認知症一期一会 http://blog.goo.ne.jp/mizukiosamu/

毎朝8時30分
ケイタイのアラームが鳴ると、私はアリセプト5mgを飲み食卓を離れます。


一輪の花で

2007年07月26日 | 5mgの日記

平安時代には、
「遁世」(とんぜ)という生き方がありました。

例えていえば、
西行とか、
鴨長明とか、
吉田兼好とか・・・の
生き方を想像すればいい。

簡単に言えば・・・
今までの自分で捨てて・・
別の生き方をして・・・生を終わるということ。

私は・・・このブログの冒頭で・・・
「私は平成
17329日、
 認知症と診断され、ひどく戸惑いました。
 人に聞き、本を読み、・・・そして
 私は自分なりの結論をだしました。
 花の下で好きな読書と花の旅を楽しもう・・・と」
と書きました。

キザッポイ・・・言葉です。

ちょっと、はずかしい・・・が、
気にいっている言葉でもあります。

その言葉の源が・・・・「遁世」という言葉。

つまり・・・私は・・・
西行のように・・・
鴨長明のように・・・
吉田兼好のように・・・と、
少しだけ真似をすることで、
「認知症」という言葉から・・・
遠く離れたい・・と思ったのです。

何を気取っているんだ・・・
「この病」は・・・そんな簡単なものではありませんよ・・・と、
言われることは・・・承知の上で、
そんなこと・・
「花の下で好きな読書と花の旅をしよう」と
いう言葉を書きました。

今・・・私は・・・私が願ったように・・・
好きな読書が・・・できています。

できない方が、「花の旅」。

という事で代わりに・・・玄関に、
一輪の花をしつらえています。

旅に出ることは・・・
口では簡単に言えましたが・・・現実は
「この病」では、簡単ではありませんでした。


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4 コメント

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好きなこと (たこペン)
2007-07-27 10:42:01
自分の好きなことを楽しむ生活は,自分らしく生きることにつながるのでしょうね。自分という花が咲き誇り続けるためのコツかもしれませんね。
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確認する作業として (水木)
2007-07-27 15:21:17
たくペン様へ

「この病」であることを前提として・・好きなこと・・・
できることをする・・・というのが、私のスタンスです。

西行・・・と私が書いても・・書かれた中身は稚拙です。
でも・・
昔の記憶を少しでも思い出せれば・・・いいと思っています。

論文を書くわけではありません。

私が・・・私の言葉を・・・例え・・・
意味が通じなくても書きたいのです。

自分が今生きている・・・ということを確認するためにです。
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自分の意思 (ふみ)
2007-07-28 01:04:01
はじめまして、時々拝見させていただいてます。

「遁世」の言葉に引かれてコメントしちゃいました。
私も西行の「花の下にて春死なん、如月の望月の頃」
の言葉が好きです。
私に似合いません。
でも関係ありませんよね。
こうしたい、こう生きたい。という意思を持てば
近づくように思うのです。
キザではありませんよ、少しも。
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思ったこと書く (水木)
2007-07-28 16:41:29
ふみ様へ

西行さんの事を書く「認知症の人」なんて・・・
ウソでしょうと、言われますか?

そう思われるかも・・・と、
思いながらも、エイヤッという感じで書きました。

西行さんのことがなんとなくなつかしい。
自分を重ねることで、
今の自分が・・・少しだけわかるような気になります。

そう思った時に、
迷わず・・・そのことを書かなければ・・・
その言葉・思いは消えてしまう私。

いいたいことを言われない患者さんも居られますが・・・
私はこうして書くことで、自分を表現しているのです。

又、書いてください。

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