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もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

キップをなくして  池澤夏樹

2005-10-30 20:52:12 | BOOK
池澤夏樹はエッセイの”むくどりシリーズ”は読んでいたが、
小説は初めて。

電車に乗って、キップをなくした子供は、
ステーション・キッズとなって東京駅に住んでいる。
電車も汽車も乗り放題、
キヨスクでも好きなものがタダ。
でも、勉強と仕事はしなくちゃなんない。
子供たちにだけ出来る仕事。
ある日、きっぷをなくしたイタルがその仲間になった。

子供が主人公ということで、優しく書いてあるけれど、
大切なことがきちっと書いてある。

生きていることと、死ぬこと。
働くということ。
そして、私が一番印象に残ったのは、
人の心は、コロッコが沢山集まってできていて、
会議をしたり、相談したりしている。
というところ。
だから、心が揺れたり定まらなかったりするんだね。

少し、泣きそうになりました。
いいお話です。


昨日は花村萬月の「駄日記」を読んだ。
Web日記がもとなんだけど、
相変わらず濃くてクセのある文章だなぁ。
そして、音楽とオートバイの話はディープすぎ。
酒も煙草も辞めて、再婚していたとは、
”噂の真相”がなくなったので知らなかった。
うーん、王国記シリーズかぁ。
再度挑戦してみるか、どうしようか。
イグナシオを濃くした感じだから、やっぱキツそうだ。