曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

西荻ブックマーク

2012年10月01日 | 彷徨う
 
昨日9月30日は第64回の西荻ブックマークへ。
 
台風で鉄道ダイヤが乱れる場合を想定して早く出ようとは思ったものの、気になってスプリンターズ・ステークスを観てから家を出る。すでに空は黒い雲に覆われて、傘を差すのをためらうくらい風が強まっている。早く出て書店めぐりでもすればいいものを、どうしてももたもたしてしまう。
 
まだ時間に余裕があるからと、三鷹で小説のネタ用に立ち食いそば屋に寄る。これがまたいけなかった。休日の西荻窪は中央線は停まらず、中央線の緩行線である総武線と東西線しか停まらないのだけど、その東西線が台風の影響で中野折り返しで三鷹~中野間が不通で、本数が普段の半分となっている。かなり待たされて総武線に乗ることになってしまう。結局定刻を20分くらいすぎて、会場の「こけし屋別館2階」に入る。多分途中入場は私一人だったと思う。
 
今回の西荻ブックマークは『古本屋泣き笑い日記~シリーズ古本屋に聞く~第2回』。出演が山本善行さんで、聞き手が岡崎武志さん。今回の、と書いたが、私、西荻ブックマークは初めて。
けっこう前の席で、あこがれの岡崎武志さんがよく見える。台風にもめげず、来てよかったというものだ。いや、来てよかったと思ったのは単にお顔が見えたというだけでなく、お二人の話に笑わされっぱなしだったから。時間が経過していくのがもったいないくらい。このお二人のお話、きっと、古本や書店を好きでない人が聞いてもおもしろいと感じるはずだ。
後半ちょっと経ってから、お手製の「古本御守」が全員に配られる。これを持っていると古本に関することでいいことがあるとのこと。なんだろう、いいことって……。
私は、人生を大きく変えた1冊の古本があり、そこまでいかないまでも、座右の書に入れたいような数冊の古本がある。そういった本に出会えたのはいいことなのだが、しかし残念なのは、それらを買った古本屋の店主が、ことごとく無愛想なのだ。いつ行っても無愛想。怖くて、とても「ここで買った本で人生が変わったんです!」などと言えない雰囲気だ。
できることなら愛想のいい店主の店で、人生を変える古本と出会いたいものだ。そして、「このお店で~」と店主に伝えたいものだ。そして手に手を取って……。
そう欲張ってもいないささやかな願いなので、この古本御守で叶えてくれないだろうか。
 
終了後は懇親会があるとの案内。え、もしかして山本さんや岡崎さんとお話しできるのか! と実に魅力的な案内だったが、しかし電車が止まったらたいへんなことになる。私は泣く泣く会場をあとにしたのだった。
帰ってからずっと台風情報を観ていたのだけど、私の家の周辺の電車は多少の間引き程度で止まることはなく、すごく損をした気分で、深夜布団に入ったのだった。