曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

ショートショートの広場

2011年02月12日 | 呑む・飲む・読む
 
気が向くと、作家のホームページを覗いたりする。
 
 
この前、太田浩司さんのホームページにある「ものかきへの長い道」という連載をたまたま見つけ、読んでいくうちにちょっと驚いてしまった。私と共通した点があったからだ。
 
太田さんの作品が最初に世に出たのは、大学生のときに「星新一ショートショート・コンテスト」に送ったものだったということだ。優秀作に選ばれて雑誌に掲載され、「ショートショートの広場」という単行本に収録されたと、その連載には書かれていた。
私はそのところで目が止まり、何度も読み返してしまった。私もまた、世に出た最初の作品が「星新一ショートショート・コンテスト」で入賞したものだったからだ。大学時代、というのも一緒だった。
 
そのコンテストの入選作は「ショートショートの広場」という文庫本になり、私は高校の頃から愛読していた。何度も読んだので、太田さんの作品も覚えている。
 
 
太田さんと一緒だ、と最初は思ったが、考えてみると私が勝手に思ってしまっただけで、実際は一緒ではない。
 
太田さんは私より一回り近く年齢が上だ。その頃ショートショート・コンテストは、年に一度の公募、というカタチだった。一方私が送ったときは、小説現代のコーナーの一つになっていて、月に4、5編が選ばれるというカタチだった。
 
私は『ショートショートの広場』を1巻からずっと読んできたが、個人的な意見ではあるが、年一回の公募、というカタチのときの方が断然面白かった。一月ごとの選考になって、質が落ちてしまったと感じるのだ。しかも私は基準ギリギリの通過で、『ショートショートの広場』掲載時には外れてしまっている。だから太田さんと私では、同じ掲載にしてもその価値に大きな差があるのだ。きっと太田さんが送った時代に私の作品を送ったとしても、落選していただろう。
 
 
でも、懐かしさは感じる。太田さんはそれを送った当時手書きだったみたいだが、私もそうだった。コクヨの原稿用紙に書いて送ったのだ。書き間違いをしたときはホワイトを使うかあらためて書き直すか、よく迷ったものだった。
 
私の送った作品は原稿用紙2枚ほどの、超が付くショートショートだった。掲載料が2万円。一枚に付き1万円ということになる。たしか振込みだったと思うが、掲載の一月後に入金があり、残念ながら何に使ったのか忘れてしまった。