だんだん記憶が消えていく―アルツハイマー病:幼児への回帰光文社このアイテムの詳細を見る |
新しい本を手にするとわくわくします。
この本では次の文章に出合って、感動しました。
「モーリスは間もなく、
記憶力を失ってから発見した驚くべき利点を、
最初の情報として私に送ってきた。
二時間、いや一〇分前に起こったことを忘れるようになると、
現在この瞬間のことに対しこれまでにない
新たな鋭い感覚が生まれてきたと彼は言う。
私は感覚が研ぎ澄まされたことを感じました。
線 面 それに角 彩色のコントラストなど、
見える物すべてがこれまでにない
豊かな意味を持って映ってくるのです。
それは驚くべき報酬です。」と。(P228)
私たち「この病」の者にとってはとても興奮する言葉。
ゆっくりと読みたい一冊です。