あなたの話に人を惹きつける7つの方法
12月21日 08:20
プレジデントオンライン
(プレジデントオンライン)
PRESIDENT Online スペシャル 掲載
■話に人を惹きつけておくポイント7
人前で話すことは、大勢の前ではもちろんのこと、
たとえ少人数でも緊張を伴うことが多いものだ。
言葉の限りをつくして話すものの……、
相手はこちらの思いなどどこ吹く風でうわの空。
聞いていないな、と思うこともあるかもしれない。
話の名手たちには、各々に独自のコツがあるものだ。
どれが絶対ということはないが、
共通したポイントも見受けられる。
話し上手な人やプレゼンが得意な人でも、
必ず多くの練習を重ね、
日々研鑚を積んで話に臨むことはご存知だろう。
そしていざ本番になったとき、
プレゼン上手とされるサイモン・シネックは、
次の7つのことを大切にしているという。
まずは「登場したら一呼吸置くこと」。
すぐに話を始めれば、
ピリピリした緊張感が伝わってしまうからだ。
人前にゆっくり出たら、深呼吸。
話しやすい場所を見つけ、少し間を置いて話し出す。
最初に話し出すまでの間を気まずく感じたとしても、
相手にとっては、余裕と自信があるように見えるものだ。
そして、この連載で以前お伝えした聴衆と
“同調ムード”をつくり上げることも必要だろう。
聞き手を味方につけることで、
あとの話はほぼ好意的に受け入れてもらえるからだ。
心理学にアッシュの同調実験というものがある。
長さの異なる棒3本の中で、
どれが長いかを7人に問うものだ。
本当の被験者はXひとりだけ。
他の6人はサクラで、わざと間違えた答えを言う。
全員が「A」と言うと、どう見ても「B」が長くても、
Xは「A」と答えてしまう確率が圧倒的に高くなる。
つまり、人は影響を受けやすく周りに同調してしまうのだ。
同様に、全体的な雰囲気が好意的なムードに包まれれば、
多くの場合その話し手も内容も好意的に受け入れられやすくなる。
受け入れてもらうために、くだけた話題から入ることは
よくあるだろう。たとえば
昨日の野球の結果を持ち出して、
「負けましたね」「勝ちました!」と切り出すことは
リスクを含む可能性がある。
相手が勝ち負けで気分を害するかもしれないからだ。
それよりも自分をネタに笑いを取るなど、
誰の気分も害さないようにするほうが好ましい。
ユーモアでなくとも、リラックスできるような誰も
悪い気にならない話題から入り、
聞き手を味方にするほうが賢明だろう。
次に「与えること」だ。
売りこみたい、コンペに勝ちたい、
自分の考えをすばらしいと思ってほしい……。
そう思って話し始めたとたんに、
聞き手は話への興味を失いがちになる。
誰もが、自分から何かを搾取しようすることには敏感に反応し、
その瞬間に聞き手は離れていく。それよりも、
相手が刺激を受けたり新しい情報を得たりと、
何かしらのメリットを感じるような話を“与える”ほうが、
ずっと人を話に引き付けておけるだろう。
自分に役立つと感じること、
新しい情報が得られることから、
その先にあるプレゼンの目的が達成できるのだ。
さらに「この話は自分のためにされている」
と感じてもらうためには、
次のことが必要になる。
■「人に向かって話す」ではなく「人と話す」
ひとりひとりの目をみる(ように見える)ことは、
相手を引き付けるために重要だ。
全体を見渡し、ボスと部下がやってきたなら
部下の目だって見たほうがいい。
たとえ決定権を持っていなくとも、
聞き手を大切にすることでいい方向に作用することだってある。
「人“に”向かって話しているのではなく、
人“と”話しているという意識をもつこと」は、
聞き手との間の壁を取り払い、
柔軟に話を受け入れてもらいやすくなるものだ。
そして、多くの人が緊張したときになりがちな
“早口”に気を付けたい。
聞き手が話の内容を理解しようとしているとき、
早口ではついていけなくなり、
やがて迷いだすと簡単に背を向けてしまう。
むしろ、しばらく間をおいて
深く長く呼吸をするほうがいい。
「1語ずつ 間を置いて 話をしても、
聞き手は 不思議と 待ってくれるもの」なのだ。
こうして複数の人、特に大勢を前に話をすると、
中には横に首を振り続けたり、
怪訝な顔をしたりする人が出てくるかもしれない。
そんな、多くの人にとって
一番難しい相手を克服するのは、こんな方法だ。
■「ノー」という人物に対処する方法
聞き手の中に「ノー」を見つけたとき一番いい方法は、
その人物を視界から外すことにつきる。
そんな人にとらわれずに、
誰かしら好意的な人物を会場内の3カ所に見つけて、
その人たちだけを見るほうが
ずっと有意義に働くだろう。
うなずいてくれる人を見るにつれて自然と
自分の話に自信が持てるようになり、
リラックスした雰囲気を醸し出せるようになる。
同調したムードをつくるために、
自分のペースを乱されないように心がけたい。
そして、相手が少人数で近くにいるなら、
一度話題をそらしてみるのも手となる。
「ノーという人物を説得することから始めるよりも、
イエスの人たちを見ているほうが
ずっといい雰囲気で話ができるだろう」
さらには緊張をワクワクと高揚した気持ちに
変えて力にすること。そのためには、
「よしいける」と声に出してみるだけでも、
驚くほどのパワーが出る。
スポーツ選手が試合の前に大きな声で掛け声をかけるのが、
この原理によるものだ。そして、
以前に紹介したように体を大きく開くだけでも、
自信がみなぎる物質が出ることは証明されている。
こうした一連の行為は一見簡単なことながら、
プレゼンをするとき、話をするときに
見直してみるだけで、大きく人を惹きつける効果が
生まれるもの。まとめてみると以下のような内容になる。
1.すぐに話さない
2.聞き手のメリットになる話をする
3.ひとりひとりとアイコンタクト
4.とにかくゆっくり話す
5.「ノー」という人を気にしない
6.緊張をワクワク感に変える
とても簡単なことばかりだが、
いざ話し始めると
なかなか思うようにはいかないものだ。
そして最後に大切なのは……、
7.「(ご清聴)ありがとうございました」
の言葉だ。
ジョブズもThank you very very much.(本当にありがとう)、
Thank you so much.
(心からありがとうございます)といった
最上級のThank youを最後の言葉としている。
拍手をもらったら、それに応えること。
もらった時間にお礼をすること。
感謝を示し相手を尊重すること。
これだけのことが最後の印象を整えて、
そこまでの話をさらに底上げしてくれるものだ。
[脚注・参考資料]
Entrepreneur, 7 Powerful Public Speaking Tips From One of the Most-Watched TED Talks Speakers
(上野陽子=文)
http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_16986.html
12月21日 08:20
プレジデントオンライン
(プレジデントオンライン)
PRESIDENT Online スペシャル 掲載
■話に人を惹きつけておくポイント7
人前で話すことは、大勢の前ではもちろんのこと、
たとえ少人数でも緊張を伴うことが多いものだ。
言葉の限りをつくして話すものの……、
相手はこちらの思いなどどこ吹く風でうわの空。
聞いていないな、と思うこともあるかもしれない。
話の名手たちには、各々に独自のコツがあるものだ。
どれが絶対ということはないが、
共通したポイントも見受けられる。
話し上手な人やプレゼンが得意な人でも、
必ず多くの練習を重ね、
日々研鑚を積んで話に臨むことはご存知だろう。
そしていざ本番になったとき、
プレゼン上手とされるサイモン・シネックは、
次の7つのことを大切にしているという。
まずは「登場したら一呼吸置くこと」。
すぐに話を始めれば、
ピリピリした緊張感が伝わってしまうからだ。
人前にゆっくり出たら、深呼吸。
話しやすい場所を見つけ、少し間を置いて話し出す。
最初に話し出すまでの間を気まずく感じたとしても、
相手にとっては、余裕と自信があるように見えるものだ。
そして、この連載で以前お伝えした聴衆と
“同調ムード”をつくり上げることも必要だろう。
聞き手を味方につけることで、
あとの話はほぼ好意的に受け入れてもらえるからだ。
心理学にアッシュの同調実験というものがある。
長さの異なる棒3本の中で、
どれが長いかを7人に問うものだ。
本当の被験者はXひとりだけ。
他の6人はサクラで、わざと間違えた答えを言う。
全員が「A」と言うと、どう見ても「B」が長くても、
Xは「A」と答えてしまう確率が圧倒的に高くなる。
つまり、人は影響を受けやすく周りに同調してしまうのだ。
同様に、全体的な雰囲気が好意的なムードに包まれれば、
多くの場合その話し手も内容も好意的に受け入れられやすくなる。
受け入れてもらうために、くだけた話題から入ることは
よくあるだろう。たとえば
昨日の野球の結果を持ち出して、
「負けましたね」「勝ちました!」と切り出すことは
リスクを含む可能性がある。
相手が勝ち負けで気分を害するかもしれないからだ。
それよりも自分をネタに笑いを取るなど、
誰の気分も害さないようにするほうが好ましい。
ユーモアでなくとも、リラックスできるような誰も
悪い気にならない話題から入り、
聞き手を味方にするほうが賢明だろう。
次に「与えること」だ。
売りこみたい、コンペに勝ちたい、
自分の考えをすばらしいと思ってほしい……。
そう思って話し始めたとたんに、
聞き手は話への興味を失いがちになる。
誰もが、自分から何かを搾取しようすることには敏感に反応し、
その瞬間に聞き手は離れていく。それよりも、
相手が刺激を受けたり新しい情報を得たりと、
何かしらのメリットを感じるような話を“与える”ほうが、
ずっと人を話に引き付けておけるだろう。
自分に役立つと感じること、
新しい情報が得られることから、
その先にあるプレゼンの目的が達成できるのだ。
さらに「この話は自分のためにされている」
と感じてもらうためには、
次のことが必要になる。
■「人に向かって話す」ではなく「人と話す」
ひとりひとりの目をみる(ように見える)ことは、
相手を引き付けるために重要だ。
全体を見渡し、ボスと部下がやってきたなら
部下の目だって見たほうがいい。
たとえ決定権を持っていなくとも、
聞き手を大切にすることでいい方向に作用することだってある。
「人“に”向かって話しているのではなく、
人“と”話しているという意識をもつこと」は、
聞き手との間の壁を取り払い、
柔軟に話を受け入れてもらいやすくなるものだ。
そして、多くの人が緊張したときになりがちな
“早口”に気を付けたい。
聞き手が話の内容を理解しようとしているとき、
早口ではついていけなくなり、
やがて迷いだすと簡単に背を向けてしまう。
むしろ、しばらく間をおいて
深く長く呼吸をするほうがいい。
「1語ずつ 間を置いて 話をしても、
聞き手は 不思議と 待ってくれるもの」なのだ。
こうして複数の人、特に大勢を前に話をすると、
中には横に首を振り続けたり、
怪訝な顔をしたりする人が出てくるかもしれない。
そんな、多くの人にとって
一番難しい相手を克服するのは、こんな方法だ。
■「ノー」という人物に対処する方法
聞き手の中に「ノー」を見つけたとき一番いい方法は、
その人物を視界から外すことにつきる。
そんな人にとらわれずに、
誰かしら好意的な人物を会場内の3カ所に見つけて、
その人たちだけを見るほうが
ずっと有意義に働くだろう。
うなずいてくれる人を見るにつれて自然と
自分の話に自信が持てるようになり、
リラックスした雰囲気を醸し出せるようになる。
同調したムードをつくるために、
自分のペースを乱されないように心がけたい。
そして、相手が少人数で近くにいるなら、
一度話題をそらしてみるのも手となる。
「ノーという人物を説得することから始めるよりも、
イエスの人たちを見ているほうが
ずっといい雰囲気で話ができるだろう」
さらには緊張をワクワクと高揚した気持ちに
変えて力にすること。そのためには、
「よしいける」と声に出してみるだけでも、
驚くほどのパワーが出る。
スポーツ選手が試合の前に大きな声で掛け声をかけるのが、
この原理によるものだ。そして、
以前に紹介したように体を大きく開くだけでも、
自信がみなぎる物質が出ることは証明されている。
こうした一連の行為は一見簡単なことながら、
プレゼンをするとき、話をするときに
見直してみるだけで、大きく人を惹きつける効果が
生まれるもの。まとめてみると以下のような内容になる。
1.すぐに話さない
2.聞き手のメリットになる話をする
3.ひとりひとりとアイコンタクト
4.とにかくゆっくり話す
5.「ノー」という人を気にしない
6.緊張をワクワク感に変える
とても簡単なことばかりだが、
いざ話し始めると
なかなか思うようにはいかないものだ。
そして最後に大切なのは……、
7.「(ご清聴)ありがとうございました」
の言葉だ。
ジョブズもThank you very very much.(本当にありがとう)、
Thank you so much.
(心からありがとうございます)といった
最上級のThank youを最後の言葉としている。
拍手をもらったら、それに応えること。
もらった時間にお礼をすること。
感謝を示し相手を尊重すること。
これだけのことが最後の印象を整えて、
そこまでの話をさらに底上げしてくれるものだ。
[脚注・参考資料]
Entrepreneur, 7 Powerful Public Speaking Tips From One of the Most-Watched TED Talks Speakers
(上野陽子=文)
http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_16986.html