きのう、今日と秋晴れに恵まれている。きのうは久し振りに長井に出掛けた。黄金色の稲穂が輝いていた。収穫の喜びもつかの間、農家にとっては厳しい現実が待っている。JAから農家に渡される新米の前渡し金がコメ余りや豊作により、大幅に下落した。
JA全農山形によると、1等米60キロあたりで生産量が6割を占める「はえぬき」が前の年を2500円下回る8500円と過去最低の水準だという。
今朝の新聞で、もう一つ目を引いたのは、円安と株高である。ちょうど2年前今頃は、円高(1ドル80円前後)と株安(東証一部8000円割れ)で、日本経済が低迷していた。その後、安倍政権の大幅な経済政策の転換で、1ドルが100円前後、株価は1万4千円程度に回復した。きのうはこの数年間で1ドル109円の最安値、さらに株価は1万6321円の最高値だという。
新聞紙上では、日本経済が良くなってみんなの暮らしが良くなるような錯覚を与えてしまいがちである。現実は厳しい。昨年4月の消費税率UP(5→8%)、円安による輸入品の値上げ、ガソリン代の高騰がじわりじわりと庶民の生活を脅かしている。1年後の消費税のUP(10%)は、時間の問題となっている。
みちのく山形県や米沢を見渡すと、ほんの一握りの人(証券会社、銀行、生命保険)以外は、生活レベルは低下の一途を辿っている。コメ農家や年金生活者、地元の中小企業の従事者や最近急激に増加している若い世代の非正規雇用者、いずれの人達も県民のおそらく95%以上の人は生活が苦しくなっているのが現実である。
一人ひとりの国民の生活を第一に考えず、国が繁栄すればそのおこぼれで、国民の生活もよくなるという考え方に沿った政治を続ける限り、一握りの人達に富と豊かさが集中し、若い人達に生活不安がますます広がり、少子化問題は解消されないし、地方の再生も掛け声倒れになってしまう。
実りの秋の黄金色の稲穂を眺めて、ふと考えてしまった。
※ 上の写真:手前から米坂線の線路、斜平山のすそ野に広がる水田、
山の中腹に見えるのが笹野浄水場、高い山は胄山(かぶとやま)
午前中、愛宕小学校近くの「籍田の田んぼ」を自転車で見に行った。斜平山(なでらやま)を背景に稲穂が輝いていた。(2枚目の写真:遠くに見えるのは愛宕山)
上杉鷹山公がもし今の時代に現れたとしたら、何と言うことだろうか。