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長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

200.青木画廊企画『綺想動物園』展が始まっています。

2015-07-13 18:54:25 | 個展・グループ展

今回でこのブログが200回更新となった。2012年1月から初めて3年半弱ということになる。遅々としてようやく綴っているのだが、なんとか続いてきている。「工房通信」と銘打っているわりには制作や美術以外のネタがかなり多い。単に「絵を描いています、版画を制作しています」というだけでは、ブログの記事にはならない。カテゴリーを可能な限り増やして話題を広げているのだが、書き続けていく難しさも感じている。その反面、一度更新すると内容にもよるのだが多くの踏み跡が残されていて、リピーターとなっていいただいているブロガーの方々には本当に感謝している。

節目の回、記念として何を書こうか悩んでいたが、現在進行形ということで先週末から始まったグループ展について更新することにした。11日の土曜の午後から銀座の青木画廊企画で開催されている『綺想動物園』展の会場に向かった。地下鉄東銀座駅で下車して街を歩いていくと中央通りは土曜日の歩行者天国となっていて多くの人で賑わっている。そして暑い!!ここから有楽町側に通りを二つ入って少し歩くと静かな商店街。「煉瓦亭」という昔から人気の洋食屋の隣の小さなビルの2階が青木画廊である。青木画廊はこの場所にオープンして今年で54年になる老舗画廊である。現会長で先代の青木氏の時から内外、シュールレアリズムや幻想派といった個性的な美術家の作品を頑固に紹介し続けてきた数少ない画廊として知られている。銀座にはたくさんの画廊が林立しているが、こうした雰囲気のある画廊は少なくなった。

多くの著名な文学者や美術家たちが行き来した少し急な階段を上がると画廊の入り口である。今日は展覧会の初日で夕方から恒例のオープニング・パーティーがあるので、すでに参加作家や美術愛好家が集まっている。画廊の青木夫妻に挨拶をして作品を1点1点観ていく。今回は8人展だが、年齢はまちまちで若い新人の女性作家3人も参加していて会場に花がある。展覧会名のとおり不思議で魅力的な動物たちが勢揃いしていて刺激になる。僕は3点の手漉き紙に描いた作品を出品しているのだが、額装は前回の個展からオリジナル額制作のS氏に依頼した。会場で初めて額装状態を観るのだが、いつも難しい注文を丁寧に収めてくれて作品とも愛称が良く助かっている。

一通り会場内の作品を観終って、世間話をしているとパーティーの時間となった。この時間帯に合わせて来場したコレクターや画家仲間、画廊関係者などが次々に集まって、12畳ほどの会場内はあっという間に満員御礼となる。ひさしぶりに会う人もいて話には熱が入ってくる。ワイワイガヤガヤ楽しい歓談の一時、ようやく調子が出てきたなと思っていたら、あっという間に閉廊時間。ここからは近くの居酒屋へ流れて二次会となった。展覧会は今月24日まで。絵画ファン、幻想美術ファンの方々、この機会にぜひご高覧ください。画廊ホームページはコチラから http://www.aokigallery.jp

画像はトップが会場のオープニング・パーティー風景。下が向って左から青木画廊の昔ながらの看板、出品作家、江本氏の立体作品「河童」のミイラと会場内平面作品展示風景。

 

      


199. グループ展のお知らせ 『綺想動物園』展

2015-07-05 21:17:38 | 個展・グループ展

今月、画廊にて開催されるグループ展のご案内です。

・展覧会名:『The Amazing Zoo 綺想動物園 ~天使から河童まで~』

・会期:2015年 7/11(土)~7/24(金) 平日11:00~19:00/日曜・祝日12:00~18:00/最終日17:00迄/会期中7月19日(日)のみ休廊 

・会場:青木画廊 東京都中央区銀座3-5-16 島田ビル2F TEL 03-3535-6858 http://www.aokigallery.jp

・内容:画廊企画による絵画・立体のグループ展 「8人の作家により妄想された古今東西不可思議生物の競演…(展覧会DMより)」

・作家在廊日:11日初日16時過ぎ、最終日14時ごろより在廊予定。

※初日、17:00ごろより、オープニング・パーティーあり。

ご存知、銀座3丁目。幻想美術の老舗、青木画廊企画による中堅から若手作家のグループ展です。長島はネパールの手漉き紙に水彩とアクリルを併用した絵画作品3点を出品します。今回、8人によるグループ展ですので案内状を作家や関係者にはあまり出せませんが、お近くにお出掛けの際はぜひお立ち寄り、ご高覧ください。よろしくお願いします。画像はトップが案内DMの表面、下が同じく宛名面。

 


178. 『ワイルドライフアート展2015 日本の生きもの~その多様性Ⅲ』

2015-02-20 20:56:53 | 個展・グループ展

今月15日。版画作品を出品している東京の新宿御苑インフォメーションセンター・アートギャラリーで開催中の『ワイルドライフアート展2015 日本の生きもの~その多様性Ⅲ』に会場当番として行ってきた。

この展覧会日本全国に会員を持つ「日本ワイルドライフアート協会」が主催している。毎年テーマを決めて開催しているが、このテーマでの展示も3年目となった。今回は東京近郊を始め、名古屋、関西、九州方面などから44名74点の野生動物、野鳥、昆虫などをモチーフとした平面、立体作品が展示された。この出品者数は過去最大値となった。日本列島は南北に長く環境も変化に富んでいるため作品に登場する「生きもの」も多種多様となった。

午前中、ギャラリーに着くと最終日ということもあって来場者が多い。僕は新作木口木版画を3点出品したのだが、版画作品が少数派であるということもあり、技法などについて質問をしてくる人が多くいた。そうした熱心な鑑賞者には個展の時、案内状を出す約束をかわすのが常である。しばらくすると出品者の一人のO女史が大きな双眼鏡を首からかけて登場した。朝から御苑の中をバード・ウオッチングを兼ねてひとまわりして来たらしい。開口一番「日本庭園の池にトモエガモの♂が入っていました…それから上空にはタカの仲間のオオタカとノスリも見られました」とのこと。今年は展覧会中日に協会主催の「探鳥会」も行われた。これもこうした生きもの大好きな仲間の会らしいことである。今回僕は仕事の都合で最終日しか参加できなかったのでとても残念である。

昼を挟んで午後からはさらに来場者が多く、出品者は作品の説明に忙しくなる。そうこうしているうちにあっという間に3時の終了時間。手際よく作品の搬出作業と会場の片づけを終了し、外のテラスでお茶会後お開きとなった。1週間の会期中の来場者は2500人強との担当者からの話だった。毎年盛況である。これも国設のパブリック・スペースという強みなのだろう。画像はトップが会場内の展示のようす。下が左からインフォメーションセンター外観、会場内のようす(別カット2枚)、御苑内に咲いていた紅梅。 

 

      

※展覧会は終了しています。

 


169. 長島充 版画展 『日本の野鳥』 in 本郷 ご来場いただきありがとうございました。

2014-12-15 20:43:34 | 個展・グループ展

今月3日からスタートした版画個展、『日本の野鳥』 in 本郷も13日に無事会期が終了しました。師走のご多忙の中、ご来場いただいた方々、版画作品をご購入いただいた方々ありがとうございました。感謝します。

今回、東京での版画個展としてはひさびさで、初めての画廊ということもあり、会場にできるだけつめたのですが連日来場される方は途切れることがなく、個展リピーターの方のみならず初めて僕の作品を観るという方々や飛び込みの方々も多く、刺激的で楽しい会期を過ごすことができました。これも機会を与えてくださった25年来のお付き合いとなるギャラリーのTオーナー、そして気持ちよく在廊させていただいたスタッフのみなさんのおかげだと思っています。Tさん、以前からお声をかけていただきながらタイミングが合わず初個展開催までこんなに時間がかかってすみませんでした。

画家でも版画家でも発表に向けて作品を作り続ける行為は土中のセミの幼虫に似ていると常々思っています。長い時間をひたすら耐えて制作し、いざ発表したかと思うと会期は一瞬にして時の流れに過ぎ去っていきます。このことは卵から7年間という長い歳月を過ごし、ようやく成虫に羽化したかと思ったら盛夏のわずかな時間を精一杯生きて燃焼していくセミの姿にどこかイメージが重なるのです。

来年は夏からまた絵画と版画の発表が東京、新潟、大阪と続きます。夏までまたカフカの『変身』の主人公のようにセミの幼虫に変容しつつ、コツコツと土の中にトンネルを掘るような制作の毎日が続きます。ブログをご覧のみなさん、またいずこかの画廊空間で作品を通した一瞬の素敵な出会いを楽しみにしています。では、それまで。

画像はトップが外の通りからウィンドウ越しに見た会場。下が左から会場中央からの展示壁面、臼にガラス板を乗せた独特のテーブルの中に展示した木口木版画の版木と道具、帰り道に東大キャンパスを抜けて上野駅まで歩く途中に観た不忍池の夜景。

 

      


168.長島充 版画展 『日本の野鳥』 in 本郷 開催中。

2014-12-09 20:56:26 | 個展・グループ展

今月4日(木)から東京本郷のギャラリー愚怜で版画個展がオープンした。初日が少し天候が悪く寒かったことで来場する人の動きが心配だった。今日でちょうど折り返し点を過ぎたところだが、おかげさまで連日、版画コレクター、野鳥好き、画家、版画家、友人、知人、画廊関係者、飛び込みの方々などで人が途切れることがない。初めての会場でありがたいことである。

特に今回、画廊が東京大学の赤門の斜め前という地理的条件もあって東大の博物館に務めている方々や大学教授などの方などもいらしたりして新たな出会いがあることが嬉しい。日頃、仕事場に籠りっぱなしの生活なので個展会場では作品を通してのコミュニケーションを楽しみにしている。作品の感想から始まって版画の技法や野鳥との出会いのこと、話に夢中になるとどんどん脱線して果てしなく話題が広がっていったりする。励ましや共感の言葉はとても元気をいただく。それもこれも個展というあらたまった空間と時間のなせる業だと思っている。

あと4日。明日3日は6時ごろから、4日が2時過ぎから、6日最終日も2時過ぎから在廊予定ですのでまだご来場いただいてないブロガーの方々、この機会にぜひご高覧ください。落ち着いた雰囲気の会場でおいしいお茶と共にお待ちしています。画像はトップが個展会場の様子、下が今回の画廊の外観、新作木口木版画を展示した壁面、赤門から見たキャンパス内のイチョウの黄葉。

 

      

 


167. 長島充 版画展 『日本の野鳥-The Birds of Japan-』 in 本郷 

2014-11-29 20:33:15 | 個展・グループ展

12月の版画個展のご案内です。

・展覧会名/ 長島充 版画展 『日本の野鳥-The Birds of Japan-』 in 本郷

・日程/ 2014年 12月4日(木)~12月13日(土) 12:00~20:00 (7日休廊、6日は18:00まで、13日は17:00まで)

・作家在廊日/ 12/4(木)、6(土)、8(月)、10(水)、11(木)、13(土)の14時過ぎより会場におります(但し10日は18時~)。

・内容/ バーダー(野鳥観察者)で版画家の作者がライフワークとして制作を続けている日本に生息する野鳥をテーマとした版画作品『日本の野鳥シリーズ』の新作・近作の展示。板目木版画、木口木版画、銅版画などさまざまな技法による版画作品約20点。

・場所/ ギャラリー愚怜 東京都文京区本郷5-28-1 地下鉄丸ノ内線、大江戸線、本郷三丁目下車徒歩5分。 Tel 03-5800-0806 http://gallerygray.aikotoba.jp 

・掲載誌/ 『野鳥』誌 12月号、『BIRDER』誌 12月号のインフォメーションページ、読売新聞12/2(火)夕刊 シティライフ展覧会案内(掲載予定)に作品画像と共に紹介されています。

道路を隔てて東大赤門斜め前にある、茶室のような落ち着いた雰囲気の画廊です。野鳥ファン、版画ファンのみなさん、この機会にぜひご来場ください。お待ちしております。トップ画像は今回のDM裏表。下は自分で制作した宣伝用のチラシ。

 

     

 


163. 第82回 版画展

2014-10-23 21:35:45 | 個展・グループ展

17日。 東京都美術館で開催中の日本版画協会主催による『第82回 版画展』を観に行ってきた。僕も会員として作品を出品している。

日本版画協会は1931年に発足した創作的版画の展示、普及を主旨とする美術団体で、発足当時は木版画作品が中心だったが、現在では銅版画、リトグラフ、シルクスクリーンなど版画表現全般の作家、作品を総合的に展示する美術団体となっている。

初めて出品したのは30年前のこと。当時は桜の季節の3月に審査があり、4月に展覧会だった。4-5点の額装をした重い版画を家から担いで都美術館地下の一般搬入口までえっちら、おっちら汗をかきかき運んで行った。それから美術公募団体の常でお偉い先生方の審査を受けて、作品の入落が決定する。そして運が良ければ受賞ということもある。おかげさまで今まで落選という経験はなかったが、発表があるまでは気が気ではなかった。都美術館の裏口掲示板に入選者の名前が貼り出されたので、毎年のように見に行った。この発表の時期には上野の山のソメイヨシノも満開の時期を過ぎ、パラパラと散り乱れている頃だった。同じ上野ということと、ちょうど季節が同じということもあり、なんだか芸大の受験と記憶の中で重なっていた。

その受験を繰り返し、準会員となって落選がなくなり、会員となって審査をされる側から審査をする側に変わり、いつもまにか30年も経ってしまったんだなぁ。出し始めた頃は1980年代でまだまだ現代版画の世界が元気な時代だった。1970年代のいわゆる『版画ブーム』のなごりもあった。技法を教わったベテランの版画家の人たちの中で、すでに他界されたり、さまざまな事情から退会されたり人も少なくない。その頃にくらべると若い人たちの作品は大型化し、技術的にも随分レベルが高くなってきている。会場を巡りつつ、多くの出品作を眺めながら、ちょうど真ん中にきたあたりで昔のことが頭の中でフィードバックしてきた。近頃、年齢のせいか懐古的になっていけない…5年後、10年後、さらに第100回記念展を開催する頃には、版画をとりまく時代と環境はどんなふうになっているんだろうか。考えてもしかたのないことに想いめぐらしつつ会場を後にした。画像はトップが展覧会場入り口。下が会場の中の展示のようすと東京都美術館正面入り口(展覧会は19日で終了しています)。

 

      


134. 『ワイルドライフアート展2014・日本の生きもの~その多様性』 ご来場ありがとうございました。

2014-03-03 21:31:44 | 個展・グループ展

2日午後。朝からあいにくの雨天だったが都内、新宿御苑インフォメーションセンター・アートギャラリーで開催中の『ワイルドライフアート展2014・日本の生きもの~その多様性』の最終日、作品搬出と会場の片づけをかねて行ってきた。

今回も日本ワイルドライフアート協会会員が全国各地から多くの力作を出品し、来場者もカウントできただけで2027人を記録した。やはりパブリック・スペースは入場者が多いなぁ。これも隣接する新宿御苑が人気の観光スポットになっているおかげということだろう。今日、画廊などで絵画や版画の個展を10日から2週間ほど開いても、けっこう入ったほうで500人は超えないのではないだろうか。僕たち絵を描く人間は、なるべく多くの人に鑑賞してもらわなければならない。まぁ、数を競うというわけではないのだけれど多く観てもらうに越したことはない。

僕は最終日にようやく参加できたが、今回出品の小さな木口木版画を随分長い時間丁寧に観ていた人や興味を持って直接質問をして来た方もいらっしゃった。他の出品者の作品をゆっくり見て回ると搬出の時間、恒例の集合写真を撮影後、手際よく搬出と会場の片づけを終了。展覧会責任者の挨拶の後、解散となった。会期中、ご来場いただいたみなさん、御世話になったセンター・スタッフの方々、展覧会担当者、各係となった会員のみなさん、ありがとうございました。この場をお借りして感謝いたします。画像はトップが会場を引き締めていたバード・カーヴィング作品「チゴハヤブサ」。下がユニークな「タコ」のペーパークラフト作品、新宿御苑の大木と雨の新宿門。

 

      


133. 『ワイルドライフアート展2014・日本の生きもの~その多様性』展 開催中です。 

2014-02-28 21:12:26 | 個展・グループ展

先月24日、「ワイルドライフアート展2014・日本の生きもの~その多様性」展の出品のため都内、新宿御苑インフォメーションセンター・アートギャラリーに搬入、展示に行ってきた。

毎年出品しているこの展覧会は「日本ワイルドライフアート協会 JAWLAS」主催による。この会はその名前のように野生生物の絵を描く人たちのグループである。メンバーは図鑑などの細密なイラストレーションを描くイラストレーター、絵本作家、画家、版画家等さまざまなジャンルで活躍する人たちで全国に100人以上の会員がいて、ベテランから若手まで年齢にも幅があるのが特徴だ。毎年、テーマを決めて展示しているのだが、今年のテーマは「日本の生きもの~その多様性」という内容で日本に生息する哺乳類、野鳥、爬虫類、魚類、昆虫などをモチーフとした作品で構成されている。

朝から作品を担いで少し早めに会場に到着した。会場担当のY女史に挨拶をすませ、取りあえず作品を置いて昼食に出た。御苑に近い新宿三丁目周辺は落ち着いた雰囲気でお店を探しながらゆっくり散策したくなるような街である。昼食を済ませて戻ってくると、この日は御苑が休みだというのに外国人観光客がセンターの中を覗いていた。ここは、海外のツーリストに人気のスポットになっているのだ。環境庁が管理する国営の施設なので一般の画廊のように自由には発表できないが、テーマを日本の自然環境に関係あるものとして選考会にパスすればグループなどで発表することができる。パブリックスペースであるために来場者は多く、1週間で1,000人単位の人たちに観てもらえるのも魅力の一つである。

会場で先に来ていた何人かのメンバーと世間話をしているうちに指定の時間となり次々に出品者が集合、地方の会員の作品は宅急便で続々と到着した。荷ほどきをしているのもつかの間、毎回常連で出品していて手馴れているメンバーがどんどん飾り付けをして行く。老若男女、平等に協力し合いあっと言う間に展示が完了した。広い会場に生き生きと描かれた日本の生物たちが並んだようすは見応えのある内容となった。僕は今回、日本に生息しているフクロウ類4種を肖像風に彫った小さな小さな木口木版画4点を出品した。

作業終了後は恒例の懇親会。これをとても楽しみに来る会員も多い。御苑に隣接するイタリアン・レストランでワインを飲みながら楽しい時間を過ごして解散となった。二次会に向かうグループもあったが、僕はここで失礼させていただいた。展覧会は3/2(日)まで。生物好き、アート好きのみなさん是非この機会にご高覧ください。画像はトップが展示途中の展覧会場。下が新宿御苑インフォメーションセンターの入り口、センタースタッフが御苑内の木の実などで作ったオブジェの展示物(今回の出品作品ではありません)、イタリアン・レストランのカウンター。

 

      

 

 

 


119.新潟の個展会場に行ってきました。 その2

2013-12-18 16:13:11 | 個展・グループ展

13日。新潟市の中心街の個展会場に立ち寄り、新潟市美術館で偶然開催中だった『ルドン展』を見終わると午後遅くなっていた。あわててタクシーを拾い新潟駅から次の個展会場である豊栄(とよさか)駅へと向かった。駅からさらにタクシーで約20分、閉館間際の公共施設『水の駅・ビュー福島潟』に到着。周囲は真っ暗である。事務所に寄って担当者のN氏とT館長に手短に挨拶を済ませ、この日は近くの宿へチェックインした。

翌14日。6時に起床。雪の降る中、橋を渡って福島潟の周回路を散策する。数多くの渡り鳥と出会えた(詳しい探鳥記は後日、別のブログに更新します)。一旦、宿に戻って朝食を済ませてからN氏、T館長との約束の時間に『水の駅・ビュー福島潟』へと向かう。昨晩は周囲が真っ暗だったので施設の全体像がおぼろげだったのだが、今日はその特異な姿が良く見える。カップ麺の容器のような頭でっかちのシルエット、スチール製のフレームに全面強化ガラス張りというものである。まるでアニメにでも登場しそうなイメージである。ポストモダン風建築というのだろうか、1997年に完成したこの建物は周囲の広大な湿地と干拓地の中でランドマークとして一際目立つ存在となっている。

事務所に入って、2人とお茶を飲みながら、施設のこと、この地域の自然や歴史のことなど多くの情報をお聞きする。T館長はさまざまなジャンルに知識がとても豊富で飽きることがない。しばらくしてから館内を上から案内してくれると言うので後にしたがった。まずは屋上からの絶景を見ようと最上階のドアを開けた。外は寒風が吹きチラホラと雪も降っている。2人共、ポケットに手を突っ込んで「寒い!」を連発していた。地元の人が寒いというのだからかなわない。こちらは関東地方とは質の違う身に染みる寒さに震えあがってしまった。「ベルビューッ!!」それにしてもここからの眺めは素晴らしい。『福島潟』のウェットランド(低湿地)が全貌を表し、東西には広大な米所、越後平野の干拓地が広がる。その平野を囲む遠景の雪化粧をした山並み。寒さも忘れてしばし見入ってしまった。

エレベーターで移動しながら順番に移動していく。明日の版画のワークショップの会場を下見してから(ワークショップの模様は次回のブログに更新します)福嶋潟の自然や生物の詳しい展示物を見ていく。館長の説明つきなのでとても解り易い。各フロアー内は徒歩で移動するのだが、この建築ちょうど巨大な巻貝の内部のような構造になっているので、周囲をグルグルと回っているような感じである。「お年寄りなどは目が回るようだという方もいらっしゃるんですよ」と、館長。ようやく個展会場『日本の野鳥-The Birds of JAPAN』に到着。50点の野鳥版画作品が整然と展示されていた。地元ギャラリストM氏の提案もあって中央のマガンの飛翔を主題とした大判木版画を中心に四季を追っての種類となるように並べられてる。これはグッド・アイディアだ。野鳥を知る人も知らない人も楽しめる展示内容となった。自然関係の公共施設での個展は今回が初めてではないが、なかなかしようと思ってもできるものではない環境で開催できたことにとても感謝している。担当のN氏、T館長、ギャラリストのM氏その他多くのスタッフの方々、ありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。 

展覧会は今月23日(月・祝)まで、1階ミュージアムショップでは今回出品の版画作品の中から数点を選び特別販売もしています。まだいらしてない新潟周辺のみなさん、この機会にぜひご高覧ください。詳細は『水の駅・ビュー福島潟』ホームページにてご確認ください。http://www.pavc.ne.jp/~hishikui/

画像はトップが『ビュー・福島潟』全景。下が屋上から見た福島潟、個展会場風景。

 

    

 


118.新潟の個展会場に行ってきました。 その1

2013-12-16 20:09:32 | 個展・グループ展

13日。新潟で開催中の2つの個展会場を訪れるため、朝から電車に乗って出かけた。

上野駅で乗り換えて新幹線の『MAX TOKI 新潟行』 に乗換えていざ、出発。最近の新幹線は速い速い、大宮、高崎と過ぎてどんどん北へ向かっていく。うっかりしていると昼食として買った駅弁を食べるタイミングをはずしてしまいそうな勢いだ。8時20分に千葉の自宅を出て、12時26分に新潟駅に到着した。ホームに降りるとひんやりとした空気。とても寒い!東京や千葉の寒さとはちょっと違う。大きな1羽のハシボソガラスがホームで出迎えてくれた。「密閉されたような駅の構内にどうやって入ってきたんだろう?不思議だ。

出口を出ていつものようにタクシーを拾う。ここから大きな信濃川を越えて、新潟の街の中心街まで15分ほどだろうか。画廊の近所で降ろしてもらう。会場となるKaede Galleryは昔ながらの町屋にある画廊で大通りから路地に入った静かな場所にある。ガラガラと木製の古い扉を開けるとストーブで温められた会場にオーナーのM氏が笑顔で出迎えてくれた。この会場での個展は2回目となる。築200年は過ぎているという古民家を再利用した会場は柱や床板が黒光りしていて、独特な雰囲気がある。普段は絵画や版画、陶芸などアート作品の個展意外に音楽の小コンサートも開いていると聞く。まずは中央のイスに座って世間話から始めた。

前回は野鳥をモチーフとした『日本の野鳥シリーズ』の版画作品を展示していただいたが、今回は『神話・伝説シリーズ』の幻想的な版画作品の展示である。麒麟や八咫烏をモチーフとした日本的な伝説の作品も中にはあるが、ほとんどが西洋的な神話・伝説の主題による作品だ。展示状況を見るまで少し心配していたが、これが予想外に会場の雰囲気にマッチしていて安心した。午後から用事があるというM氏が若い女性スタッフと交代してしばらくたった頃、冷えた体もすっかり温まり元気も出てきたので、同じ市内の新潟市美術館で開催中の『ルドン展』に足を延ばしてから次の個展会場に移動することにした。画像はトップが個展会場の中心から撮影した室内風景。下は版画作品展示のようす。

※展覧会は今月21日(土)まで。新潟方面の版画ファン、幻想ファンの方、ぜひこの機会にご高覧ください。

 

   

 

 


115. 『長島 充展 -神話と伝説-』 in 新潟

2013-12-06 21:54:38 | 個展・グループ展

明日から始まる新潟市での個展のご案内です。

・タイトル/ 『長島 充展 -神話と伝説-』

・内容/東西世界に分布する神話や伝説を主題とした版画作品25点を展示する。銅版画、木版画、木口木版画など、さまざまな版画技法で制作された幻想表現となっている。

・会期/2013年12月7日(土)-12月21日(土) 11:00am~6:00pm 水曜休廊

・会場/ Kaede Gallery + full moon 新潟市中央区東堀通 4-453 Tel 025-229-6792 http://www.kaede-g.com/

・入場料/無料

※前回ブログでご紹介した、同市内の公共施設 『水の駅 ビュー福島潟』で開催中の 『長島 充 版画展 -日本の野鳥- 』 とは一味違った表現の幻想的・長島ワールドをお楽しみください。2か所の個展を合わせて観て異なる表現を比較できる機会でもあります。新潟方面の美術」ファン、版画ファンの方々、ぜひご高覧ください。画像はトップが今回出品の大判木版画 『麒麟図・2012』、下が個展DM。

 

 

 

 

 


114.長島充 版画展 『日本の野鳥~The Birds in JAPAN~』 in 福島潟

2013-11-30 20:24:29 | 個展・グループ展

本日から始まった新潟市での個展のお知らせです。

・長島充 版画展 『日本の野鳥~The Birds in JAPAN~』 in 福島潟

・日時/11月30日(土)~12月23日(祝・月) 9:00~17:00(月曜休館、祝日の場合は翌日休館)

・内容/国の天然記念物に指定されているオオヒシクイの渡来地、福島潟が一望できる施設のギャラリースペースで開催。日本の野鳥をモチーフとした銅版画、木版画、木口木版画作品50点を展示する。

・入館料/一般400円、小中高生200円

・場所/水の駅『ビュー福島潟』 5階展示室 新潟県新潟市北区前新田乙493 tel:025-387-1491 http://www.pavc.ne.jp/~hishikui/event/index./html

・ワークショップ『消しゴム版画で彫ろう!福島潟こども版画教室』 日時/ 12月14日(土) 13:00~15:00 対象/小学生以上 先着20名(参加費500円)

・長島は12月14日(土)ワークショップに合わせて会場入りします。その他、施設内ショップにて野鳥版画作品の販売もしています。

※福島潟は新潟市北区内に広がる内陸水面、湿地で、カモ科の大型ガン類であるオオヒシクイ(Anser fabalis)の日本一の越冬地となっています。毎年5000羽を超えるオオヒシクイがロシアのカムチャッカ半島より冬鳥として渡来する他、現在までに220種以上の野性鳥類が確認されている野鳥の楽園です。『ビュー福島潟』はその湖畔にある観光、交流施設です。設計は国内外のルイヴィトン店舗外装や青森県立美術館を設計した青木純氏。そして現在の6代目、名誉館長は「知床旅情」で知られる歌手の加藤登紀子さんです。

新潟近郊の版画ファン、野鳥ファンのみなさん、是非この機会にバーダーでもある作者が野鳥たちに愛情をこめて制作した版画作品の数々をご高覧ください。画像はトップが今展出品の大判木版画 『輝く朝(マガン)』 下が個展情報を掲載したチラシとイギリスのカモ類図鑑から複写したオオヒシクイの図版。

 

   

 


112.東京・大阪の個展にご来場いただきありがとうございました。

2013-11-23 22:23:19 | 個展・グループ展

先月から続いた東京と大阪の個展も無事終了いたしました。

現在、来月から始まる2つの個展に向けて準備の真っ最中です。バタバタと日常に追われ、ご来場いただいたみなさんへのお礼がたいへん遅くなり失礼いたしました。東京銀座、青木画廊での絵画個展『伝説の翼』展、大阪高槻アートデアート・ビューでの版画個展『神話と伝説』展にご多忙の中ご来場いただいたみなさん、作品をご購入いただいたみなさん、展覧会関係者のみなさん、この場をお借りしてお礼申しあげます。会場ではさまざなな感想やご意見をいただき、また次回展への目標ができました。絵画、版画ともに少し見えてきたこともあり、少しづつですが内容も変化していくような気がしています。

また、しばらく地面の下にもぐって工房で引きこもりの制作が始まります。仕上げた作品をかかえて地上に出られた頃にまたお会いしましょう。その時はまたご意見、ご感想をお聞かせください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。画像はトップが東京、青木画廊絵画個展『伝説の翼』個展会場風景。下が大阪、アートデアート・ビュー版画個展『神話と伝説』個展会場風景。

 


110.長島充 版画展 『神話と伝説』 in 大阪  始まりました。

2013-11-12 16:16:19 | 個展・グループ展

10日(日)大阪府高槻市の画廊、アートデアート・ビューで始まった、『長島充 版画展 神話と伝説』のオープニングに行ってきた。東西世界の神話・伝説を主題にした連作版画作品、約30点の展示となっている。

朝、家を出て東京駅から新幹線に乗り京都駅で乗り換える。ここから20分弱で高槻駅に到着。チェックインにはまだ速いが今夜の宿であるホテルに荷物を預け、徒歩で画廊に向かう。アーケードや繁華街を抜けていくと、静かで落ち着いた雰囲気の地区となる。昭和の匂いがする民家がところどころに登場し、ちょっと嬉しくなってついカメラを向けてしまった。ゆっくり歩いて5分ほどで画廊に到着した。ここも古民家を改造した画廊なので玄関をくぐって声をかけると、なんだかひさびさに親戚の家を訪ねてきたような不思議な気分になってしまう。まだ午後速い時間帯なので、お客さんは来ていない。中からオーナーのSさんの明るい声が聞こえてきた。

2年前に『日本の野鳥』を主題とした連作版画の個展を開いていただいた。明るく親切なSオーナー夫妻が控えの小部屋から登場すると、まだ2回目なのになんだか懐かしく、ホッとしてしまった。前回は初日にアーティスト・トークを行ったが、今回はラフに作家を囲むお茶会をするという。画廊の中央のテーブルでそんな事前打ち合わせをしていると、ポツポツとお客さんが訪れ始めた。ほとんどがリピーターの方で絵を前にSさんとお話しできるのを楽しみに来ているようす。この地域のサロン的な役割も担っている空間になりつつあるようだ。

3時になりお茶会の時間となったころ、お客さんも次々と増えてきて京都方面から3人の画家仲間も駆けつけてくれた。前回に続き京都からお出でいただき3点の作品を購入される方もいた。多くの絵描きがそうであるように、人前で話すのは得意なほうではない。さて、どんな話題から話そうか…版画を始めた頃からの主題の変遷を話すことに決めた。20代後半からバブル経済を挟んで40代初めまで、世の中の豊かさとは裏腹に、社会への疑問が強く「反物資文明」をスローガンに人間風刺的なテーマを長く続けていたこと…40第後半から現在まで主題もアンチテーゼの強い内容から「共生」へと変化してきたことなどをトツトツと語った。質問も多く少し戸惑ったが、穏やかな雰囲気に助けられて無事終了。

会場で記念撮影を済ませ、二次回は有志で近くの海鮮飲み屋になだれ込む。画廊では話せなかったいろいろな話題が飛び交い、あっという間にお開きの時間。最後に残った5名と、Sさんお勧めのジャズのライブハウスに移動し三次会。残念ながらライブ演奏はちょうど終了したところだが、薄暗い照明の雰囲気のあるお店で歓談に花が咲く。高槻市は神戸市を抜いて全国で一番のジャズ・フェスの開催される町だということだ。今度はフェスに合わせて訪れてみたいなぁ。ここでほんとうにタイムオーバー。残った人たちと再会を約束する握手を交わし、一人宿へと戻った。展覧会は18日(月)まで、僕は会場にはいませんが、京阪神地域の版画ファン、アートファンのみなさま、この機会にぜひご高覧ください。画像はトップがお茶会のようす。下が個展会場のようすと昭和の匂いのする高槻の民家。