牛込日乘

日々の雜記と備忘録

忙中さらに忙あり

2009-10-26 23:21:18 | Weblog

金曜日は学生時代の友人二人と飯田橋で飲み、二件目のロックバーで十数年ぶりにこんな曲を聴く。

Television - Marquee Moon


しかしまあ、長いね……。

日曜日は定例の読書会でW.E.B. Du BoisのThe Souls of the Black Folkを読む。Kさんが「これは本当に『いいもの読ませてもらってありがとうございました』というしかないね」と言っていたが、まさにそんな感じ。百年以上前の作品だが、全く色あせていない。単なるアメリカにおける黒人の解放に関する論考という枠組みを超えて、政治とは、教育のあるべき姿とは、人間にとっての自由とは、富の公平な分配とは等々、日常に埋もれて振り返ることすら忘れてしまう根源的な問いの大切さを思い出させてくれる。我々が忙しがって、あるいはディレッタントとして暮らしていけるなんていうのはまあ、いい気なもので、そうした生活を支えている世界の仕組みそのもの――あるいはそこに暮らしていることの罪深さ、はかなさ――に思いが至ることがなければ、一見高尚な学問なんてのもオタクの世界と何ら変わることはない。

読書会の後は義母の誕生祝いのために川崎へ。義理の妹のパートナーであるOさんに、自慢のオーディオセットとビートルズのリマスターCDのボックスセットを見せてもらう(といってもCDはまだ未開封だったので聴いたわけではない)。私はそれほどHiFiな人間ではないが、やっぱり頼んで聴かせてもらうべきだったかな。