Pura Vida!

すきな音楽の事やガーデニングや家族の事など、日常の出来事を綴っています。

がんばれ!うつぶせ闘病記ー黄斑円孔 4

2007-12-24 | 外傷性黄斑円孔
** これは外傷性黄斑円孔と闘う高校生の記録です **

2007年8月27日(月)

 今日は、紹介をしてもらった慈○大の眼科部長の郡○先生に、ようやく診てもらえる日だ。
 OCTを撮るために先日受診した橋○医院では、週1回は当番医として診療されているそうである。
 橋○院長がおっしゃるには『無愛想なヤツだが腕は間違いないから。』との
ことである。確かに今日は外来が混んでいる。
 しかし総合の大学病院にもかかわらず、OCTがないなんて・・・。
 もし手術にでもなった際、大丈夫なのかな・・・と、思った。

 思っていたよりお若い先生。思っていたよりはるかに無愛想な先生。
 
 こういう先生は質問しづらいから苦手だ。
 患者本人の息子は『腕がよければいいよ・・・。』との事だけど・・。

 眼科の外来は、一度視力検査をしてから、その後瞳孔を開く目薬を点眼して20~30分後に再びよばれ診察する。結構時間がかかることがわかってきた。

 届いたらしいOCTを撮って結果をみながらの診察である。

 おや・・3日前に橋○眼科でみせてもらった黄斑部の写真より表面が離れているではないか・・。しろうとの私でも確認できるほど。わずか3日間であるというのに・・。
 そんな急激に変化していってしまうものなのか・・と、あせる。
 
 
 郡○医師によると、『前回は表面が点々と繋がっていた様子だが、今回は孔自体は幅が狭くなって変化をしてきているようだが確実にはなれてしまっている。
 年齢的に若いので孔が自然に閉じてくる場合もあるので、ステロイドの注射をして、来週まで様子を見て今後手術かどうか決定します。』

 注射を打ってもらうため処置室から出てきた息子の言葉
 『ものすごくこわいなんてもんじゃないよ~。目に注射するんだぜ~。あんな怖い経験はじめてだよ~。』あの我慢強い息子が言うんだから、大げさではなく相当恐ろしかったのだろう・・。見れば手が震えている。握ってやったら冷たかった。

 郡○医師の話によると、事故後一番はじめに受診した個人病院の医師は後輩であるが、そこで、このステロイドの注射をしていればすぐに治ったかもしれない。早い対応ほどいい。おそらく未経験でその処置が出来なかったのだろうと、おっしゃる。
 
 ・・・早い対応がいいのなら・・・最初にこの慈○大病院に行った日、紹介されたあなた(眼科部長の郡○医師)がいなくてOCTもなかった日に、久保川医師がかわりに診察をした際に、このステロイドの注射を打つことも可能だったのではないか・・・。と、思った。
 郡○医師の言葉に、そう言ってしまいたい衝動にかられたが、これから息子の目を執刀するかもしれない医師だ・・。あまり悪い印象を持たれたくなかったので黙っていた。

 孔が少しだが変化しているような様子も覗えるので、今後3ヶ月くらいの長期で経過を診ていくのがよいのではないかとの、言葉に、出来ることなら手術は避けたいと、息子の生命力を信じたい思いでいっぱいになる。


 息子の自覚症状は、
 線がゆがんで見える。 
 片方の目の視力が、急に低下したことにより遠近感がとれない。という状態らしい。

 この医師の話で強烈だった言葉は
 
 『もし手術をしても、若いと視力が治る可能性はないので、あまりやりたくない手術である。逆に手術のリスクのほうが大きいので、僕はやりたくないんだ』
 
 
 はたして・・やりたくない医師にそんなリスクの多い息子の手術をまかせていいのか・・・。
 あせり・・。不安・・。


 

 とどめは、息子が何気なくサッカーの練習をやっていいか質問した時の返答だった。

◎ボールスポーツはリスクを負う。陸上や水泳だったら、その意味ではリスクは少ないだろうからいいだろう。

◎今後ヘディングなどはもってのほかだ。

◎遠近感がない状態で、気を使いながらスポーツをしていて、君は楽しいのか?

◎プロだって片目が使えなくなったら引退する。ましてやアマチュアで高校生がリスクを負いながら、やる意味はない。

◎君が自分の人生だから、片目つぶしてもいいなら、やればいい。
 僕が決めることではない。君が決めればいい。



 今後サッカーは無理だろう・・・くらいの言葉で充分じゃないの?
 感じのいい先生とは思わなかったけど、そんなにストイックに言わなくても・・と、感じる。

 
 今後主治医になるかもしれない医師の、はじめの印象は、残念ながらあまりよいのもではなかった。
 しかし、技術の高い医師であるのなら、息子を助けてもらわなければならない・・・今後、この医師との関わり方を考えていかなくてなならないだろう・・・。
 

 今振り返ると、この頃が不安のピークである。
 息子の心情も、一番不安定。

 自分の目の状態にも不安を覚え、また好きで続けていたサッカーが出来なくなったというショックでかなり落ち込んでいた。
 
 親としてしてやれることはなんだろう・・・。
     私も悩んでいた。
                      つづく









がんばれ!うつぶせ闘病記ー黄斑円孔 3

2007-12-24 | 外傷性黄斑円孔
** これは外傷性黄斑円孔と闘う高校生の記録です **


2007年8月23日(木)
 
 『その後、目の具合どう?』と、私がたずねる。
  『やっぱり、左目の下半分がみえないや・・。』と、息子。

 今日は、個人病院からの紹介状を持って、慈○大病院の眼科に行く日である。

 予約の時間に伺うと、紹介された眼科部長先生はおらず、今日は久保川医師が診て下さるとの事。
 
 『今日はまだOCTが届いてないんですよ~。申し訳ありませんが、明日予約を入れてもらえますか?』

 結局、本日は、今まで行っていた個人病院と同じ検査で、視力検査や瞳孔を開いて目の奥を確認するということのみであった。
 病状の説明もほぼ同じ。

 個人病院の先生が確認してくれれば、すみそうなものだが・・・。

 まぁ・・・2人の医師が同じような診断を下したのだから、この病状は、ほぼ間違えはないものと思われる。

 網膜にあなが開き、目の奥の黄斑部というところが傷を負っているらしい・・・。

 しかし・・・ほんの一瞬で、これほどのケガを負うとは・・・
     目は本当にこわい・・・。

 今まで、サッカーを続けている次男に足のケガについては、充分に注意するように何度か話していたが、目のことは考えもつかなかった・・・。

 

 *** *** *** *** *** *** *** *** *** 

2007年8月24日(金)

 朝8時近く。
 予約していた慈○大病院から電話がかかってくる。
昨日診察した久米川医師からの電話だった。

 こんなに早い時間になんだろう・・。

 OCTの調子が悪いので、地元の橋○眼科にいくように言われた。
 その病院なら地元では評判のよい医院で、以前に名前だけは聞いたことがある。

 なにぶん当日の事で、紹介状がないので以下の説明をして受診するようにとの事。

 「本日、いきちがいで紹介状を持ってこれなかったのですが、慈○大病院・眼科の久米川先生からのご紹介で、外傷性黄斑円孔の疑いがあるのでOCTを撮って頂きたい。その断面写真を持って、8/27(月)に郡○先生にお見せするように言われた。」と、受付に説明するようにとの事。

 もちろん、そのように説明はするつもりだが、そのように病院側の理由であるのなら、医師からその医院に連絡を入れてもらうのがすじであろうと思い、依頼し、昨日の診察内容について、いくつか質問させてもらう。

 久米川医師いわく
 『場所があんまりよくないんですよ・・・。』
  
 この黄斑円孔という病状は、自然治癒するケースも多いが、孔の程度となかなかふさがってこない場合は手術する可能性がある との事。


 やれやれ・・今度はOCTの具合が悪いとは・・。

 結局、何か不都合があった場合にと久米川医師のPHS番号をもらい、支度をして息子と、ご紹介頂いた橋○眼科へ行く事になった。


 
 橋○眼科はものすごく混んでいて、閉口気味。
 月曜と金曜は医者は混むもんだ・・と、不機嫌な息子をたしなめる。

 機嫌が悪くなるのも無理もない・・・連日、慣れない目の検査で瞳孔を開かれっぱなしで、検査後はしばらく眩しくてチカチカしてばかりいる。
 それに毎日違う医師で、同じ説明を受けなければならないし。

 ここの眼科は、ただOCT撮影だけに来ただけだ・・・。


 最近、通院が終わると、二人で美味しいランチを食べて帰宅するのが日課。
 『しょぼくれてないで、何でも好きなもの食べてかえろ。』と、話しかけたことがきっかけで、『やり~!』と、息子の顔が明るくなったから。実際、嬉しそうに食べてる姿をみるとホッとする。『怪我して、ちょ~ラッキーじゃん!』との事。
 結構、親にも気を使っているのだ・・・。


 橋○医師は、白衣も着ないで言葉も医師のイメージとは程とおい方だった。
 そのフランクさが人気の秘訣なのかもしれないが、

 『おまえも運が悪いよな~。ついてないよな~。もう2~3センチずれていたら、なんとかなったのになぁ~。』とのストレートのお言葉に、親の私は、ピリピリしていましたよ。
 私は、今まで眼科の医師で尊敬出来そうな先生に出会った事はない。
 息子は、なんだあれ・・という感じで爆笑していましたが・・。


 診察室のパソコンで、OCT映像をみせてもらう。
 
 まるで月の写真のような眼球の写真と、緑色に写った黄班部の拡大写真。
 確かに・・。さけて穴が開いている。
                    つづく