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戦略的人脈づくり

2015年11月07日 10時43分16秒 | 学習支援・研究
“人脈”づくりは、どうなりたいかで付き合う人を見極めよ
10月20日 16:21
プレジデントオンライン


“人脈”づくりは、どうなりたいかで付き合う人を見極めよ
(プレジデントオンライン)
PRESIDENT 2015年2月16日号 掲載


必要とされる能力、やらなくてはいけないとわかっていても、
日々の仕事に追われて学べない。そんな人に、
識者の勉強法を公開。

どうなりたいかで付き合う人を見極める
コミュニケーションは相手の話を聞いて理解するだけでなく、
それに見合ったリアクションを起こして成立するものだが、
人脈も似たところがある。
単に面識があるというだけでは意味がない。
自分のために動いてくれる人こそ人脈であり、
その人数を増やしていくのが人脈づくりといえるだろう。

では、人脈をつくるにはどうすればいいのか。
大前提になるのは、自分の未来に明確なビジョンを持つことだ。
10年後の自分はどのようになっていたいか。
3年後でも構わない。まずはなりたい自分を考え、
それを実現するために必要な人物を見つけて味方にする。
出会った人が偶然、自分の人生に深く関わるケースも稀にあるが、
人脈は自分で戦略的に構築するものだと私は考えている。

たとえば、銀行マンが将来は頭取を目指そうと思うなら、
財務省の役人と知己を得ておくのが得策だろうし、
起業したいなら、そのビジネスに関わる人を味方にしておきたい。
志の高い同期と仲間になるといい場合もあるだろうし、
仕事とは無関係の大手企業の役員にかわいがってもらうことが
将来に結びつくこともあるはずだ。

下心を持って交友関係を持つことに抵抗を感じるかもしれないが、
誰しも与えられた時間には限りがある。
その中で人脈を構築するにはしたたかさも必要なのだ。

では、自分の未来に有益な人物はどのように見つけるのか。
社外の場合、月に1度ぐらいの頻度で、
もらった名刺を見直して、自分にとっての
キーパーソンを見つけ出すといい。
出会ったときには気にとめなかった相手でも、
見直すと将来に関わりのありそうな人物が
浮上してくる可能性があるからだ。

私自身、たまたま知人から紹介された
ベンチャー企業の社長と仕事で深いつながりを持つようになった。
会ってから1カ月後に名刺を整理していて、
彼が自分のビジネスで求めている人物であることに気づいたのである。
見直しても空振りに終わることもあるだろうが、
見直さなかったことで、せっかくの
チャンスを逃しかねないのもまた事実だ。

キーパーソンを見つけたら、迷わずにコンタクトを取ろう。
ただし、1度、会って終わってしまっては意味がない。

自分がただ情報をもらうだけではなく、
相手にもメリットになることを与えること。
たとえば「これを機会に勉強会を開きましょう」などと、
2度、3度と会わなければならない必然をつくり、
自分のために動いてくれる関係性を醸成する。
相手にもメリットをつくる。
これが人脈づくりのテクニックである。

一方、社内の人脈については、会社の組織図から、
自分のキーパーソンを探し出したい。
まったく関わりのない部署の人であっても、
怯むことはない。

「私が関心を持つビジネスについて、
知見のある部長のお話をぜひ、お聞かせください」。
そんなふうに切り出せば、相手も納得するだろうし、
悪い気はしないはずだ。

コネクションをつけたら、
好感を持ってもらえるように努力をしたい。
ポイントは3つ。1つは相手に関心を持ち、
それを会話の端々で示すことだ。

「福岡出身と伺いましたが、今度、福岡に行くんです。
おいしい店を教えてください」と尋ねたり、
「先日、言われていたことを私なりに考えてみたんですが……」
と伝えれば、自分の発言に
興味を持ってくれたことを嬉しく感じるはずだ。

2つ目のポイントは、相手が聞いてほしいであろう質問することだ。
たとえば、ソムリエの田崎真也さんは実は和食の料理人でもあり、
焼酎にも詳しい。聞きたいことがワインの話でも、
合間に焼酎について質問をしてみると話が弾むだろう。

さらに、会話の方向も過去のわかりきった話を持ち出すより、
未来について水を向けるといい。
「部長の部署では今後、どのような展開を考えているのですか」
などと尋ねれば、口は一層、なめらかになるものだ。

こうした会話を重ねながら、
相手に心を開いてもらうには時間を共有することも欠かせない。
会社でしか付き合いのなかった同僚とゴルフのラウンドを回ってみると、
急速に距離が縮まるのはその好例だ。
口実を設けて何度も会う機会を持つなど、
親近感が増すよう時間を積み重ねたい。

私自身、かつてどうしても話を聞きたい役員に、
「僕も家が鎌倉なんです」と言って同じ電車に乗り、
1時間話をして帰ったことがある。実際は、
私は品川に住んでいたので、
鎌倉駅で「もう一駅先なので」と言ってその役員と別れ、
次の駅で折り返して帰宅した。
話をするために往復2時間を費やすことになったし、
家が鎌倉でないことは後でばれるのだが、
このように工夫すれば、社内の上の人とも時間は共有できるのだ。

しかし、こうした特定の人物と関わりを深める場合、
相手が失脚するなど、社内情勢の変化が気になるところだろう。
まず注意したいのは、交流を持つ際には、
その人の派閥と取られるような態度は取らないことだ。

「○○さんに一生ついていきます!」ではなく、
「○○さんの仕事の仕方に関心を持っていました。勉強させてください」
などと言えば誤解されずに済むだろう。
もちろん、変化の波に呑み込まれないよう、
自分なりの武器を持つことはなによりも大切だ。
会社にとって貴重な人物であれば、
大波が寄せても足元をすくわれずに済む。

同時に、派遣・契約社員やアルバイトなど、
弱い立場の人間への配慮も不可欠。社内では、
「足を引っ張る人をなくす」ということが重要だからだ。

「あの人って、上の人に対しておべっか使うけど、
けっこう下の人に厳しいんですよね」などと上司に言われたらマイナスだ。
常日頃から声をかけるなど、
なにかあったときに応援してくれる人を
なるべく増やしておきたい。

こうした戦略的な人脈づくりは、
得意としない人もいるだろう。
しかし、ここは割り切って考えたい。
普段は寡黙で穏やかな俳優があるときは明るい道化役を演じたり、
あるときは眼光鋭い悪役になったりするように、
「職場という劇場の役者」として、
本来の自分とは違う人間を演じていると思えば、
居心地の悪さもなくなるはずだ。

もちろん、意識的に役を演じているとしても、
それを快く思わない人間は必ずいる。

「アイツは役員に媚びている」などと陰口を叩いたり、
足を引っ張る作為を施されたりしたらどうすればいいか。
結論から言えば、鈍感になること。
対応策はこれに尽きる。
陰口を言う人間は、反応を面白がっているのだ。

「私はアンテナが低くて。
周りで何か言われていてもまったく気づかないんですよ」と、
かわしているうちに、相手は
陰口を言うことがつまらなくなってくるはずだ。

こうしてつくった人脈はすぐに役立つわけではない。
また、必要なときに果たして味方になってくれるかどうかもわからない。
その点から言うと、投資と同じだ。
だからこそ、できるだけ多くの人脈をつくって
リスクヘッジをしておくことをお勧めする。

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セレブレイン社長
高城 幸司 氏
1964年生まれ。
同志社大学卒業後、リクルート入社。
6年間トップセールスを記録。
情報誌「アントレ」編集長、転職事業部長など歴任。
2005年に退社後、同社創立、
代表取締役社長に就任。
著書に『社内政治の教科書』ほか多数。
東洋経済オンラインで
「高城幸司の会社の歩き方」を連載中。
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(上島寿子=構成)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_16370.html?page=1

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