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気心は未だ若い「老生」の「余話」

このブログは、閑居の間に
「言・観・考・読・聴」した事柄に関する
 雑感を主に綴った呆け防止のための雑記帳です。

総選挙に関する雑考

2017-10-14 09:36:53 | 時評

1、各党の命運を懸けた総選挙戦が日ごとにヒートアップしている。
今回の選挙は、保守(自民・公明両党)と改革保守(希望の党・日本維新の会)それに革新(立憲民主党・共産党・社民党)の三極が対立軸になって展開されている。

この流れに、三分解した民進党の主要なメンバー等が無所属で立候補して加わり、色分け的には4極の選挙構図になった。政策的には、自民・公明とそれ以外の政党の主張には、共通する政策と対立する主張が複雑に絡んでいる故に、一般の選挙民にとっては極めて分かりにくい選挙になっている。

2、今月の世論調査(NHK)によれば、 各党の支持率は、自民党が31.2%(332)、希望の党が4.8%(235)、公明党が3.8%(53)、共産党が 2.7%(243)、立憲民主党が4.4%(78)、日本維新の会が1.3%(52)、社民党が0.5%(21)、日本の こころは0%(2)、諸派(91)、無所属(73)、「特に支持している政党はない」が39.1%となっている。()内は、1180人の立候補者数の内訳数である。

3、今次総選挙に関する雑考は纏まりはないが、以下のとおりである。

・安倍政権の実績と政策がどう評価され、与党が過半数の233議席を確保出来るのか否か。これが大義無き解散と揶揄されてはいるが、総選挙最大の焦点であることは確かだろう。

・選挙は水物で、情勢は流動的だ。だから、早計な観方は慎むべきだけれども、当方はかなり楽観的に今次選挙の結果を観ている。

・その結論は、与党が何とか過半数を確保するだろう。仮に、選挙の結果、与党の過半数割れが生じても、自・公・希望・維新の四党が議会の多数を占める構図には変わりはない筈だし、四党間の個別の政策や主張に関する対立はあっても、大勢としては是々非々を基調とする改革保守(希望・維新)の協力を自・公が引き出して、結果的には波動はあっても自民中心の堅実な保守政治体制の維持は、今後も可能であろうと思う。

・台風の目のように観られていた小池新党の旋風も、その威力が逓減しつつあるようだ。このことは、予想外に低くて伸びない支持率や、数だけは過半数を超える235の候補者を揃えたものの、同党の政策も理念先行で具体性に欠ける面が目立つし、党首と党に対するイメージ自体にも、かってのような共感度やアピール力が上がっていない等と報道されていることからも窺がえる。雑な観方だが、この分では、希望の党は200議席はおろか、100台の議席の確保も厳しいのではないか。

・反面、立憲民主党は、急遽結党の割には既存政党(自民以外)よりも高い支持率を得ている。その党名も、抽象的なイメージの「希望」の党名よりも、具体的で選挙民受けする党名だ。このことは、自衛隊は合憲だが、憲法改正は違憲の安保法制を認めることに繋がるので改正には反対だとの主張にも表れている。

訴え方の面でも、抽象論の多い小池代表よりも筋が通っている枝野代表の方が、説得力のある主張をしている。だかr、当選率は「立憲民主」の方が「希望の党」より上になるのではないかとの感じさえしている。

・約4人に一人の「支持政党なし層」の票の行方がどうなるのか。今回もこのことが、大いに注目される。与党特に自民党が、この層の票を取り込むためには、北朝鮮関連の国難問題よりも、将来世代にわたる内なる国難対策について広く解り易く訴えるべきであろう。

・野田元総理・前原代表等22名の民進党籍を有する無所属候補が、復活当選後も無所属を貫くのか否かも無視出来ない関心事である。民進党は3分化した結果、同党が解党したのか否か、多額の政党交付金(約150億円の繰延金:8月末)の処理はどうなったのか、党分裂に伴う説明責任は、どこからも何ら明らかにされていないままだ。

・共産党は、かなりの小選挙区で自党の候補を下ろして、立憲民主党の候補者を支援する選挙協力体制を組むことになった。確かに両党は憲法改正には共に反対の立場だが、自衛隊違憲の立場の共産党と、自衛隊は基本的には合憲だとする立憲民主党の立場は異なる。

・自衛隊違憲の立場の同党は、世界に誇る日本の宝・憲法9条改正絶対反対の立場だ。ならば、同党からすれば、9条の癌的存在の「自衛隊の解体」を選挙の度に堂々と公約に挙げ主張すべきなのに、未だその種の公約を掲げたことはない。しかし、将来、同党中心の民主連合政権が出来れば、自衛隊を一旦解体して、創隊し直す。と同党の綱領に明記している。その暁には、同党は憲法の改正にとどまらず政治・経済等の仕組みも変えることになる。同党が「自衛隊の解体」を選挙公約の第一に挙げない最大の理由は、プラス効果よりマイナス効果が膨らむからだろう。 

・いずれにしても、かっての民主党政権の二の舞にならない為にも、新興の政党中心の政府に、国の将来を託することになるような選挙結果は避けるべきだ。トランプ政権のような「ガタガタ政権」や、来週からの全国党大会で「最強の習近平」体制を狙っていると報じられている一党独裁政権など、極端な「一強政治」は元より我が国の政治風土にはなじまない。安倍一強と揶揄する論調にも一理はあるのだろうが、厳しい国内外情勢の下では諸外国にも通用する、健全な一強のリーダが我が国にはぜひ必要だ。

・今回の総選挙は、そうしたリーダを選ぶ重要な選挙でもある。このことを一選挙民として、又この国の健全な未来願う老生として特に強く望んでいる。




小池新党(希望の党)の光と影

2017-09-30 07:57:45 | 時評

新党の旗揚げに伴い同党の動静が、総選挙戦における大きな政治的関心事項になって来た。このことに関し当方は次のように感じている。

1、総理・与党筋は、今回は結果的に解散時期を読み違えたのでではないか。その読み違いは、民進党の弱体時期に野党共闘の動きが進んでも、細野・若狭グループの初期の動きが今日のような大きな流れになるとは、想定外の流れだったことだろう。しかし、意外な形で進行中の現下の事態は、多勢に安堵し内心楽勝を期待していた与党内に対しては、カンフル剤的効果を齎した。だから与党も、解散宣言後は、脇を固め直し、危機感を持って新党批判を協調し、既に本格的な選挙選を展開している。

2、今回の動きが順調に推移し、「希望の党」の支持率が約25%程度になれば、総選挙で100台位の議席確保が可能ではないか。そうなれば、保守二大政党時代の新たな始まりになりそうなので、当方は歓迎だし、その意味からも新党の行方には、ある程度の期待感が持てると思う。

3、新党が国会で一定勢力を確保すれば、安全保障環境の整備、就中憲法改正も発議を容易にする院内外環境が整うので、来る選挙で新党は、改革保守の観点からこの点を国民的理解に結び付くよう大いに啓発願いたい。

4、既に新党は、結果的に大きな役割を果たした。それは、寄せ集め集団で、批判ばかりが先行し、確たる実績もなく、かっての社会党の二の舞になりかけ、選挙民からも見放され続けている民進党を結果的に事実上分裂・小党化したことだ。名を捨て実を取ることを党内リベラル派も了承したことは、民進党が党の自滅を自ら認めたことに等しい。残ったリベラル派はどんなメンバーで、今後どんな動きをするのかも新たな注目点だ。

5、今回の流れは、野党共闘路線の推進により、漁夫の利を得られる筈だった共産党にとっては、全く期待外れの展開となった。それ故に同党は、今迄以上の執念深さで、面子をかけて選挙戦を展開するだろう。この場合、これ迄、民進党リベラル系支持者だったかなりの選挙民は、民進党支持を諦め、選挙では共産党支持に傾くことも十分予期される。そうなれば、選挙毎に議席微増の同党は、更に党勢を拡大することになりそうだ。

6、民進党からの合流希望者に対する「踏み絵審査」では、野田元総理はじめ61名の民進党の諸先生方も大きな試練を受ける。該当の諸氏は小池代表に、新たな議員生命の引き糸を握られている。兎に角、同代表は、強かで計算高い政治戦略家であることは確かだ。

7、新党に関する当方の目下の最大の関心は、小池代表が2足の草鞋を履き続けるのか否か、代表として立候補するのか否か。立候補の場合、都知事問題はどうなるかである。衆院選に立候補するとなれば、同代表は、憲法67条(内閣総理大臣は、国会議員の議決でこれを選ぶ)に基づく総理の座を確かに狙っていることを公言するに等しいことになる。

8、確かに小池人気や同代表の年齢的な面を考えると、今回が総理を狙う最後のチャンスだろう。しかし先読みに長けている小池代表は、都知事の座を投げ捨てて国政に臨めば、その反動やつけが、どう表れるのか・・そんなことはもうとっくに読めている筈だ。

もし、都民の期待を裏切って国政再登板の挙に出る場合は、その釈明を如何に行っても現下の新党ブームのようなものは、急激に萎み去ることになると当方は思う。

選挙後の新党リーダーは小池姉御でなくてもいいのではないか、機を観るに敏な小池代表が策に溺れず、上昇志向ではなく、平衡感覚で良識ある選択をするよう切に願いたいものだ。


愚かな邪推(米国のシリア空爆に関して)

2017-04-13 11:25:25 | 時評

当方は数年来、NHKラジオ深夜便の愛好者の一人である。4月11日のその放送番組中、海外レポータ報告(ワシントン在住の一般人)を聞いていて成程と感じたことがある。それは、一部に「トランプの豹変」とか「誤判断によるイラク侵攻の再来」だとか、マイナス評価が目立つ「シリア空爆(4月6日)」に関し、米国ワシントンでは、我が国内の論評とは真逆の報道紹介がされていると感じたからだ。

同レポータの報告によると、・シリア政府軍のシャイラート空軍基地には兼ねてより、化学兵器が保管されていること。・同基地を拠点とする政府軍機が先週4日、シリア北西部イドリブ県の反政府軍の支配地域を空爆したこと。・その結果、同地域で死傷者の多くが化学兵器の犠牲にされたこと。・これらの事実から、アサド政府軍が化学兵器を使用したことは明らかで、ワシントンの有力紙では、こうした論調の報道が一般的です・・と同上レポータが伝えていた。

米国内でのこのような報道は日本国内では、これ迄何処からも伝わっては来ていない。

当方には前記の報道が、どの程度信憑性のある報道なのかは勿論解らない。しかし、世論の約半数が、反トランプ思潮だと伝えられている米国で、しかも米中会談の最中に「強いアメリカ」の行動力を見せつけたトランプ大統領の決断は、同国内で概ね肯定的に評価されているようだ。

 米国のその筋は、シリア正規軍による化学兵器使用に関する決定的な証拠・理由を入手していたとしても、その証拠を示すことは、情報戦略上プラスになるとは観ていないのだろう。

だから、全面公表をするような愚かな情報開示は、今後もまずなかろう。大量破壊兵器が結果的になかつた「イラクの場合」と今回の場合は、ケースが全く違う。なので、先のシリア空爆に関しては、「疑いには裏付けがある故に強行したのだろう」と当方も思っている。

しかし、そんなことは別として、我が国内では、シリア政府軍による化学兵器使用の疑いを理由づける報道が全く、どこからも伝わってこないのは何故なのだろうか。

11日のラジオ深夜便で関連報道を聞きながら、シリア内戦に関する諸々の情報の真偽の見分け方・認識の仕方もいろいろあるものだと改めて考えさせられた。


稀勢の里の意地と闘魂

2017-03-26 21:17:04 | 時評

今日(2017.3.26)の大相撲中継、「照ノ富士」「稀勢の里」戦を観て大いに感動した。更には、何年振りかで日本人力士の意地と執念、内に秘めた技と闘魂による快挙に暫し酔いしれた。大方の予想では怪我の翌日、強行出場して横綱「鶴竜」になすすべなく敗れた「稀勢の里」の今場所優勝は無理ではないかと観られていた。そんな予想を覆し、新横綱として「貴乃花」以来22年ぶりの優勝を果たした。誠に以て敬祝の至りである。

改めて、「稀勢の里」の優勝に万雷の拍手を送りたい。同時に、2014年7月の名古屋場所で場所の終盤、不甲斐ない負け方で敗退した「稀勢の里」をこのブログで老生が酷評したことに対し、心から謝罪とお詫びを申しあげる。その時の記事の一部を末尾に転記した。でもこの記事は、稀な勢いを秘めている筈の当時大関「稀勢の里」に対する万感の期待の意味もあったことなので了として貰いたい。

国家斉唱の場面で男泣きしていた「稀勢の里」は、この優勝を契機に、今度こそ「心技体」共に優れた平成の日本人横綱として、大相撲界を牽引して呉れることだろう。

ところでこの大関は、白鵬とは年令・初入幕も1年違い、三役昇進は19歳11ヶ月で貴乃花・北の湖・白鵬につぎ歴代4位の実績もあり、大関昇進のころから、日本人横綱の最短候補と目されていたし、白鵬キラーとしても認められて来た。事実、白鵬の63連勝(2010.11月)23連勝(2011.1月)、43連勝(2013.7月)を夫々の月に大きな壁となって阻止して来たのは、この稀勢の里だけだ。

本人には悪いが、あのふてぶてしい面構えで、今場所も小手投げで堂々白鵬を破り、流石稀勢の里と誰もが思った。だがその後、残り2日は2横綱になす術なく惨敗した。白鵬を破ったあの勢いはどこに行ったのかと云いたくなる2連敗した負け方を観て思ったことがある。

それは、この大関は、「心技体」のうち、最も欠けているのは「心の強さ・逞しさ・柔軟さ・厚釜しさ」ではないだろうかということだ。さらに云えば、この1~2年、稀勢の里は次の場所で12勝以上すれば、横綱昇進間違いなしと半ば約束され乍、そんなチャンスの場所になると不甲斐な戦績で昇進のチャンスを自ら潰しているのも、心の脆さが大きな原因になっているのではないかと思わざるを得ない。

稀勢の里なる四股名の「稀勢」とは、今迄にない勢いのある力士と云う意味もあるのだろうが、現状では、その「稀勢の里」が、稀に大器の片鱗を見せて、豪快な勝ち方をする時もあるが、脆さも大ありの万年大関に成り下がってしまっている。こんな現状に一番悔しい思いをしているのは、勿論当の関取本人だろうし、その親方だろう。しかし、ここで忘れられてはならないのは、長年期待を裏切られ続けている多くの稀勢の里フアンである。

かく云う当方も隠れ稀勢の里フアンの一人だ。だから、もし、来場所以降も稀勢の里らしい成績が残せなければ、多くのフアンは稀勢の里の将来に見切りをつけることにだろう。もしそうならば最悪の場合、同大関は、相撲人生上最大の窮地に見舞われることになるような気もする。

そうならない為にも稀勢の里には、来場所に向け今から「心のギア」を入れ直し、リニュウアル稀勢の里として次回こそ本来の底力を見せつけられる大大関に変身することを心底切望したい。こう願うのはこの老生だけではないだろう。

 


本来論議なき哉 最近の政治論議

2017-03-16 11:29:56 | 時評

最近の国会論議やマスコミ報道を観て端的に思うことは、国政に関する本筋の政策論議よりも、お茶の間の興味と関心を結果的に助長するような亜流の政治論議が横行していることだ。

確かに、例えば先月の「テロ等準備罪の審議をめぐる金田法相の失言問題」や、今月急浮上した「森友学園問題に絡んだ関係官庁の関わりと稲田防衛相等に関する疑惑」及び「自衛隊のPKO派遣記録保管の杜撰さ」に関する追及等は、真相究明を要する氷山の一角的な政治問題の一つなのかも知れない。

こうした問題は、国政上の当面の焦点になっているけれども、しかしこの問題は、国政の本筋に直結した政治課題ではない筈だと当方は思う。連日の如く、国会中継やニュース報道で見せられる「政治論議」は総じて、一政治家や時の話題に関する疑惑の追及に焦点が向けられているが故に、そうした議論が、恰も国民にとって必要な「政治論議」の如く一般的に受け取られている。

かって日本は、国際社会では「経済は一流、政治は三流」と評価されていた。今では「経済一流」の評価は過去物語となり、政治も「三流」の流れのままで、さして改善・進歩は為されてはいないようだ。与野党の大先生方が、本来、国策上の諸懸案解決のため、国会の場で取上げ、激しい議論を重ねて国の富や国民生活向上のために取組むべき案件は、山積しているのではないか。

例えば次のような案件に関する政策論議は、どこで、どう行われ、それが政策となって、いつ頃からどう具現されるのか、国会論議の場からは全く見えては来ていない。

・過疎化高齢化に伴う地方での高齢所帯対策、特に域内移動手段対策や空家対策

・全国的には5000橋余もあると云われる「要架け替え橋梁」対策  

更には包括的な政治課題としては、安倍内閣の看板政策である「3本の矢」政策:①大胆な金融政策②機動的な財政政策➂投資を喚起する成長戦略政策や「新3本の矢政策」:①希望を生み出す強い経済(GDP600兆円の達成)②夢を紡ぐ子育て支援(出生率目標:1.8)➂安心に繋がる社会保障(介護離職ゼロ化)。

これら国民生活に密着した本筋の政治課題について、政府与党はどんな政策を、如何に具現しつつあるのか、今以てめぼしい成果が挙がっていない原因の追究や対案の提示等を野党各党は、どこで、どう議論し、どう関わっているのか庶民の我々には殆ど知らされていない。

既述のとおり、「稲田問題」や「森友学園問題」の論争や報道も大いに結構だ。

お偉い先生方には、それなりのお考えがあって厳しい論戦をおやりになっているのだろう。だが、政治の本筋の流れの中で、大先生方が日本の現実と将来を見据えて議論し、政策化して推進すべき難問は山積しているのに、その対策は遅遅として進んでいない。

「木を観て森を観ない」政治が続く限り、「政治は三流」の評価は、今後も消え去ることはないのではないか。最近の政治論議を見聞きして、老生は一人つくづくそう実感している。