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セルロース系からのエタノール精製に光明か

2006年09月18日 23時00分15秒 | バイオマス
木質バイオマスをはじめセルロース系からのエタノール精製には、前処理と糖化の技術開発がネックになっていたが、どうやらそうした技術に目処が立ったようだ。

ホンダ、バイオマスからエタノールを製造(carviewニュース 2006年9月14日(木))
==== 引用 ====
ホンダの開発子会社本田技術研究所と財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)は、植物由来の再生可能資源であるソフトバイオマスからエタノールを製造する技術に関する共同研究の成果を発表した。

バイオエタノールは燃焼時に放出されるCO2が、もともと植物が光合成により取り込んだもので、大気中のCO2総量に影響を与えないため、地球温暖化対策に有効なエネルギー源として注目されている。しかし、現在のバイオエタノール製造は、サトウキビやとうもろこしの糖質や澱粉質など食用と同じ部分を原料としているため、供給可能量に限界がある。

今回の共同研究では、これまで困難とされてきた稲藁など、食用に供さない植物の茎や葉といったソフトバイオマスに含まれるセルロース類からアルコール燃料を製造する技術の基盤を確立し、実用化へ大きなステップを踏み出したとしている。

RITEの高度なバイオ技術と本田技術研究所のエンジニアリング技術の融合により新たに開発された「RITE-Hondaプロセス」は、セルロース類からのバイオエタノール製造に道を開き、大幅な増産を可能とする。このプロセスは、ソフトバイオマスからセルロース類を分離する前処理工程、セルロース類の糖化工程、微生物による糖からアルコールへの変換工程、アルコールを精製する後処理工程で構成する。

既存の技術では、主にソフトバイオマスからセルロース類を分離する工程で副次的に生成される醗酵阻害物質が、糖をアルコールに変換する微生物の働きを妨げ、エタノールの収率が極めて低くなり、ソフトバイオマスからのアルコール製造の大きな障害になっていた。

今回、RITEの開発した糖をアルコールに変換する微生物であるRITE菌を使い、本田技術研究所のエンジニアリング技術を活用し、醗酵阻害物質による悪影響を大幅に減少させるRITE-Hondaプロセスの開発に成功、従来のセルロース系バイオエタノール製造プロセスと比較してアルコール変換の効率を飛躍的に向上させることが可能となった。

RITE-Hondaプロセスは、バイオエタノールの大幅な増産と利用の拡大を可能とし、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた大きな前進となる可能性を秘めていると、している。今回の成果により、ソストバイオマスからのエタノール製造に関して、基礎的な課題がすべて解決したこととなり、今後は、工業化に向けて研究を進め、現在は別々の処理で行っている4つの行程をひとつのプラント内で連携させるシステムの開発に取り組み、この連携システム内でのエネルギーリサイクルによる省エネルギー化と低コスト化を図る。また、新しいバイオアルコール製造システムの社会適合性や経済性を検証するために、パイロット・プラントによる実証実験を計画している。

RITEとホンダは、これらの共同研究の成果を基盤として、将来はエタノールだけでなく、バイオマスから自動車用材料を含むさまざまな産業用物質を生みだすバイオリファイナリーへの進化を目指し、持続可能な社会の実現に向けて、更なるCO2低減による地球温暖化防止に貢献していきたいとしている。

レスポンス 編集部
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ハイブリッドでトヨタの席巻を許すホンダの起死回生策がエタノール100%(E100)対応自動車ということなのだろうが、稲わらの利用可能量は政府が予測するほど多くはない。実際、大規模な稲作ほどコンバインで稲わらを粉々にして田んぼにばら撒きすき込んで肥料として使っているし、はざ掛け米などでわずかに発生する稲わらは畑作や畜産などで引っ張りだこ。
すき込む稲わらがなくなれば、代わりの肥料が必要になり米つくりのコストが上がる可能性もあるし化学肥料への依存度がたかまる可能性もある。

セルロース系からのエタノール精製に道を開いたという点で評価できるが、原料となる稲わらへの過度の期待はしない方がいいのではないだろうか。


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