.ドリゴ他
振付:M.プティパ/V.チャブキアーニ
メドーラ: オクサーナ・シェスタコワ、ダリア・エリマコワ、エカテリーナ・ボルチェンコ
アリ: アントン・プローム、ヴャチェスラフ・チュチューキン、アレクサンドル・オマール、ファルフ・ルジマトフ
ギュリナーラ:タチアナ・ミリツェワ
キャスト表をもらった時に、なんでメドーラとアリのところにいっぱい名前が書いてあるんだろう???と思ったら、ちょっとずつ踊って交替していき・・・最後のコーダではサプライズでルジマトフがアリで登場。会場が大いに沸きました。
花園の最後にシェスタコワが初めて乱れたところがあって、足を怪我したんじゃないかとひやり。最後まで踊っていたから大丈夫だったのでしょうが。
総じて、ミハイロフスキー劇場のレベルが確実にあがったように思いました。食わず嫌いはいけませんねぇ。