健全な人の歯は上下合わせて32本あるのだそうだ。だが、当方の自分の歯は、今では僅か4本しかない。だから亡くなった28本分は総て入歯でカバーしている。
ところが最近、腔内老化に伴い噛み合わせがよくない上に、虫歯の治療も中断したままであるため、食中・食後の違和感が拭えない。早期治療と調整が不可欠な状況になっている。
海辺育ちで、子供の頃から魚介や海藻類をよく食べて育った割には、その頃から歯は丈夫な方ではなかった。「歯周病予防研究会」のデータによると、年齢別に残っている歯の平均の数は、以下のとおりだ。
20代・・28本、30代・・26本、40代・・22本、50代・・20本、60代・・15本、70代・・9本そして80代以上は6本となっている。なお、55歳以上の日本人のうち、約400万人が総入れ歯だそうだ。当方も総入れ歯同然の状況だ。昔から、歯・目・〇〇とも云われているとおり、当方の大事なこの三つの持ち物もすっかり機能低下してしまった。
厚労省は平成4年以来、80歳になっても自分の歯を20本以上残す8020(はちまるにまる)運動を推奨ししている。しかし現実は80歳以上の約8割の高齢者は、自分の歯も20本以下しかなく、部分入歯か総入れ歯で不自由な生活を送っている。
虫歯も入れ歯もない同年輩の友人が3月初めに他界した。歯は健康の源だと誇らしく語っていたその友が、先に逝くとは歯の神様も理不尽なことをするものだ。老化したわが歯の異常に気づくと、同時に、歯の健康面では手本のような友のことを暫し思い出した。命の神様は時には、不公平な運命の仕分けをするものである。