As I like it

気の向くままに。。。 ダンス・バレエの関連トピックが一番多いかも。 by nao@momojrt020327

お引っ越しのお知らせ

2010年02月25日 | Ballet
アクセスの都合により、ブログを移転することにいたしました。

タイトルは同じですが、アドレスはこちらです。
As I like it

今後も細々記録に残して参ります~

新国立劇場バレエ「くるみ割り人形」12/26 マチネ

2009年12月26日 | Ballet
新国立劇場バレエ「くるみ割り人形」
2009年12月26日 14:00~

振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
  演出・改訂振付:牧阿佐美
  音楽:ピョートル・チャイコフスキー
金平糖の精:さいとう美帆
王子   :マイレン・トレウバエフ
クララ  :小野絢子
雪の女王 :堀口純
ドロッセルマイヤー:森田健太郎
シュタルバウム  :逸見智彦(全日)
シュタルバウム夫人:楠元郁子(全日)
フリッツ     :加地暢文
ハレーキン  :江本拓
コロンビーヌ :伊東真央
トロル    :八幡顕光
ねずみの王様 :市川透
くるみ割り人形:八幡顕光
スペイン :西川貴子/古川和則
アラビア :寺島ひろみ/貝川鐵夫
      今井奈穂/大湊由美/中田実里/原田有希
中国   :寺島まゆみ/江本拓
トレパック:グリゴリー・バリノフ/八幡顕光/福田圭吾(3人全日)
葦の精  :高橋有里/長田佳世/大和雅美
花のワルツ:遠藤睦子/丸尾孝子/西山裕子/寺田亜沙子
      陳秀介/福岡雄大/輪島拓也/芳賀望

主役3人は踊り演技とも素晴らしかった。

新演出で、現代のしかも日本人?なクララが見た夢という設定で、最初と最後は東京の摩天楼の下いろいろな人が行きかうのだが・・・・ この部分は余計かな。

キャラクターで一番?なのは、アラブ。アラブっていうかエジプトなんですけど。う~ん、同じイスラム圏だけど、エジプトはちょっと違うでしょう・・・

全般的に衣装、舞台装置はとてもゴージャス。芸術監督が変わる来シーズン以降再演されることはあるのか??

シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン「聖なる怪物たち」

2009年12月18日 | Ballet
シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー「聖なる怪物たち」 
2009年12月18日 19:00~ 東京文化会館

術監督・振付:アクラム・カーン

ダンサー:シルヴィ・ギエム、アクラム・カーン

振付(ギエムのソロ):林懐民
振付(カーンのソロ):ガウリ・シャルマ・トリパティ

音楽:フィリップ・シェパード
およびイヴァ・ビトヴァー、ナンド・アクアヴィヴァ、トニー・カサロンガの歌より

照明:ミッキ・クントゥ
装置:針生康
衣裳:伊藤景
構成:ギィ・クールズ

演奏:アリーズ・スルイター(ヴァイオリン)
ラウラ・アンスティ(チェロ)
コールド・リンケ(パーカッション)
ファヘーム・マザール(ヴォーカル)
ジュリエット・ファン・ペテゲム(ヴォーカル)

技術主任:ファビアナ・ピッチョーリ
舞台技術:サンダー・ルーネン
音響技術:ニコラ・フォール
ツアー・マネージャー: シャロン・ジョン

◆上演時間◆
19:00-20:15


不思議な演目だった。「聖なる」というタイトル的に厳粛なものと勝手に思っていたら、かなりコメディだった・・・台詞があってびっくり(と書いてあったが、テロップで流れるだけとかだと思いこんでいた)。

ギエムはまだまだ高い身体能力を有しているのは素晴らしい。だが、クラシック・バレエのそしてコンテンポラリーダンスの枠をも飛び越えて新たな世界を作り出そうとしているのか。マリファントなどと組んで、新しい演目もすでに創作、初演しているらしいが、この種のものをまた観てみたいかと言われると、熱烈なギエムファンでもない限り、ちょっと苦しいのではないだろうか・・・

アクラム・カーンはインドの古典舞踏の「カタック」をベースとしたコンテンポラリー・ダンサーとのこと。カタックが何か勉強してから観るべきだった・・・
ラッセル・マリファントと見た目で区別がつかない・・・(両者ともきれいなスキンヘッズなので(汗))と思っていたが、アクラムは褐色の肌を持っていて、生で観れば明らかに違う人だった(当たり前だが)

舞台の幕が上がると、舞台奥には白のしわの入った紙の壁、上手から下手にかけて斜めに空間が開いている。
舞台の上には両腕を鎖?でつながれたギエム、カーン、上手端にヴァイオリン、チェロ、ドラム。
カーンが歩くとシャンシャンと鈴の音。幅が広めのパンツの下の足首に鈴をつけているらしい。



カーンのナレーション。ギエムとクラシック・バレエのこと。
ギエムが踊る。最初は両腕に縄をつけたまま苦しそうに、そして縄から解き放たれると、今度は自由闊達に彼女の身体能力を最大限に生かした激しい踊りに。
踊り終わると、カーンのナレーション。今度は自分自身とカタックのこと。
ところが、彼がカタックをやっていく上で問題になったのが、髪が薄くなってしまったということ。ここから話はコミカルになっていく。
カーンが語っている間、ギエムは舞台後方で汗をぬぐい、水を飲み、髪を結わえ・・・・
カーンのソロは迫力。細かく力強いステップとかかとに重心を置いたものすごい旋回。それに伴って鈴の音がシャラシャラ鳴る。
この鈴はインド舞踏の伝統的な装飾品で「グングル」というもので、カタックでは100~200個と一番数が多いらしい。
長い紐に鈴が付けてあって、それをぐりぐり足首に巻きつけるのだ。ギエムが最初に腕につけていた紐もこれだったようだ。

ギエムがイタリア語の話を始める

(続く?)

マリインスキー・バレエ「オールスター・ガラ」12/11

2009年12月11日 | Ballet
2009年12月11日(金) 19:00~21:55
オールスター・ガラ

昨日のガラよりは今日の方が演目と演者のバランスが比較的とれていた。
残念ながら、メインのヴィシニョーワが一番ミスキャストだと感じた。
昨日のカーテンコールの切り上げに相当クレームがあったのか、今日は各演目少なくとも2回は出てきてくれて、最後の幕もじ~っくり待って降ろされた。すばやい改善で大変よろしい。
4日間完走出来た自分も結構えらい!?が、それだけ満足度の高いツアー内容だったからこそ耐えられたのだろう。

≪シェエラザード≫ [45分]
音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
振付:ミハイル・フォーキン
振付復元:イザベル・フォーキン,アンドリス・リエパ
装置・衣裳:アンナ・ネジナヤ,アナートリー・ネジニー
シャリヤール王 : ウラジーミル・ポノマリョーフ
王の弟 : カレン・ヨアンニシアン
宦官長 : ロマン・スクリプキン
ゾベイダ : ディアナ・ヴィシニョーワ
黄金の奴隷 : イーゴリ・コールプ
オダリスク : アナスタシア・ペトゥシコーワ
       : エフゲーニヤ・ドルマトーワ
       : リュー・チヨン

コールプさん、どうしちゃったの?野性的な魅力でゾベイダを虜にする・・・という解釈なのだろうが、踊りが荒すぎ。着地がどっすんどっすんで、崩れおちるようになる場面も多く、怪我でもしているのかと思うほど。帰宅して思わずルジマトフの同演目のDVDを観て、全然違う~~~~~!!と叫んでしまった。奴隷なのだけど、エレガントなセクシーさがないとぉぉぉ!
一方ゾベイダのヴィシニョーワはまぁ悪くないのだが、濃い彼女がこの役をやってもいまひとつそのまんまでおもしろくない。そして、比較してしまうといかにロパートキナの腕の動きがすばらしいかわかってしまった。
演奏は今日も相変わらず。主犯格ホルン退場せよって感じでした。
カーテンコールが3回だったかな?昨日のロパートキナ&コルスンツェフにももっと拍手したかった。


≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [8分]
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:アレクセイ・ラトマンスキー
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  ミハイル・ロブーヒン

やっとオブラスツォーワの魅力全開、堪能できた。昨日とはうってかわったような伸びやかさ。何よりキャラがシンデレラにぴったり。長身細身の女性ソリスト陣の中にあって、小さくてかわいらしい彼女の存在は実に貴重だと思った。
ロブーヒンはサポートが上手。素敵な王子様だった。

≪ロミオとジュリエット≫ バルコニーの場面 [8分]
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:レオニード・ラヴロフスキー
ヴィクトリア・テリョーシキナ  エフゲニー・イワンチェンコ

テリョーキシナはなんでもこなせるのね~。テクニックはあるし、こういう演技もできてしまうのに関心。
マクミラン版を踊ってみてほしい。

≪チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ≫ [10分]
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/振付:ジョージ・バランシン
アリーナ・ソーモワ  レオニード・サラファーノフ

この演目にやや食傷気味。サラファーノフの連続ザン・レールがものすご~~~~いことに。
ソーモワのフェッテは蹴りだしの後足を引くのが遅いから蹴りだしが目立つのかもと思った。

≪瀕死の白鳥≫ [4分]
音楽:カミーユ・サン=サーンス/振付:ミハイル・フォーキン
ディアナ・ヴィシニョーワ

肘の使い方がだめだった。ちょっとカラスっぽく見えてしまった。


≪ザ・グラン・パ・ド・ドゥ≫ [9分]
音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ/振付:クリスティアン・シュプック
ウリヤーナ・ロパートキナ  イーゴリ・コールプ

参った。始まるまで信じられなかったけど、ロパートキナ様がこれをやってしまうんだ。しかもかなり完璧に、そしてに楽しそうに
最後はさすがにピロピロ笛じゃなくて、紙ふぶきだった。きれいにまとめたわね。是非笛でやっていただきたかった。
カーテンコールもノリノリだったロパートキナ様。ありがたかったけど、本音を言えば彼女の踊りを観る機会は非常に限られているので、もっと他のまじなのが観たかった
[休憩 20分]

≪海賊≫ 組曲 [35分]
華やぎの国~メドーラのヴァリエーション~オダリスク~パ・ダクション~コーダ
音楽:アドルフ・アダン,ほか/振付:ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ (補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ)
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
メドーラ : ヴィクトリア・テリョーシキナ
コンラッド : ダニーラ・コルスンツェフ
アリ : ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
オダリスク : マリーヤ・シリンキナ
       : ヤナ・セーリナ
       : エリザヴェータ・チェプラソワ

指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ 管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団



テリョーキシナとソーモワの格の違いがはっきりとした。
ソーモワもテクニックはあるのだが、容姿が恵まれていることに慣れすぎているのか、魅せ方が下手だとおもった。
その点テリョーキシナは自分を美しく見せる手法をとてもよく研究していて、ソーモワよりもむしろ華がある。
連日の公演で主役以外はかなりお疲れ?オダリスクのエリザヴェータ・チェプラソワは危ういところが多かった。

最後には出演者全員が出てきてのカーテン・コール。ロパートキナ様は最後までノリノリだった。
天井からはものすごい数の紙テープとふぶき。コールが終了した幕の中から出演者たちの歓声!それを聞いた観客席からまた拍手が沸き起こった。なんか良いな。こういう感じ。
次回の来日公演は2012年とのこと。すごく先のようで、すぐなのかな。

マリインスキー・バレエ「オールスター・ガラ」12/10

2009年12月10日 | Ballet
2009年12月10日(木) 19:00~21:55
オールスター・ガラ

贅沢なガラだった~~~。が、ちょっと残念だったのは、演目の構成がいまひとつでせっかくのすばらしい演技の後の余韻に浸る時間がなかったこと。
ソーモワの最後の海賊も良かったんだけど、私としては瀕死の白鳥のロパートキナとシンデレラのヴィシニョーワにもっともっと拍手を送りたかった!!
演目や出演者が二転三転したせいか、ミスキャスト?な演目もあったし。
と、文句を言ってしまったが、素晴らしいパフォーマンスとゴージャスな演出で非常に大満足で、3時間強の上演時間もまったく苦にならないありがた~いガラだった。

≪シェエラザード≫ [45分]
音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
振付:ミハイル・フォーキン
振付復元:イザベル・フォーキン,アンドリス・リエパ
装置・衣裳:アンナ・ネジナヤ,アナートリー・ネジニー
シャリヤール王 : ソスラン・クラーエフ
王の弟 : カレン・ヨアンニシアン
宦官長 : ロマン・スクリプキン
ゾベイダ : ウリヤーナ・ロパートキナ
黄金の奴隷 : ダニーラ・コルスンツェフ
オダリスク : アナスタシア・ペトゥシコーワ
       : エフゲーニヤ・ドルマトーワ
       : リュー・チヨン

念願だったロパートキナのゾベイダ。良かった~~~~~~~~~~!柔らかい腕の動きで妖艶な魅力を振り撒き・・・ 白鳥とはまったく違う素晴らしさに幕が降りたときにまたしても鳥肌が立った。
それから、予想以上に素晴らしかったのは黄金の奴隷のダニーラ・コルスンツェフ。ルジマトフの妖しい魅力を持った奴隷ではなく、男らしい肉体美とエネルギッシュな踊り、そして純朴な感じがかなりツボ。コルスンツェフのここまで激しい踊りを観るのは初めてなのだが、大柄なのに踊りがちっとももっさりしていない。ジャンプが高く、ジュテや脚を前後に入れ替える開脚ジャンプ、マネージュもひとつひとつがとても美しく、着地音もほとんどしない。もうキャリアの後期なんだろうと思っていたけど、全然まだまだものすごく踊れるんだと感激した。
奴隷たちもガタイが良くって、衣装が良く似合ってセクシー。鼻血出そうだった。幸せ。
でも、演奏がぁぁぁぁぁぁ・・・・ メジャーな音楽なだけに痛すぎた。
とは言え、この演目が最後だったら良かったなぁ。いつまでも余韻に浸りたかった。

≪ジゼル≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [9分]
音楽:アドルフ・アダン/振付:ジュール・ペロー,ジャン・コラーリ,マリウス・プティパ
アリーナ・ソーモワ  ミハイル・ロブーヒン

うううう・・・・ん。なんとなく、ジゼルは黒髪がデフォルトになっていて、きれいな金髪のジゼルに違和感。あと、ジゼルらしい首から肩のラインが見られなかったのが致命傷だった。
ソーモワは真顔の役に合わないかも・・・

≪グラン・パ・クラシック≫ [11分]
音楽:ダニエル・オーベール/振付:ヴィクトール・グゾフスキー
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  マクシム・ジュージン

これも微妙だった。エフゲーニヤ・オブラスツォーワが不安定だったし、マクシム・ジューシン君のサポートはもっと努力しましょうって感じ。これはやはり超絶技で見たい演目なので、オブラスツォーワには合わない演目だった。


≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [8分]
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:アレクセイ・ラトマンスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ  イーゴリ・コールプ

素敵だった~♪ ヴィシニョーワの踊りの素晴らしさ、コールプのサポートがめちゃくちゃ上手くて、2人のダンスに見惚れてしまった。
これはラトマンスキー版なのだけど、シンデレラの衣装がヌレエフ版のものに似ていたような。髪飾りから裾のドレープの長いドレスまで。

≪瀕死の白鳥≫ [4分]
音楽:カミーユ・サン=サーンス/振付:ミハイル・フォーキン
ウリヤーナ・ロパートキナ

いつものように完璧な白鳥。本当に長い腕そして指。やわらかい肩から繰り出されるしなやかな腕の動きは白鳥の羽ばたきそのもの。
世界の至宝。

≪タランテラ≫ [7分]
音楽:ルイス・モロー・ガチョーク/編曲:ハーシー・ケイ/振付:ジョージ・バランシン
ヴィクトリア・テリョーシキナ  レオニード・サラファーノフ
2人のテクニックの高さを存分に堪能できた演目。だけど、こちらにオブラスツォーワでグラン・パにテリョーシキナの方がしっくりしたなぁ



[休憩 20分]

≪海賊≫ 組曲 [35分]
華やぎの国~メドーラのヴァリエーション~オダリスク~パ・ダクション~コーダ
音楽:アドルフ・アダン,ほか/振付:ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ (補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ)
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
メドーラ : アリーナ・ソーモワ
コンラッド : エフゲニー・イワンチェンコ
アリ : ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
オダリスク : マリーヤ・シリンキナ
: ヤナ・セーリナ
: エリザヴェータ・チェプラソワ

指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ 管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団


これはまぁ盛り上がったけど、これを最後にしなくても・・・
見ごたえはあったけど。恐らく全幕用の舞台装置と衣装でそのゴージャスさたるや!文句を言いながらも、つい全幕観たいな~と思ってしまった。
ソーモワはやはり姫がお似合い。イワンチェンコも素敵なダンスノーブル。アリのシクリャローフもかなり踊れるということがようやく判明。しかも、今まで観た中でもっともかわいいアリだった。
ソーモワのフェッテがいまひとつ美しくなかった。回り始めの足の蹴り出し方にこんなやり方する人見たことないな~と違和感。2回に1回ダブル入れていて、苦手科目ではなさそうなのだが。ただ、彼女は前回の公演よりも確実に成長してきているので、本当に容姿と能力に恵まれているんだから、今後に期待!
オダリスクにはすごくブラボーが飛んでいた。大活躍だったヤナ・セーリナにしっかりファンがついたようだ。オダリスクの衣装はとても気に入った。
最後の決めポーズが決め終わらないうちに緞帳が下りてきて、ソーモアをリフトしたイワンチェンコの労が台無し~!

マリインスキー・バレエ「イワンと仔馬」12/8 ソーモワ&サラファーノフ

2009年12月08日 | Ballet
2009年12月8日(火) 19:00~21:20
イワンと仔馬 全2幕
音楽 : ロジオン・シチェドリン
振付 : アレクセイ・ラトマンスキー (2009年)
台本 : マクシム・イサーエフ
音楽監督 : ワレリー・ゲルギエフ
装置・衣裳 : マクシム・イサーエフ
照明 : ダミール・イスマギロフ
指揮 : ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽 : マリインスキー歌劇場管弦楽団

≪出演≫
姫君 : アリーナ・ソーモワ
イワン / 皇子 : レオニード・サラファーノフ
仔馬 : グリゴーリー・ポポフ
侍従 : イスロム・バイムラードフ
皇帝 : アンドレイ・イワーノフ
父親 : ロマン・スクリプキン
雌馬 / 海の女王 : エカテリーナ・コンダウーロワ
大きな馬たち : アンドレイ・エルマコフ/ カミーリ・ヤングラゾフ
ダニーロ : イワン・シートニコフ
ガヴリーロ : コンスタンチン・ズヴェレフ
娘たち : ヤナ・セーリナ/エレーナ・ユシコーフスカヤ/クセーニャ・ロマショワ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エリザヴェータ・チェプラソワ/オリガ・ミーニナ
ジプシーたち : アントン・ピーモノフ/フョードル・ムラショーフ/カレン・ヨアンニシアン/エレーナ・バジェーノワ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/ポリーナ・ラッサーディナ/リュー・チヨン/アリサ・ソコロワ


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【上演時間】 約2時間20分    【終演予定】 21:20
第1幕 50分 - 休憩 25分 - 第2幕 55分


おもしろいことはおもしろかったんだけど・・・ その衣装があまりにモダン?前衛的でそれが異様に目立ってしまい、キャラクター設定との関連性に理解に苦しむところがあって、ちょっとひいたかも。衣装が奇抜な分、舞台装置は極めてミニマル。
そういう意味では、「明るい小川」の方がストーリーが頭に入っていなくても素直にわかりやすい作品だった。観客席からほとんど笑い声も漏れなかったし・・・
何が良いって音楽が最高に素晴らしかった。演奏はさすが!音が違う!曲も躍動感があっておもしろかった。
サラファーノフも眠りでは不調?の噂を耳にしたが、そんなことはまったく感じさせず、跳躍、回転は冴え渡っていた。幼げな風貌がお馬鹿なイワンっぽくて(ほめてます)なかなかぴったりだったし。
また、ソーモワのお姫様は本当に愛くるしく、良く上がる脚はもちろんだが、腕の動きがすごく雄弁で魅力的だった。音楽性がないと言われているけど、そんなことはなかったと思う。彼女の「眠り」も観るべきだったかしら。そして、コンダローワの雌馬がドロンジョ様みたいで良かった~


第一幕
開演前。オーケストラ・ピットと客席が静かになってマエストロをひたすら待つ・・・・こと5分間?あまりの長さに途中でオケがまた音あわせをしたりして。さすがはゲルギー、超マイペース。
音楽が始まる。瞬間的に音が良い!金管が美しく響く。さすがはマリインスキー管弦楽団。そう言えば、この日の観客は音楽ファンも結構いらしたような。休憩中もピットを覗き見する人がたくさんいた。
幕が開くと、舞台にはイワン、父親、ダニーロ、ガウリーロ。4人の後ろには家?をかたどったドアよりもう少し大きめの板。窓の絵もなく赤い壁に群青色の小さな屋根といたってシンプルというか質素?
父親とダニーロとガウリーロは同じような農民の民族衣装(?)。父親の赤い靴がかわいい♪ イワンだけ上半身裸に七分丈のズボン。お馬鹿だから一人だけはずれてるってこと??

父親が畑に出かけると、ダニーロとガウリーロが浮かれ始める。女の子たちもやってきて、どんちゃん騒ぎ。イワンは中に入りたいが、兄たちが入れてくれない。でも、お馬鹿だから、勝手に合わせて踊っってるだけで楽しめちゃう。
畑から帰ってきた父親が帰ってきてお祭りは強制終了。父親は畑が何者かに荒らされているので息子たちに見張りをするように言い渡す。
父親と兄たちが出かけていくが、お馬鹿なイワンは置いてけぼりをくらう。
ボクにだってできるよ!と跳躍しまくりのソロ。そして、畑の中で寒さに震えながら待ち伏せする(上半身裸なんだから寒くてあたりまえでしょー)。
そこへ馬がやってきた。2頭の大きな馬。この衣装が最高にツボ。60sな感じぷんぷんで、ベルボトム?なパンツ、水玉のパフスリーブのシャツにぴったりベスト、太い口ひげ、リーゼント型?アフロ?なタテガミ・・・イメージはダンス☆マン。
白くて赤毛の美しい雌馬もいる。この雌馬のコンダローワがすごくCoolで素敵。なので、大きな2頭とのギャップが超笑える。

イワンは雌馬に馬乗りになって取り押さえる。
馬たちは大人しくなった・・・と雌馬がやおら仔馬を産み落とす(笑)。産まれたばかりの弱々しい仔馬はグレゴリー・ポポフ君。
相変わらず身軽で跳躍が軽やかで高い。やはり回転系は少し苦手なのか軸がぶれることが多かった。

そこへ火の鳥たちが畑に舞い降りてきた。火の鳥たちの衣装はモダンでスタイリッシュで気に入った。
イワンは火の鳥たちの後を追っていってしまうと、仔馬もそれに付いていく。
雌馬は逃げ、大きな馬たちは畑の片隅で眠ってしまった。
そこへダニーロとガウリーロがやってきた。大きな馬をみた2人はこれで一儲けしようと、馬を連れ去る。

イワンは火の鳥の美しい羽を拾って満足気に戻ってきた。きれいだな、きれいだなと喜びの舞。トゥール・ザンレール連発
しかし、もらった大きな馬がいないことに気付いて、悲しむ。が、仔馬に一緒に探しにいこう!と元気付けられ、2人で出発!
この2人の跳躍合戦がすごい。ポポフも高いけど、やはりサラファーノフも同じぐらい跳べちゃうんだ~

舞台が明るくなって、メタリックな青、緑の太いストライプを基調をとした鮮やかな衣装のコール・ド登場。これ・・・なんだろうと思ったら、街の人々なんだ。プログラムの写真を観たときは海のシーンの人たちだと勝手に思っていた。
それからジプシーたち。このジプシーたちもソリストだが、いまいち役割が曖昧。
娘たち。皆頭に頭巾をかぶっている。ここはソリストたちが投入されている
王様と侍従と家臣(貴族?)たちが出てくる。侍従はいかにも変な人。衣装がまず変。黒のぴったりめの上下がベースで胸と背中に白で大きな場バツマーク、お股のところに真っ赤な丸。これは何を意図していたのだろう、意味不明。バイムラードフの濃い~演技を持ってしても、衣装が目障りだった。

イワンの兄たちが大きな馬を連れてやってくる
王様が気に入ってこれを買おう!とやっていると、そこへイワンがやってきて、これは自分の馬だ!と主張する。
王様は馬の変わりに好きなものを与えようと言うと、イワンはう~んと考えて、侍従の帽子を要求。普通に考えればとっても損な取引なのにイワンは帽子をかぶって大満足。
一方、侍従は自分の帽子を取られて大いに不満だが、王様はうまく馬が手に入って上機嫌で城に戻る。

王様の部屋。先ほどの娘たちが王様の世話をしている。英語のキャスト表はwet-nurses(乳母たち)となっていたけど。娘たちにごはんを食べさせてもらっている王様は子供のようにかわいらしい。

本を読んでもらって、眠りにつく。イワンも部屋の隅っこで、火の鳥の羽を下敷きに深い眠りに落ちる。
そこへ侍従がやってくる。
侍従はイワンに帽子を取られた仕返しをしようとたくらんでいる。イワンの側へ行って火の鳥の羽を発見すると、それをまんまと盗んでしまう。お宝を手に入れて、喜びまくる侍従。
寝ている王を起こして羽を見せる。王様が羽に魅せられて、それを振りかざしていると、火の鳥の幻影が現われる。その中には美しい姫君の姿も。
当たり前だけど、トレードマークの長い三つ編みはソーモワの場合金髪なんだな、と妙なところで感心。金髪碧眼のソーモワはお人形のように美しく、王様でなくとも一目惚れしてしまいそう。でも、一瞬で消え去ってしまう。一幕はほとんど出番なしなのね。
王様は側近に姫君を連れてくるように命令する。そして、側近はそれをイワンに押し付ける。
途方にくれるイワン。サラファーノフはほんとに泣き出してしまいそうでかわいい♪
仔馬がやってくる。僕と一緒に行こう!2人は手を取り合って旅立つ。


第二幕
やはり暗くなってもしばらく出てこないゲルギー。さすがだわ(何が)
火の鳥の国。鳥たちの振り付けは迫力。
姫が騎馬戦のように鳥の肩車で登場。この最初の格好はちょっと不恰好だと思うんだけど。
姫のソロ。姫はこの世界にたいくつしているよう。きれいに踊っているかと思うと、手をぶらぶらさせてすねるようなしぐさ。
鳥たちがみんなつがいなのにやきもち?をやいているようにも見える。
鳥たちとの踊り。
そこへイワンと仔馬が飛び込んでくる。驚いて鶏たち散り散りに。姫も逃げようとするが、イワンに三つ編みをつかまれてしまう。
イワンは姫の美しさに思わずひれ伏す。「そんなにかしこまらなくていいのよ」
「じゃあ!」と、今度はがばちょと抱きつく。姫君はあわてて「ちょっとやめてよっ!」と突き飛ばす。
でも、そんなにいやではなさそう。2人のPDD。
盛り上がってイワンはまた思わず抱きしめて姫のほっぺにキスすると、今度は姫君がお返しのキス。彼女もイワンが気に入ったようだ。
イワンは「ボクと一緒に来てくれないか?」と尋ねると、姫君は快くうなずく。
仔馬がやってきてご挨拶。仔馬をなぜた後姫君は突然眠気に襲われる。ここ、なんで姫を眠らせる必要があったのか理解できなかった。
イワンと仔馬で姫君をえっちら運ぶ。


王様のもとへイワンと仔馬が眠ったままの姫君を運んできた。眠っている姫の顔を覗き込んで、その美しさに喜んじゃう王様。この王様の表情がとても無邪気でかわいい!
姫君は眼を覚まして、王様を見てぎょっ!イワンを見てにっこり。王様を紹介されると、いちおう丁寧にご挨拶するが、イワンといちゃいちゃしたくてしょうがない。王様の許可を得て踊り出す2人。王様はあまりにいい雰囲気で踊る二人にやきもちをやいて、自分も入ろうとするが入れない。そのうち心臓が!
2人にささえられて寝台に戻るや、姫君との結婚を宣言する。侍従が喜んで婚約指輪を持ってくるが、王様と結婚するのがいやな姫君は難題を突きつける(かぐや姫みたい)。自分の婚約指輪は深い深い海の底にある宝石でなければならない。ふんぞり返ってもかわいいソーモワ。
王様は侍従に命じ、侍従は再びイワンに命じる。またまた困ったイワンの下へ仔馬がやってくる。二人で出発!この2人で手を取って出発するときに脚をブルブルやるのが、火の鳥の国へ行くときはイワンの顔は不安に満ちていたのに、今回は明るい顔だった。仔馬の力への信頼が高まったことがわかる。

海底。海の精たちがうごめく。もじもじ君のように頭からぴっちりタイツに白いロマンティックチュチュ。胸には水面に映ったように自分の顔がプリントしてある。はっきり言って不気味な衣装。しかも、最初舞台の奥上手、下手からゆっくりとした動きで出てきたのは女性陣だけど、次に舞台前方で出てきたのは同じ衣装の男性陣!すなわち彼らもチュチュをつけてるのだ!
しかも、左右からゆ~っくりからみながら出てきた集団は、スローモーションでぶつかり合い、殴り合っている! 波がぶちあったてる様子なのかしら??
イワンと仔馬も泳ぐようにゆっくりとした動きで入ってくる。ものめずらしそうにうっかり海の精に近づいて、男性の一人に威嚇される。
海の女王(キャスト表の英語版はPrincessとなっている・・・が、キャラ的には女王の方が合う)がお付きの男性2人にリフトされ、すばやく泳ぐ人魚のように登場。女王は雌馬と二役のコンダローワ。お付きは大きな馬たちの二役。ちょっとヴァージョンが違うもののやはり70s風の衣装にメタリックブルーなナイトキャップ?のような被り物。
海の女王はイワンのお願いに快く応じて、指輪をくれる。なぜかな??

イワンの帰りを座って待つ王と姫君。姫君はひまつぶしに王に踊ろうと誘い、踊り始めるが、王様はまったくついていけない。しまいには、姫君に振り回され、よれよれに。

イワンが指輪を持って帰ると、さっさと取り上げられ、王様は姫に差し出すが、姫は不服そう。私と結婚する人はカッコよくなくっちゃ!
いたずらっぽい笑みを浮かべて、姫君は「あそこに入るとかっこ良く変身できるのよ」出てきたのは水の入った水槽?
王がお水に触れてみると、それはすごく熱い熱湯だった!侍従は王様にイワンで試してみることを提言。無理やりイワンを水槽に落としてしまう。大変だ!けど、仔馬の魔法でイワンは熱湯の中でも無事で、しかもどんどん姿がかわっていく。・・・ってシャツを着替えるのだが、水の向こうとは言え、生着替えがもろに見える・・・と思ったら、それをカバーすべく、仔馬は水槽の前で大ジャンプを繰り返す。ここはポポフ君の見せ所。
水槽から出てきたら、イワンはハンサムで高貴な王子様に変身!(・・・なのだが、この変化は上着と王様帽子だけではちょっとわかりにくかった。直前の衣装が結構良過ぎるのだ。もっとボロボロならギャップも大きかっただろう。)
これを見た王様も自分も!と水槽に飛び込むが、魔法のかかっていない王様は熱湯で溺れ死んでしまう。この死に方はちょっと残酷。王様のキャラはかわいらしく描かれていたので、死んでしまうという設定は観客からするとかわいそうになってしまうのだ。しかし、この死にっぷりは見事。かなり長い間ガラスに断末魔の顔をくっつけたまま微動だにしないのだ。それがまた、同情を誘ってしまう。
侍従は王様が死んでしまった直後は良い気味だと笑っているように見えた。が、人々が悲しむにつれて、侍従も涙をぬぐう。
そして、王様はイワン!と思い直し後を追う。

イワンと姫君の幸せいっぱいのPDD。
緑の衣装のコールドの踊り
姫君のソロ。ソーモワのピケターン~連続シェネは超高速
姫君にうながされ、照れながらイワンのソロ。踊りだすけど、いいところでストップして、「もう1回やるね」を2回。
最後はピルエット・ア・ラ・スコンド炸裂。

で、気がつくとエンディングになっていた。
音楽が続く中、レヴェランスが続く。死んでしまった王様も登場して、ちょっとなごむ。
最後は2人が玉座の上から大きく手を振って大団円。

新国立2010-2011シーズンに「ペンギン・カフェ」!

2009年12月06日 | Ballet
naomiさんのla dolce vitaでお知らせいただいたのだが、新国立劇場バレエの2010-2011シーズンに「ペンギン・カフェ」が!

春にロンドンでバーミンガム・ロイヤル・バレエのミクト・ビルで見た作品。その時の記事。その強いメッセージに感銘して、その後ペンギンカフェオーケストラのCDを買いまくった。

新国立のメンバーがこれをどのように演じるのか、すごく楽しみ!

マリインスキーバレエ「眠れる森の美女」12/3 ヴィシニョーワ&コールプ

2009年12月03日 | Ballet
2009年12月3日(木) マリインスキーバレエ「眠れる森の美女」

音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付 : マリウス・プティパ (1890年)
改訂振付 : コンスタンチン・セルゲーエフ (1952年)
台本 : イワン・フセヴォロジスキー
マリウス・プティパ
装置・衣裳 : シモン・ヴィルサラーゼ
指揮 : ボリス・グルージン
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

≪出演≫
オーロラ姫 : ディアナ・ヴィシニョーワ
国王 : ウラジーミル・ポノマリョーフ
王妃 : エレーナ・バジェーノワ
デジレ王子 : イーゴリ・コールプ
求婚者たち : コンスタンチン・ズヴェレフ
        : マクシム・ジュージン
        : アレクセイ・チモフェーエフ
        : デニス・フィルソーフ
リラの精 : エカテリーナ・コンダウーロワ
優しさの精 : マリーヤ・シリンキナ
元気の精 : アンナ・ラヴリネンコ
鷹揚さの精 : エレーナ・ユシコーフスカヤ
勇気の精 : ヤナ・セーリナ
のんきの精 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク
ダイヤモンドの精 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク
サファイアの精 : マリーヤ・シリンキナ
金の精 : アンナ・ラヴリネンコ
銀の精 : エリザヴェータ・チェプラソワ
悪の精カラボス : イスロム・バイムラードフ
カタラビュット / ガリフロン : ソスラン・クラーエフ
家来 : アナトーリー・マルチェンコ
フロリナ王女 : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
青い鳥 : アレクセイ・チモフェーエフ
白い猫 : ヤナ・セーリナ
長靴をはいた猫 : フョードル・ムラショーフ
赤ずきん : エレーナ・ユシコーフスカヤ
狼 : アナトーリー・マルチェンコ
子供たち : バレエ シャンブルウエスト (指導:今村博明,川口ゆり子)


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【上演時間】 約3時間40分    【終演予定】 22:10
プロローグ 30分 - 休憩 20分 - 第1幕 30分 - 休憩 20分
第2幕 40分 - 休憩 25分 - 第3幕・アポテオーズ 45分


う~ん、これぞクラシック中のクラシック!演出、美術、踊りの水準、すべてにおいてもっともオーソドックスかつ完璧なプロダクション。

休憩が3回もあって、上演時間が3時間40分という長丁場にもかかわらず、ディヴェルスマンもしっかり堪能できたのは、自分が成長したのか・・・いや、やはりマリインスキーの素晴らしさゆえだろう。

プロローグ
衣装はゴージャスで申し分ないのですが、ロシア人であっても結構きつい感じのズラのオンパレードにしばし眼を奪われた。新国立の眠りを観て、西洋人のズラは日本人にはきつすぎ・・・と思ったものだが、この古風なズラはロシア人をもってしてもだめなんだと納得。

それはさておき、妖精たちの踊りでまずそのレベルの高さにうなってしまった。中でも、眼をひいたのが「のんきの精」ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク。リラの精のエカテリーナ・コンダウーロワは踊りも素晴らしいが、背が高いのでまさに妖精たちのリーダー格の貫禄十分(笑)。妖精たちが横一列に手をつないで踊るところでは、お隣の「のんきの精」のヴァレーリヤ・マルトゥイニュクが小さいので踊るのが大変そう?と思ってみていたが、難なくこなしていた。さすが。

カラボスのイスロム・バイムラードフも良い味だしていた。あまり大きな動きがないのが残念。もうすこしインパクトあっても良いと思うが。
その手下たちはゾンビ・・・(^^;) そんなだっけ? ふくろう?(こうもり?)隊が回るためだけに出てくるのがおかしかった。

第一幕
これまたコール・ドの男子の金髪のズラがものすごかった・・・・ヴィシニョーワはプリンセスの気品があって、きらきらで美しかった~ その美しさに子供たちまでもでれでれ(笑) 一方、オーロラは自分の美しさに酔っていて、求婚者たちのことはまーーーったく眼中になく、まさに単なるバランスの支えであったような・・・・(^^;) 

そのバランスはそれほど長くなかったけど、踊りは音楽とぴったりと一体化していて、特にその颯爽とした脚さばきがオーロラの若々しさと美しさの象徴しているようだった。


第二幕
ここからが長かった・・・・!

ようやく王子登場。

今日は席が遠かったので、コールプの濃さがわかりにくく、ひたすらノーブルな王子に観えた(爆)。しかも彼はサポートが上手い。サポートしながらのピルエットはいずれもすごい回転数でしかもフィニッシュもきっちりと決まっていたのは、もちろんヴィシニョーワの力もあると思うが、コールプのサポートも良かったのだと思う。

ここでのヴィシニョーワは、さっきの初々しい少女からは一転、妖艶な雰囲気で、王子はそれにやられたんじゃないかと邪推してしまう(笑)。
リラの精の船には上手から下手へ移動するぐらいの短時間で、階段を登っていくと、そこにはカラボスの手下たちが待ち受ける。この辺りはもう集中力が切れてて、どう戦ったのかちょっとおぼろげ。

紗幕の後ろでゾンビたちを剣で蹴散らし、階段の奥に進み・・・この後だったか前だったかですごく長い間奏があって、集中をそがれたなぁ


第三幕・アテオポーズ
結婚式に招待された様々な客人たちの後に入ってきたオーロラとデジレ王子。オーロラは長いローブにロングドレス。巻髪をつけていて、すごくゴージャスな美しさ。この後のディヴェルスマンの間に着替えるのだろうけど、一瞬のためになんて豪華な衣装なのだろう。

ディヴェルスマン。ダイヤモンドの精のヴァレーリヤ・マルトゥイニュクとサファイアの精のマリーヤ・シリンキナが素晴らしかった!!銀のエリザヴェータ・チェプラソワは音楽からの遅れがちょっと目立った。

白猫ちゃんは脚が細くて長~い。手の使い方がちょっと好きになれなかったな。にゃんこの手なら、指は曲げた方がそれっぽく見えると思う。演技のせいか?振付のせいか?そんなにファニーじゃなかった。これはその後の赤頭巾ちゃんと狼も。赤頭巾ちゃんが動きはかわいくしてるんだけど、妙に色っぽいダンサーだった・・・・

ブルーバードは最初はどっすんどっすんしてて、大丈夫?と思ったが、ヴァリエーションではものすごく軽やかでしなやかで素晴らしい踊りだった。サポートがあまりうまくないのかな。オブラスツォーワのフロリナ王女はとにかくキュート。オーロラが見たかったなぁ。


そして、完璧に美しくまとまったPDD。それぞれの踊りも素晴らしいのだが、ここでもコールプのサポートのうまさに感嘆。彼はやはりダンス・ノーブルであった。フィッシュ・ダイブがないのね・・・

最後のエンディングで舞台奥に噴水が上がってびっくり。大仕掛けだわ~

マリインスキー・バレエ「白鳥の湖 」11/27 ロパートキナ&コルスンツェフ

2009年11月27日 | Ballet
マリインスキー・バレエ「白鳥の湖 」
2009年11月27日(金) 18:30~21:30

音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付 : マリウス・プティパ,レフ・イワノフ
改訂振付 : コンスタンチン・セルゲーエフ
台本 : ウラジーミル・ベーギチェフ,ワシーリー・ゲーリツェル
装置 : シモン・ヴィルサラーゼ
衣裳 : ガリーナ・ソロヴィヨーワ
指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

≪出 演≫
オデット/オディール : ウリヤーナ・ロパートキナ
ジークフリート王子 : ダニーラ・コルスンツェフ
王妃 (王子の母) : エレーナ・バジェーノワ
王子の家庭教師 : ソスラン・クラーエフ
道化 : グリゴーリー・ポポフ
悪魔ロットバルト : コンスタンチン・ズヴェレフ
王子の友人たち : ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/マクシム・ジュージン
小さな白鳥 : エリザヴェータ・チェプラソワ/ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エレーナ・ユシコーフスカヤ
大きな白鳥 : ダリア・ヴァスネツォーワ/ユリアナ・チェレシケーヴィチ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/リリヤ・リシューク
2羽の白鳥 : ダリア・ヴァスネツォーワ/オクサーナ・スコーリク
スペインの踊り : アナスタシア・ペトゥシコーワ/ヴァレーリヤ・イワーノワ/イスロム・バイムラードフ/カレン・ヨアンニシアン
ナポリの踊り : ヤナ・セーリナ/マクシム・フレプトフ
ハンガリーの踊り : ポリーナ・ラッサーディナ/ボリス・ジュリーロフ
マズルカ : アリサ・ソコロワ/オリガ・ベリク/ナターリア・ドゥゼヴリスカヤ/スヴェトラーナ・シプラトワ/ドミートリー・プィハチョーフ/カミーリ・ヤングラゾフ/ニコライ・ナウーモフ/セルゲイ・サリコフ



やはりロパートキナの白鳥は素晴らしい。

細い体、長い手足。優美に滑らかに動く腕、しなった脚、柔らかい背中・・・白鳥の化身のような踊り、ラインの美しさでこの人を凌駕する人はいるのだろうか。
ザハロワの白鳥も完璧なフォルムなんだけど、ザハロワと違うのは華奢で折れそうに細い体と柔らかい肩と背中を使った腕の動き。

2幕のアダージオを絶品だった。スローモーションのようにゆっくりとした動きの中でロパートキナの動かす腕と脚の軌跡にひたすら目が釘付けになった。そして、コーダの最後の羽ばたき、そして、膝乗せポーズに感涙。

ただ、残念ながら前回の公演時よりロパートキナの体力の低下は否めなかった。音楽に少し遅れてしまうところもあったし、ポワントから落ちて決めポーズがぐらりと揺れる場面もあったし、DVDの時は2回に1回はダブルだったフェッテも全てシングルで最後はもうやっとやっとな感じだった。もしかしたら、全幕で白鳥を観ることができるのは最後なのかもしれない。

セルゲイエフ版では、王子の見せ場がやや少ない。悩みのソロも割愛されているので、王子の人物像がやや不鮮明。道化のグリゴーリー・ポポフは跳躍はとても高いのだが、最初の回転系でフィニッシュが乱れていて、表情も硬くて、この人大丈夫??と思ったが、一番の見せ場の乾杯の踊りの前の回転はしっかり見せてくれて、その後はどんどん表情も出てきて、3幕ではしっかり高い跳躍を存分みせてくれて、尻上がりに調子が上がっていって良かった。

王子の友人たちのマクシム・ジュージンが素敵だった。踊りがノーブルでサポートも上手。次は王子で見たい!

スペインのイスロム・バイムラードフが噂どおりかっこいい・・・♪とおもったら、黒の方はカレン・ヨアンニシアンでした。えらくイケメン。長身でも踊りはしなやかで、彼に眼が釘付け。おかげで女性陣はまったく目に入らなかった!ふふふ、今後の公演ではヨアンニシアン君探しに精を出さねば。

コール・ドは名前を知っている人がほとんどいなくて、また、これと言って目を引く人がいなかった。これは意外。

実は今日は残念ながら舞台に集中できなかった。隣の席の男が5秒に1回ぐらい姿勢を動かし、そのたびにため息をつきやがって、それが気になって気になって。2幕の後はよほど注意しようかと思ったのだが、その後もそいつの隣で見続けるのは気まずいし・・・と我慢したのだが・・・

ありがたいロパートキナさまの価値がわからない男を連れてくるな~!!そんな観劇態度の彼氏なんて、私だったら即効で別れるよっ!


2006年12月8日 マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」ロパートキナ&イワンチェンコ

2001年末のパリ・オペラ座のバレエ・リュス・プログラム

2009年11月26日 | Ballet
この年末はパリ・オペラ座でバレエ・リュス・プログラムが予定されている。

ということで、そういえば2001年の年末に同じパリ・オペラ座でバレエ・リュスのプログラム(演目は異なる)を観たけど、全然わからなくて堪能できなかったんだよなぁ・・・と思い出した。

あの時はそもそもあまりプランのない観光旅行でクリスマスのパリに滞在し、街中が休業で機能停止に陥り・・・なんとかオペラ座で催し物をやっているのを見つけ、チケットを取ったのだった。

当時はバレエもほとんど観たことがなくて、知識もなく、貴重なプログラムであったのに全く理解できなかった・・・・。なんとも惜しまれる。しかも、当日のリーフレットも紛失してしまい、記録すらも残っていない。

演目は、後にバレエの知識がついていくうちにこれだったな~というのが判明したが、キャストは全く不明。色々調べて、ようやくBallet Talkの当時の関連投稿記事を発見!

公演前にキャストがアナウンスされた時のスレッドから
http://ballettalk.invisionzone.com/index.php?showtopic=4080

Forkin's Petrouchka" ペトルーシュカ(フォーキン)
-Laurent Hilaire - Elisabeth Maurin- Wilfried Romoli
-Kader Belarbi/ Karin Averty/ Yann Bridard
-Lionel Delanoe/ Clairemarie Osta/ Jean-Christophe Guerri (coryphee) or Herve Dirmann (sujet)
-Kader Belarbi/ Laure Muret (sujet)/ Stephane Phavorin (sujet)

Nijinsky's "L' Apres-midi d'un Faune" 牧神の午後(ニジンスキー版)
-Jean Guillaume Bart and Karin Averty
-Wilfried Romoli and Laurence Laffon (coryphee)
-Yann Bridard and Amelie Lamoureux (coryphee)
-Stephane Bullion (coryphee) and Laurence Laffon

Robins' "Afternonn of a faun "牧神の午後(ロビンズ版)
-Nicolas Le Riche and Eleonora Abbagnato
-Karl Paquette and Laetitia Pujol
-Herve Moreau (sujet) and Juliette Gernez (coryphee)
-Yann Saiz (sujet) and Emilie Cozette (coryphee)

Blanca Li's "Scheherazade" シェヘラザード(ブランカ・リ)
-Agnes Letestu and Jose Martinez
-Delphine Moussin and Benjamin Pech or Stephane Phavorin
(以下他サイトより)
音楽:Nicolai Rimski-Korsakov
振付:Blanca Li
美術:Thierry Leproust
衣装:Cristian Lacroix
オーケストラ:Orchestre Colonne 指揮者:Paul Connelly
上演スケジュール:
2001年12月19, 20, 21, 22, 24 (14 :30 & 20 :00), 25 (15 :00), 27, 28, 29, 30 (15 :00) - 19 :30
2002年1月2, 3, 4 - 19 :30
会場:《Palais Garnier》

28日に見た方の投稿記事では、
http://ballettalk.invisionzone.com/index.php?showtopic=4066
ペトルーシュカ
Laurent Hilaire - Elisabeth Maurin- ?Wilfried Romoli(記載がなかったので上記より)
イレールの出来は4年前にこの方が観たベラルビに遠く及ばない動きだったとちょっと酷評。私はこの演目に関してはこの時「なんじゃこりゃ?」と訳がわからず、印象最悪。以来観たことがない。長く踊り継がれてきている演目だから、もう一度改めて観るべきなんだろうな。

牧神の午後(ニジンスキー版)
Yann Bridard and ?Amelie Lamoureux(記載がなかったので上記より)

牧神の午後(ロビンズ版)
Karl Paquette and Juliette Gernez
ロビンズ版は1974年にパリ・オペのレパートリーに入った(ヌレエフとポントワなど)が、その70年代以来の上演だったそう。で、とても期待してたのにキャストが悪かった!とこれまた酷評。

この時は同時にバスティーユでラ・バヤデールを上演していて、エトワールとプルミエール・ダンスールの大半がこちらに回っていて、こちらのプログラムのキャストは若手中心に組まれていたのが、初演時と違いすぎる!!とかなりご不満

シェヘラザード(ブランカ・リ版)
もうこれにいたってはキャスティングに言及されず、とにかく酷評。
振付もそうなのだが、特に衣装が最悪とのこと。私はラクロワが担当したという衣装の美しさに目を奪われ、ここでようやくバレエを観た!と感激したのですが・・・この衣装に関してはどちらかというと肯定的な意見が多数だったと思うののだが・・・。

とにかく引用した方はプログラム全体に対して概ねネガティブな感想だったが、このスレッドを最初に立てた方は全般的に素晴らしいパフォーマンスだったとポジティブな印象をお持ちだった。が、この方にしてもブランカ・リの振付は「so so」とのこと。このシーズンの新製作だったのに、かなり不評だったよう。

そして、ニジンスキーとロビンズの二つの牧神を同時にやるものおもしろい試みだけど、あの音楽2回は眠くなるとの意見も。

確かに!

今年のバレエ・リュス・プログラムはエイマンの薔薇の精とかボリショイからのゲストも数名参加でさらに内容が充実しているよう。どんなパフォーマンスになるのかな。