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一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、
管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。
ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。
忘れられない男女がそこにいた。
高校を卒業し、それぞれの道を歩んでゆくうち、
いつしか四半世紀が経過していた―。
ある日、再結成の話が持ち上がる。
かつての仲間たちから、何人が集まってくれるのだろうか。
ほろ苦く温かく奏でられる、永遠の青春組曲。
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再会は地獄への扉だった。
十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る―。
人は救いを求めて罪を重ねる。
連続殺人、放火、母の死…。
無垢なる三つの魂に下された恐るべき審判は―。
「救いなき現在」の生の復活を描く圧倒的迫力の2385枚。
山本周五郎賞受賞作から三年余。沈黙を破って放つ最高傑作ミステリー。
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現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。
彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。
しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。
姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。
風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、
穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、
賢也はその存在を隠し続けていた。
賢也の穏での生活は、突然に . . . 本文を読む
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週刊誌記者・蒔野が北海道で出会った坂築静人(サカツキシズト)は、
新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、
全国を放浪している男だった。
人を信じることが出来ない蒔野は、
静人の化けの皮を剥ごうと、彼の身辺を調べ始める。
やがて静人は、夫殺しの罪を償い出所したばかりの奈義倖世と出会い、
2人は行動を共にする。
その頃、静人の母・巡子は末期癌を患い . . . 本文を読む
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ひっそりとした路地の奥、見知らぬ用水路をたどった先。
どこかで異界への扉が開く町「美奥」。
その場所は心を凍らせる悲しみも、身を焦がす怒りさえも、
静かにゆっくりと溶かしてゆく。
消えたクラスメイトを探す雄也、
過去から逃げ続けてきた加奈江……
人びとの記憶に刻まれた不思議な死と再生の物語を注目の気鋭が綴る。
遠くで怪物が、もおん、と鳴く。
あれは夫を殺した男の影― . . . 本文を読む
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見たところ二十代後半の爽やかな青年・座木(通称ザギ)、
茶髪のハイティーン超美形少年・秋、
元気一杯な赤毛の男の子リベザル。
不思議な組み合わせの三人が営む深山木薬店は探偵稼業が裏の顔。
だが、もっと驚くべきことに、彼らの正体は○×△□だった!?
謎解きはあくまで本格派をいく第十一回メフィスト賞受賞作。
シリーズモノ一作目。
前から気にな . . . 本文を読む
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――それは何の変哲もない、ただの箱に見えた。
幾分、湿った感触の、大きめの段ボール箱。
湿っているのは昨日の雨のせいだと思った。
だが開けた瞬間、そんな考えは消しとんだ。
中にあったのは遺体だった。
首も手足も切り落とされた、血塗れの子供の遺体だった……。
おなじみ「深山木薬店」の3人が恐怖の事件の謎に挑む!!
シリーズ二作目。
二作目にして . . . 本文を読む
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川崎涼介は、廃墟となったビルの屋上から転落し、意識を失った。
見知らぬ家で目覚めた涼介は自宅へと向かう。
だがそこで目にしたのは、自分の葬式だった―。
浦和涼介は、帰宅途中に見知らぬ若者の転落事故に遭遇する。
惨事に直面し、気を失う涼介。
不可解な記憶喪失の、それが始まりであった―。
川崎亜季は、まるで亡き兄のように振る舞う見知らぬ少年に困惑していた。
だが彼女は知る事にな . . . 本文を読む
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鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。
ある日、彼女は昨日の記憶を喪失している事に気づく。
そして、彼女の日記には、自分の筆跡で書かれた見覚えの無い文章があった。
“あなたは今、混乱している。若松くんに相談なさい…”
若松和彦。校内でもトップクラスの秀才。
半信半疑ながらも、彼は翔香の記憶を分析する。
そして、彼が導き出したのは、謎めいた時間移動現象であった。
“タイム・リープ . . . 本文を読む