1、他人事ではない認知症
厚労省の統計(平成24年)によると、我国では、65歳以上の高齢者の7人に1人は認知症患者で、その総数は約462万人だそうだ。8年後の平成37年にはこの患者総数は約700万人に達し、実に5人に1人が認知症患者になると見込まれている。
確かに知友人の中にも、認知症で医師の世話になっている者もいる。「俺も認知症で通院中だ//」と患者であることを認めているある友は、・何度も同じ話をしていることに気付かない・昔のお互いの苦労や体験談を完全に忘れている・場の雰囲気に関係なく急に全く話題の異なる話を始めたり・仲間の呼び名を間違えたりなど、明らかに昔の彼でない症状が出ている。そんな彼の言動を現認したりする度に、何故彼が認知症患者になったのか聞いても時期や具体的な理由等の特定は無理なようだ。
1日のうち何度か、認知症の症状が顕著に出る彼の場合は、数年前から理由不明なるもある時期以降「物忘れ」が進行し、奥様同伴でないと遠出や不案内な出先への外出が困難になったとのことだ。
2、認知症と物忘れとの違い
ところで認知症は、後天的な原因によって病的症状が認められる脳に関する一種の病気であり、、
●認知症の具体的な症例としては、
・物忘れの自覚がない
・体験したこと自体を忘れている
・ヒントがあっても思い出せない
・日常生活に支障がある
・判断力が低下していることなどが特徴だそうです。
●認知症とは異なる呆けの具体例は、
・物忘れの自覚がある
・体験したことの一部を忘れている
・ヒントがあれば思い出せる
・日常生活にさして支障はない
・判断力はさほど低下していない。などの違いがあると云われている。
困ったことに認知症には進行を遅らせる治療法はあっても、現在では有効な根本治療法はないとのことだから、困ったことだ。
呆けが進行しても該当者が全て認知症になる訳ではないので、その点ではまだ安心だが、でも呆けが過度に進むと、認知症に近い状態になるのではないかとの心配は尽きない。
今のところ、当方には幸いなことに過度の呆けや、認知症らしき目立った兆候は未だない。しかし、「記憶力」「判断力」「識別力」「書字力」や「状況判断力」等は、年々下降気味で、「認知症」に通ずるかもしれない「高齢呆け化」は年々進行中であることは確かである。
3、呆けないための心得
そこで、「いずれはわが身」にならない為、現在も続けている次のような呆けないための心得(他人様の認知症看護体験記に出ていた心得)を参考にして、今後も「高齢呆け」の進行と「認知症の防止」に努めている。下記はその体験記の抜粋である。
(1)気持ちの持ち方「か・き・く・け・こ」の励行
①「か」… 感動・感激(喜んだり、悲しんだり、興奮を覚えたりする)
②「き」… 興味・緊張(何事にも興味を持ち、適度な緊張感を保つ)
③「く」… 工夫・苦心(創意工夫と新しいことに挑戦。楽をしようとしない)
④「け」… 健康・献身(健康は当然。周りの人の為になることに心がける)
⑤「こ」… 好奇心・向上心・行動力(人と話したり:口動力、考える意思と行動力=考動力を保つ)
(2)呆け防止「3つの心」の実践
「あそび心」、「おしゃれ心」、「ユーモアの心」を忘れず、T(時)P(場所)O(場合)応じて態度や言葉で表すこと。
4、脳の老化とその防止
ところで、人間の脳の神経細胞は150億個以上もあり、それが20歳を過ぎると、1日に10万個以上も減少するとも云われている。
丼計算すると、1日10万個、10年で36,500万個、50年で182,500万個の減少だから70歳過ぎの高齢者の神経細胞は、20歳の頃の10分の1程度になっていることになる。
なので、脳の「生理的な老化」や委縮が進み、・ もの忘れがひどくなったり・ 新しいことが覚えられないとか・ とっさの判断が遅れたりする・・こと等も至極当然のことであろう。
脳細胞は使わなくても減り続けるけれども、逆に使えば使う程、脳は活性化するそうだから、例えば、毎日パソコンやスマホを操作したり、俳句・川柳等で感性・知性を高めたリ、人と集った際、時には人生や天下国家を論じたりして意識的に頭を使うことは、脳の老化防止や呆け防止、引いては認知症の予防に繋がるのだろう。
事実、毎日無為無策に過ごしている人より、考え事や適度の運動をしたり、好きな趣味を活かしたりして有意義な生き方をしている人の方が、「呆け老人」が少ないし、そういう人達は日々「心豊かな生き方」をしているのではないだろうか。
・「もの忘れ ものに つまずき また忘れ」
・「あれ これ それ ひと(他人)に謎かけ 思い出す」
当方にも、こんな川柳に表されている忘れ癖に気付くことが、最近多くなった。でも、この程度ならお互いにまだ良しとしょう。
認知症ではないがそれに近い、重度の呆け友人もいる。そんな呆け友のような老人にはなりたくはない。その防止の手立てとして生活習慣の間に出来ることは、平凡なことだが、当面は前記の「か・き・く・け・こ」の原則と、「3つの心」の原則を日々忘れず確行して、「重度の呆け老人」や初期の「認知症患者」にならないよう、今後も傘寿過ぎ老人なりの自己管理を続けていく積りだ。
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