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小説 海の祭礼

2008-03-15 | 

 

 

昨日は捕鯨に関する事を書きましたが、以前読んだ本で捕鯨が関係する本があったので紹介します。

吉村昭さんの「海の祭礼」です。

風雲急を告げていた幕末が舞台です。

幕末、日本の近海にはアメリカをはじめとするヨーロッパの国々が、クジラを求めてやってくるようになっていた。
この頃アメリカは700隻を越える捕鯨船で、年間10000頭のクジラを捕っていた。
日本近海はクジラの宝庫であった。
捕鯨船の船員の間では鎖国している日本は、神秘の国、東洋のユートピアと見られていた。
そんな中、アメリカ人ラナウド・マクドナルド(1824-1894)は自分の母がインディアンのこともあり、日本に大変な憧れを持つようになる。
彼は捕鯨船の船員になり、日本を目指した。
1848年6月彼は捕鯨船から小船を降ろしてもらい、北海道の利尻島にたどり着く。
その後彼は長崎に送られ、英語の教師となって、森山栄之助らに英語を教えることになった。
当時の日本はオランダ語の通詞はいたが、英語の通詞はいなかった。
彼が日本にいたのはわずか10ヶ月ほどであったが、彼の生徒であった森山はぺりー来航の時、通詞として活躍したのであった。

私はこの本を読むまで、ラナウド・マクドナルドのことはまったく知りませんでした。
160年も前に日本に憧れて命がけでやって来た青年がいたことに驚きました。
今、利尻島にはラナウド・マクドナルドの碑があるそうです。

 

 


 


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