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ビジネスでは「印象」で決まる

2015年06月22日 16時17分37秒 | キャリア支援
無意識のうちに「悪印象」を与えてしまう人の特徴とは?
/三坂健(コンサルタント)
08:20PHP Biz Online 衆知

ビジネスの多くは「印象」で決まってしまう?
「ビジネスの多くは実力よりも、
見た目や言葉などの『印象』で決まってしまう」
と言うのは、『「印象」で得する人、損する人』著者で
コンサルタントの三坂健氏。
無意識のうちに「悪印象」を与えてしまう人の特徴について、
そのポイントをうかがった。

「期待を持たせてくれる人」にチャンスは舞い込む
マーケティングの大家として知られるセオドア・レビットは著書
『マーケティング発想法』の中で
「人は製品を買うのではない。製品のもたらす恩恵の期待を買うのである」
と述べています。つまり、人は製品そのものの価値ではなく、
その製品がもたらしてくれるであろう「期待値」に対して
お金を支払っている、ということです。


セオドア・レビット (著), 土岐 坤 (翻訳)
『マーケティング発想法』
単行本 – 1971/1
単行本: 490ページ
出版社: ダイヤモンド社 (1971/01)
ISBN-10: 4478500002
ISBN-13: 978-4478500002
発売日: 1971/01

最も参考になったカスタマーレビュー
商品価値とは何か?
投稿者 M.re-V 投稿日 2002/10/9
マーケティング業界の古典であります。
20年近く前に、貪り読んだ記憶があります。
そして、今でも拠り所となっている一冊です。
レビットは「『商品の価値』とは何か?」を突き詰める、
という頭の使い方を教えてくれました。
マーケティングに関わり、なお且つ
この領域でマネージメントをしようという方にお奨めです。
古典であるが故に事例は古いのですが、
本質を取り込むのに適したテキストだと思います。
http://www.amazon.co.jp/より



実際、自動販売機でコーヒーを買うときも、
電車に乗って遠くに移動するときも、
我々はその価値が実現する前にお金を「先払い」していますよね。
それを買うことによって得られるであろう「期待」が、
人を動かしているわけです。

実はこの「人は価値そのものではなく、
価値の期待値にお金を払う」ということは、
私たち個人の評価に関しても同様です。

仕事の機会を得てぐんぐん成長する人と、
なかなか機会に恵まれない人がいます。
その違いはどこにあるでしょうか。
能力でしょうか?
それとも運でしょうか?
もちろん、それらも違いの1つですが、
最初の印象で相手に「期待」を与えられているかどうか、
ということが実は大きいのです。

「彼に頼めばうまく進めてもらえそうだな」
「この会社と仕事をすることで大きな成果が得られそうだ」
あなたの印象が、こうした「期待」を取引相手に与えることができれば、
相手はきっと仕事を依頼してくれるでしょう。
そして頼まれたあなたは仕事の機会を得て、成長し、
より多くの稼ぎを得ることができるようになります。

反対にこうした「期待」を相手に与えられないと、
いくら能力があっても機会は離れていき、
成長もままならなくなってしまいます。
それほど「印象」はビジネスに大きな影響を与えるということです。

印象で損する人は、知らないうちに「不○」を与えている
印象で損する人は、「不満」「不安」「不便」「不信」「不快」の
どれかを相手に与えてしまっています。

問題は、意図的にこうした印象を与えているのではなく、
「知らず知らずのうちに」与えてしまっていることが多い、
ということです。

たとえば、言葉の端々に「自信のなさが強調される言動」や
「相手とは無関係、またはむしろ相手にとっては
ネガティブな情報を与えてしまう言動」
が表われるような人がいます。

営業先で、言わなくてもいい自社に関する不利な情報を伝えてしまう営業マンは
意外と多いものです。ただ、本人は慎重を期したつもりでも、
「この人に頼むと不安だな」という印象を相手に与えてしまいます。

そんな営業マンに仕事を頼もうという人はいません。
その結果、仕事が減り、自分の成長にもブレーキがかかってしまいます。
また、知らないうちに相手に「不便」な印象を与えている人もいます。

たとえば、メールが長い人です。これも本人としては、
伝えたいことをなるべく丁寧に書いた結果かもしれませんが、
読み手にとっては、できるだけ短い文章で内容が
コンパクトにまとまっているほうが望ましいものです。
いつもメールが長い人への返信はついつい後回しになりがちですし、
そのうち返事をするのもおっくうになるもの。
そして関係が疎遠になり、チャンスも失ってしまうのです。

また、いつも忙しく動き回っていてなかなか連絡がつかない人も
「不便な人」という印象を与えがちです。
本人は一生懸命に走り回っているだけで、
決して相手を軽んじているわけではないかもしれません。
でも、「電話をかけてもなかなかコンタクトできない人」には、
仕事の依頼を控えるようになるのが普通です。

このように、仕事は頑張っているのに、
印象のせいでチャンスがどんどん減っていく。
「もったいない!」とは思いませんか。

大事なのは「相手の時間を尊重する」というスタンス
反対に、印象で得する人は「満足」「安心」「便利」
「信用」「快適」を感じさせる人です。
ポイントは「明」「元」「素」。
明るく、元気で、素直、ということです。
こうしたスタンスを崩さない人には
自然と仕事が集まってくるでしょう。

そして、もう1つのポイントが、
「おもてなしの心」です。
相手に好印象を与えられる人は、
すべてのコミュニケーションにおいて
相手への「おもてなしの心」を発揮しているのです。

その際にポイントになるのが
「相手の時間に対する感覚」の有無です。

先ほど例に挙げた「メールが長い人」。
こういう人は無意識的かもしれませんが、
相手の時間を奪っているわけです。
私たちにとって「時間」とは「命」そのものです。」
「時間を割く」ということは「限られた命の一部を費やす」こと。
だからこそ、自分の時間を大切に考えてくれる人に、
人は自然と好感を持つのです。

そこで、たとえばタイトルを工夫して、
相手にひと目で要件がわかるようにする。
それだけで相手の時間の負担は大きく減少し、
印象も大きく変わります。

人に何かを伝えるときには、
どうすれば短い時間で端的に伝えることができるかを考える。
メールや文章を書くときには、
どのように書けばなるべく短い文章で、
わかりやすく丁寧に伝えられるかを考える。
コミュニケーションを取る際、
これらのことをつねに意識できる人が、
相手に好印象を与えることができるのです。

印象に惑わされない頭を作ることも大切
さて、これまで書いてきたことを逆に考えると、「人の実力は印象だけではわからない」ということにもなります。
私たちは印象に惑わされない、
印象だけで判断しない習慣をつけることも必要です。
表面的な言葉に踊らされて判断した結果、
「実態はとんでもないものだった!」
なんてことは避けなくてはなりません。

そのためには「本当のことを見極める」思考を高めていくことが必要です。
事実に基づいて考えること、
反対側の視点を持つことが基本です。

素直に相手の意見を受けとめつつも、
頭の片隅で本当かどうかの検証を行なうスタンスが、
多くのビジネスマンに求められています。

こうしたバランス感覚を養い、
印象の持つ力を味方につけることが大切なのです。


三坂 健(みさか・けん)
株式会社HRインスティテュート取締役 チーフコンサルタント、
早稲田大学エクステンションセンター講師。
慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社損害保険ジャパンに入社。
法人営業を経て、HRインスティテュートに参画。
以後、経営コンサルティングおよび、
論理的思考や課題解決をはじめとするスキルトレーニングの開発、
実施を中心に活動。近年は国内での活動のほか、
海外での企業支援を行なっており、
日本とアジアの往復を繰り返している。

http://news.goo.ne.jp/article/phpbiz/bizskills/phpbiz-20150602162421747.html

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