大学の授業にかかわる話題

授業日誌・キャリア・学びのスキルについて

原価率65%でも儲かる理由

2013年05月09日 16時29分00秒 | 学習支援・研究
「俺のフレンチ」
原価率65%でも儲かる理由

〈AERA〉
5月3日(金)7時10分配信

今、都内に65%という原価率ながら、
売り上げを伸ばしている話題のフレンチ料理店がある。

平日の午後3時。
東京・銀座。
一カ所だけ人だかりができていた。
立ち飲みフランス料理店「俺のフレンチGINZA」だ。
開店1時間ほど前から約50人が列を作る。
フォワグラコンフィ980円、
穴子とウニクリームのテリーヌ680円など、
高級料理を低価格で食べられることが話題で、
系列の「俺のイタリアン」を含め、
今もっとも予約が取れない店になった。

社長の坂本孝(72)は、
とにかく飲食業界の“常識の逆張り”を追求した。
長引く飲食不況で、
業界では料理の原価を抑えて
利益を上げる常識が定着していた。
しかし「俺の」では、
原価率は65%。
坂本の口癖はこうだ。

「料理の質を追求するために、
食材にはカネをジャブジャブ使え!」

銀座周辺に系列店が7店という集中出店も業界の非常識だ。
通常なら客の取り合いになるから避けるが、
はしごできる店にすれば効果は倍増すると考えた。

坂本は2009年、失意の中で飲食業に乗り出した。
坂本は「ブックオフコーポレーション」の創業者。
その2年前、不正会計の告発記事がきっかけで、
会長職を退任していた。

突然異業種に飛び込んでもすぐに結果は出ず、
引退することも考えた。
だが、再び本腰を入れたのは、
8歳年上の尊敬する経営者、
稲盛和夫がJALの再建を引き受けたからだ。

成功の最大の原動力は人材だ。
ミシュランに名を連ねる名店で勤務経験があるシェフを、
人材紹介会社を通して集めた。
将来が未知数の企業に
人材を引き寄せたのは「夢」と「数字」だ。

坂本は転職を迷うシェフたちに、
銀座を制覇して、
ゆくゆくはニューヨークでも成功しようと、
熱く夢を語った。
成功の根拠を数字でも示した。
いくら原価率が高くても、客の回転率を上げれば利益が確保できると説明。
数字を証明するかのように、
1号店は、1カ月で1,900万円の売り上げを上げた。

※AERA 2013年4月29日号

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130503-00000002-sasahi-bus_allより

最近、本が出た。
坂本 孝【著】
『俺のイタリアン、俺のフレンチ
- ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方』
ISBN 9784785504540



この本を紹介した以下のブログも読んでみてください。
http://www.kosuke-ogawa.com/?eid=2530

9日(木)2・3の授業

2013年05月09日 15時42分44秒 | SIUの授業
9日の「比較オフィス論
先週と同じANA社の「株主通信」ANA VISION、
第63期 第3四半期の報告(2012年4月1日~2012年12月31日)を使い
同社の業績を考えてみました。

写真:同社リーフレットの表紙

同社は今年4月より持株会社制へ移行し、
会社形態が変更になったこと。
また、(純粋)持株会社(HD)制度についても解説しました。
本学は、同社の子会社ANAセールスや全日空商事への就職者もいて、
あえて同社を取り上げました。

すこし専門的になりましたが、
前年同期比との比較や収益・利益の伸び率を
計算してもらいました。

5月1日付、日経新聞9面より、
ANAとJALの2013年3月期決算が報じられていて、
通期の業績も考えてみました。
同記事によれば、
今期(2014年3月期)の業績予想が発表されていたので、
JALの増減率を計算してもらいました。
棒グラフより、13年の売上高を1,853億円、
14年を1,380億円と読み計算をしてもらいました。
25.5%の減益予想という計算になりました。

2講時は24人、3講時は42名の出席でした。

コンビニ・マーケティングの事例-7&11編

2013年05月09日 00時10分32秒 | SIUの授業
アメリカのセブン-イレブンを窮地から救った
日本流リーダーシップ

2013年4月18日(木)11:10
(ライフハッカー[日本版])

日本におけるセブン-イレブンの創業から今日に至るまで、
誰よりも長く、誰よりも深く、
セブン-イレブンとそのリーダー鈴木敏文の経営実践を取材・研究し続け、
かれこれ二十冊近い著作を世に問うてきている。
(3ページ「まえがき」より)

『鈴木敏文のセブン-イレブン・ウェイ』
(緒方知行著、朝日新聞出版)は、
上記の言葉どおり20年前から鈴木氏の取り組みを追跡してきた著者が、
セブン-イレブンの「商売・経営のセオリー」を明かした書籍。
危機に陥ったアメリカ・セブン-イレブンを独自の手段で立てなおした
鈴木氏の強烈なリーダーシップが、
さまざまな角度からクローズアップされています。

写真は著書

セブン-イレブンの「基本四原則」

セブン-イレブンの38年の歴史は、
要求のレベルを高めてくる顧客のニーズに応えるべく
自己革新・進化を続ける歴史そのもの。
そしてその根底にあるものは、
「基本四原則」を徹底していることなのだとか。
以下、27ページより紹介します。

1.フレンドリーサービス
ヒューマンタッチ(人間味)、
ハイタッチ(思いやり)の「いい気分のおもてなし」。
小売業、飲食、サービス業の競争を左右する大きな要素です。

2.クリンリネス
清潔さ。
お客様をお迎えするには、
快適な環境が用意されなければならないということです。
そしてそれは、いい気分、
清掃の行き届いたアメニティ(快適性)の高い店舗空間、
衛生上配慮の行き届いた売場、
トイレや店頭、顧客からは見えないバックヤードも含めて
徹底すべきだといいます。

3.鮮度管理
食でいえば味や鮮度(安全・安心など)。
顧客が心を動かされるような魅力のある、
満足度の高い価値ある商品が提供されていること。

4.品揃え
欠品のない品揃え。
そしてそれは、顧客にとって満足度の高いものでなければならないといいます。
つまり「欲しい人に、欲しいモノやサービスが、
欲しいとき、欲しいだけ、より望ましい条件(価格・提供方法など)で
買える場所であることが求められるわけです。


いうまでもなく日本のセブン-イレブンが成長できたのは、
これらを徹底したから。
しかし、経営が行き詰まったアメリカ・サウスランド社(セブン-イレブンの総元締)を
再建させるにあたっては、
国民性の違いをも含めた壁にぶち当たります。
たとえばいい例が、
鈴木氏が目の当たりにしたハワイのセブン-イレブンの状況。

ある店では、天井に2メートルもの大きな穴が開いているのを、
そのまま放置していた。
それほどハワイのセブン-イレブンはひどい状況になっていた。
(52ページより)

鈴木氏はそれを見て
「これはコンビニエンスストアとしての体をなしていない」と断じ、
意識改革の必要性を強調します。
サウスランド社の人たちが持っていた常識を覆そうというわけです。
たとえば彼が命じたことのひとつは、
ディスカウントを断固としてやめさせる」という点。

「アメリカではコンビニエンスストアもディスカウントを行なっているが、
それでは自分たちの本業を見失うことになる」という理由から、
ディスカウントを徹底的に排除したのです。

ディスカウントをすると、
ディスカウントを求めるお客しか来なくなる。
すると、ディスカウントを求めてくるお客が喜ぶものしか売れなくなる。
また安く仕入れられるものしか、品揃えしなくなる。
しかし、それは本来のコンビニエンスストアが
応えなけえばならないお客のニーズとは、どんどん離れていってしまう。
そしてコンビニエンスを求めるお客は来なくなってしまう
したがって、コンビエンスアイテムは、
置いていても売れなくなるから、
どんどんアイテム数は減っていく

そしていつの間にか本来のコンビニエンスのあり方が忘れられ、
自己の存在性を失っていってしまう。
(76ページより)

当然のことながら
「日本とアメリカでは事情が違う」と反発を買いますが、
それでも屈しなかったのは、
「日本流もアメリカ流もない。
あるのは"お客さま流"だけだ」(94ページ)という思いがあったから。
その信念を軸にリーダーシップを発揮し、
アメリカのセブン-イレブンを救ったわけです。

これはほんの一例ですが、
本書には他にも興味深いエピソードが数多く掲載されています。
そしてそこからは、
「リーダーシップとはかくあるべし」
という考え方が見えてくるはずです。

(印南敦史)

http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/lifehacker_31158.htmlより

アメリカから輸入した
フランチャイズ方式の「コンビニチェーン」の日本展開。
このビジネスモデルが日本で定着したのは、
鈴木氏のだけの功績ではないとおもうが、
同チェーン店の発展は、氏の功績だろう。
かつて、同コンビニのCFには、
「セブン・イレブン・いいきぶん」が使われていた。
本学の授業「マーケティング」の資料として読んでください。