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投資法・投資先

2016年01月28日 22時49分20秒 | 学習支援・研究
宝くじで7億円を当てた86人に贈りたい具体的なアドバイス。
(中嶋よしふみ SCOL編集長 FP)
シェアーズカフェ・オンライン
1月12日(火)5時35分配信

7億円が当たったら何をする……?
昨年の年末ジャンボ宝くじでは、
一等が7億円、前後賞が1.5億円でした。
一等の当せん者数は86人ですから、
グループで購入した場合などを除けば
86人の億万長者が生まれたことになります。
前後賞も合わせれば億万長者はもっと増えると思います。


写真:大金を手にしたらどうする?

高額当せん金の受け取りには
ある程度の時間がかかりますので、
受け取りはこれから、もしかしたら
今日や明日という方も
いらっしゃるかもしれません。
その86人だけに向けたアドバイスをしたいと思います。

具体的なアドバイスをします。
当選おめでとうございます。
急な大金を手に入れてしまい、
きっと驚きと喜びで浮足立っていることと思います。
まずは高額当選者に配られる
「【その日】から読む本」を
10回位繰り返し読むことをオススメします。

この本には突然の大金を手にした人がやるべきこと、
やるべきではないことが丁寧に説明されています。
当選した事を誰に知らせるか
(あるいは知らせないか)、
ローンの返済を優先する、当選したからと言って
自分自身が変わるわけでは無い、
将来必要なお金を計画的に考えましょうなど、
ファイナンシャルプランナーの立場から
見ても納得する事ばかりです。

派手な使い方をすると
周囲に当選が知られてたかられてしまう、
といった程度の情報は
すでにインターネットで検索してご存知かと思いますので、
より具体的なアドバイスをしたいと思います。

お金を手にした人が最初に考えること。
大金を持った人がまず考えることは、
何か運用をしなくちゃ、ということです。
自分はファイナンシャルプランナーとして、
そういった相談に何度も乗って来ました。
宝くじで当選したという人は居ませんでしたが、
相続やIPO(株式の新規上場)などで
大金を手にした方々です。

そういった方が考える大きな使い道は、
消費よりも先に投資のようでした。
特に不動産投資は最初に思いつく運用方法です。
理由は不動産投資に詳しいからでは無く、
安定して収益を得られそうだから、
ということでした。

不動産投資は「安定」しているか?
確かに、株式投資は日々株価が上下しますので危なそうです。
不動産投資はアパートやマンションを買って
人に貸せば毎月安定して賃料を得られますので、
株より安全に見えます。

もしこんな風に考えているようでしたら、
不動産投資は少なくとも1年以上先伸ばし
することをお勧めします。
資産運用の原理原則を何も知らないからです。
失礼な言い方になりますがカモにされて終わり、
と断言します。大金が有るから
使っちゃえという人よりは手堅いとは思いますが、
ハッキリ言って危険です。

不動産投資は物件ごとの違いが極めて大きく、
立地・建物・税金など多岐にわたる知識が必要な、
資産運用の中でも極めて高度で難易度の高い運用方法です。

例えば「不動産投資は安定して収益を得られる」
という言い方一つとっても
多数の勘違いが含まれています。

確かに、株価は毎日変動します。
取引時間中の10時から15時は
お昼休みを除いて秒単位で株価が動きます。
ただ、株価が変わるということは
売買が成立していることも同時に意味します。
売買が成立しているということは
失敗したと思ったらいつでも売れる、
ということです。

大手企業の株であれば1日の株の取引額は
数百億円分にのぼる事は珍しくありませんから、
いつでも売れます。売ろうと思えば
いつでも売れる、換金できるということは
資産運用では儲かるかどうかより
重要なポイントです
(売買の少ない小型株は
その限りではありませんので注意して下さい)。

例えばアパートを一棟建てれば
数千万円から数億円の資金がかかりますが、
失敗したと思った時にすぐには売れません。
投資に失敗したアパートをあなたが望む価格で
都合の良いタイミングですぐに買ってくれる
お人よしな人は普通は居ないからです。

失敗したと思ったら、と書きましたが、
この判断も不動産投資では簡単ではありません。
株ならば大幅な下落で損をしたことは
すぐに分かります(下落時にすぐに
売るべきかどうかはまた別の判断ですが)。
不動産投資では入居者が一人減り、二人減り、
新しい入居者は現れず、賃料を下げても入居者が付かず、
失敗したと思った時には買い手も付かない
ゴミ物件になってしまい、
手遅れになっているかもしれません。

いや、家賃保証がある! 
この不動産会社はいくらの家賃で
ずっと借り上げてくれると約束してくれる! 
と正月休みを利用してちょっと
ネットで調べた方もいらっしゃるかもしれませんが、
保障の期間や、その不動産会社が
破たんした時にどうなるかまで調べれば、
家賃保証は気休め程度にしかならないことは
すぐに分かると思います(まだ信じられない方は
「1億円の借金で賃貸アパートを建てた老夫婦の苦悩」
という記事を読んでみて下さい)。

株式投資は「やるべき」なのか?
株ならいつでも売って逃げられるなら安心なのか、
じゃあやってみよう、と思ったら、
それも辞めて下さい。投資家の陥る心理を
一度でも味わった事の無い人が
いきなり多額の株を買うのは危険です。

確かにいつでも売買できる、
つまり流動性が高い事は安心材料ですが、
株価が下がった時の心理は実際に体験をしてみないと
分からないものです。
例えば1,000万円で買った株が10%値下がりして
900万円になったとします。
これは失敗だからもう売ってしまおう、
と躊躇なく判断出来る人は
投資家向きです。たとえ
その後株価が元に戻って結果的に
間違った判断だったとしても、
失敗を素直に認めることができる
落ち着いた心理状況は
だれもが持つことは出来ないからです。

普通の人ならば、100万円も損をしてしまった時に、
何とか元に戻ってくれないかと祈るような気持ちになります。
それで元に戻ればいいのですが、
更に損失は広がり、200万円、300万円と
損をしてもまだ判断が出来ません。
これは一時的な値下がりだから大丈夫と
自信を持って言えるならまだしも
(こういう判断もそれはそれで危ないのですが)、
株価に一喜一憂しながら損失を、
つまり失敗を認めたくない気持ちが売却を
踏みとどまらせるような人は珍しくありません。
そして最後には塩漬けと言って、
何もできずに長期間放置することになります。

これがお小遣いの範囲ならば構いませんが、
数百万、数千万といった損失ならば
泣くに泣けません。
個別の株を買いたいという方に
自分は次の質問をします。

決算書の読み方を知っていますか?
知らないのなら辞めておいた方が無難です。
確かに運良く儲かる事はありますが、
それならギャンブルで十分です。
決算書が読めるかどうかが入り口なんて
随分高いハードルだと思うかもしれませんが、
株式市場はプロアマ関係無く戦う場所です。
アマチュアだからという言い訳が通じない場所である事を
まずは理解して下さい。

投資信託に決算書の知識は不要ですが、
先ほど説明した損をした時の投資家心理からは
逃げようがありません。
リスクの高い資産運用はやりたい人だけがやるものです。
老後が心配だからやらないといけない、
と考えている人も居たりはするのですが、
仕方なくやるようなものではありません。

自分で判断せずに信頼できる
アドバイザーを探せばいいと思う人もいるかもしれませんが、
その人が信頼出来るかどうか、
判断は出来ますか? 個別・具体的な
アドバイスは国の許可を貰った人しかできませんが、
そういった人や企業ですら
法律違反で度々業務停止命令を受けています。

有名人がCMやイベントに出ているとか、
信頼の出来る新聞や雑誌に
広告が出ていることは何の保証にもなりません。
当然、損をしても自己責任ですから
違法行為があってもほとんどのケースで戻ってきません。
違法行為の有無にかかわらず、
誰かにお任せしておけば
安心してお金が増えるという発想が
すでに危ないと考えて下さい。

金融機関以外の投資について
株も不動産も危なそうだから
信頼できる人にお金を預けたい、
という場合はさらに注意して下さい。
投資サギが待ち構えています。
投資サギの説明をするとそれだけで
本が一冊かけてしまうほど
ややこしい話になりますので、
一個だけ投資サギに99.9%遭わない方法を
アドバイスします。それは
真っ当な金融機関以外で投資をしないことです。

真っ当な金融機関とは国内で営業する証券会社、
銀行、保険会社、信託銀行などです。
金融機関で投資をすれば、損をする事はあっても
サギに逢うことはまずありません。
100%としなかったのは、たまに職員による横領とか、
違法な説明による損失で
裁判沙汰になっている事があるからです。

国内と限定した理由は、海外の金融機関は
日本での営業許可を取っていないケースもあり、
加えてあいだに入るアドバイザー・ブローカーが
信頼できるとは限らないからです。
英語がペラペラで海外の金融機関と
直接やり取り出来て(そうでないと
トラブル発生時やブローカーが逃げた時に
身動きが取れなくなります)、
なおかつ関係する法律も自身で完全に
理解できる人でなければ全くお勧めしません。

国内の金融機関や金融商品は幾重にもわたって
トラブルが起きないように
法律やルールが整備されています。
金融機関以外での投資は、
そういったルールが一切無い荒海に
お金を放り込む行為と同じです。
これは親族や知人が行う事業への投資や融資も含みます。
こういった法律やルールの範囲外にあるモノへ投資をすれば、
お金を投じた翌日には
持ち逃げされる可能性すらあるわけです。

投資サギなんて別世界の話と思うかもしれませんが、
数億円とか数十億円単位の投資サギは全く珍しくありません。
投資サギに引っかかる多くの人が株や不動産より
コッチの方がもうかる、と
無知な状態で思い込んでいるわけです。

ファイナシャルプランナーとしては、
その投資判断をする前に
数万円のアドバイス料を払ってくれれば
数百万円とか数千万円の損を防げるのに……と、
投資サギを報じるニュースを見るたびに
思ってしまいます。

ちなみに金融機関以外での投資は辞めた方が良い、
というアドバイスは
これ一つで日本国内の投資サギ被害を
ほぼゼロに出来るほど強力なアドバイスです。
身近に危なっかしい投資をしようとしている人がいたら、
ぜひ教えてあげて下さい。

じゃあ結局どうすればいいの?
さて、じゃあ結局どうすれば良いのよ?
と思ったかもしれませんが、リスクのある運用は
一旦踏みとどまってください、というのが結論です。
7億円もあれば一生遊んで暮らせます。
その状態でリスクをとる必要はありません。
本当のお金持ちはまず節税、そして
資産を守る事を考えると言いますが、
それは間違っていません。宝くじの当せん金に
税金はかかりませんから、
資産を守る運用だけを考えれば十分です。

銀行預金はペイオフと言って、
銀行破綻時に1,000万円とその利息以上は
必ずしも補償されませんので、
多額の預貯金は分散する必要があります。
ただ、7億円を1,000万円以下に分散預金するには
70行に分けることになりますので、
さすがに面倒です。そういった時に
便利な商品が「個人向け国債」です。

個人向け国債ならば、元本保証がされるうえに、
株や投資信託などと同様、分別管理といって
金融機関の資産とは明確に区分して管理されます。
銀行預金は銀行への貸し付けですから破たん時に
影響を受けるわけです。分別管理されていれば
破たん時にも原則として影響は受けません。
ですから銀行や証券会社一社に
1億円分預けても問題ないわけです。

原則として影響を受けない、
という言い方に引っかかりを感じた方は
慎重派の方です。これは
法律通りに管理されていれば、
ということですから何か違法行為があれば
損失を被る可能性があります。
その場合は投資者保護基金で1,000万円までしか補償されませんので、
心配な方はやはり分散しておいた方が良いかも知れません。

円というリスク。
個人向け国債と言ってぴんと来ない人も
いると思います。日本は
借金だらけなのに国の債券なんて大丈夫なのか?と。
この心配はもっともだと思います。
ただ、国内で一番安全な資産は自国の債券、
つまり国債です。国より
つぶれにくい団体や企業は無いからです。

加えて、元本保証タイプの運用である銀行預金や
終身保険などは結局
金融機関を通じて国債を買っています。
国債で損をする時は預金でも保険でも
とっくに大損をしているはずです。
結局、国債ですら信用できない人は
円建て以外の資産、つまり
外貨を持ちましょう、ということになります。

外貨を持つこと自体は間違っていません。
すべての資産を円で保有する事もまたリスクです。
円安や急激なインフレに対応出来ないからです。
ただ、外貨預金は先ほど説明したように金融機関への貸し付けで、
預金保護の対象にもならないので
あまりお勧めしません。詳細は省きますが、
外貨も投資信託などで持つ事をお勧めします。

7億円でも70万円でも同じです。
派手な運用方法のアドバイスを期待した方には
申し訳ないですが、このように見ていくと
7億円だろうと700万円だろうと
70万円だろうと、運用の原則は全くと言っていいほど
変わりません。ハイリスクの運用は
しなければいけないモノではなく、
大金を持ったからと言って
有利な運用が出来るわけでもなく、
誰かが特別に有利な情報を教えてくれるわけでもありません
(俺は金持ちなんだという気分でいると
かえって危ない、ということは
最後に伝えておきます)。

資産運用は数百億とか数千億が飛び交う世界です。
例えば東京証券取引所だけでも
1日で3兆円以上も株が売買されています。
7億円は金融の世界ではハシタ金なのです。

何か特別な運用をやろうと思っている方は、
7億円もあればもう十分金持ちじゃないかと考え直して下さい。
1億円分くらいこっそりと遊ぶお金に使ったら、
あとは手堅く運用して健康にだけは気を付けて
生活をしてほしいと思います。

中嶋よしふみ 
シェアーズカフェ・オンライン編集長 
ファイナンシャルプランナー


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160112-00010000-scafe-bus_all&p=1

27日(水)5の授業

2016年01月28日 00時11分01秒 | SIUの授業
簿記・会計

本日が年間の最終講義でした。
30回目の授業でした。
来週水曜日(2月3日)が本試験です。

授業では試験の出題について、
やっておくべき箇所を指示しました。
仕訳中心の試験問題ですが、
商品有高帳と勘定転記も出題します。