夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ポイント・ブランク』

2003年06月18日 | 映画(は行)
『ポイント・ブランク』(原題:Grosse Point Blank)
監督:ジョージ・アーミテイジ
出演:ジョン・キューザック,ミニー・ドライバー,ダン・エイクロイド,
   アラン・アーキン,ジョーン・キューザック他

好きな外国人俳優(♂)を3人挙げろと言われたら、
私はおそらくジョン・キューザックをその筆頭に挙げます。
長身で、ええガタイしてるけど、なんかホニョ~ンとしてて、小作りな顔。
片方の眉を上げてデコにシワを寄せたときの顔が最高。
これほど「お茶目」という言葉の似合う人はおらんと思ってます。

この映画は1997年の作品で、彼が脚本とプロデュースも兼ねたもの。
アメリカでは結構ヒットしたのに日本では未公開。
ビデオしか見るすべがなく、TSUTAYAに入荷のリクエストをしたけれど却下され、涙。(T_T)
一生見られへんかもと思っていたら、
引っ越した先の100円レンタルショップでおととい発見。
今度はウレシ涙。(T_T)

キューザックの役どころは殺し屋マーティン・ブランク。
殺しの腕は確かだが、最近スランプに陥り気味。
殺しが楽しく思えないのだ。
精神分析医のもとを訪れるが、
何度目かのカウンセリングで殺し屋であることを告白されて以来、
担当医はビビってしまってカウンセリングどころではない。

そんな彼に高校の同窓会の案内が届く。
ちょうど故郷で片づけなければならない殺しの依頼も舞い込み、
仕事(=殺し)のついでに同窓会に出席することを秘書は勧める。

彼が故郷グロス・ポイントに向かうと、そのあとを追う怪しい面々が。
彼を「全米殺し屋協同組合」に引き入れたい別の殺し屋。
彼が殺しを果たすのを待って、彼を抹殺することを目論む暗殺調査官。
彼が以前こなした仕事のさいに、誤って飼い犬を殺されたことを恨みに思う人物に雇われた殺し屋。

久々に実家に帰ってみたらそこはコンビニになってて唖然。
彼を追ってきた殺し屋と撃ち合いが始まるが、
コンビニの店員はシューティングゲームに夢中で
実際の撃ち合いにはまったく気づかず。

昔の恋人と寄りを戻すべくデートしてても背後が気になってしょうがなかったり、
誰かに肩をたたかれただけで反射的に腕をひねりあげてしまったり、
殺し屋の習性が出るところもキューザックが演じるとホンマにお茶目。

秘書役のジョーン・キューザックは実姉です。
この姉弟コンビはいつも◎。

うちの近所のビ○オス○ーション、こんな仕入れをどうもありがと。(^^)

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ひとりで納得してること(その2)

2003年06月16日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
その国の映画が好きならば、その国に住めると思ってます。
こんなことを言うと、私はほとんどどこにでも住めるということになるし、
世の中そんなに甘くないんでしょうが。

ドイツ大好き、ドヨ~ンとしたカナダも大好き。
韓国、台湾もええし、大阪のおばちゃん顔負けのかしましさの中国でも
私は生きていけるんちゃうかと。(^^;

メキシコも好きだけど、ちょっと怖いかなぁ。
バイオレンス盛りだくさんで、あわあわしてしまいそうです。

余談ですけれど、
以前スペイン語堪能な知人がメキシコに初めて行ったときの話。
大阪を出るとき、 見送りにきてくれた友だちが
「メキシコは怖いとこやから気ぃつけや」と忠告してくれたそうです。
そしてメキシコの空港に着いた彼女は、
これから日本に出発すると思われる人とその見送り人との会話に笑ったそうです。
「大阪は怖いとこやから油断したらあかんで」(←もちろんスペイン語)。

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ひとりで納得してること(その1)

2003年06月11日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
「気候が映画をつくる」。

以前から確信を持っていることです。
その国の気候は映画に表れるような気がしてなりません。

ドンヨリした日が続く国では、やはり映画もドンヨリしているし、
カラっとした土壌では底抜けに明るい映画。
湿っぽい土地で明るい話をつくっても、どことなく哀愁がただよったりして。

なんでその気候の土地でそんな映画が……と思われるような監督は
やっぱり世界的にも異端児呼ばわりされている場合が多かったりします。
「奇才」と言えば聞こえはいい。(^^;

なぜかドンヨリした映画ばかりのカナダ。
あんなに美しい国なのになぜ?と思っていたら、
旅行のパンフレットばりに美しい季節は1年を通じてわずかなのですね。
あとは曇りの日がほどんとだと知って納得。

こんなことを書きつつも、
各国の気候について詳しいわけじゃないので(ほとんど知らん)、
あまり声を大にしては言えません。
自信、尻すぼみ。
だもんで、いつもひとりで「ほれ、みてみ」とこっそり納得、
ムフフと自己満足してます。

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『めぐり逢う大地』

2003年06月09日 | 映画(ま行)
『めぐり逢う大地』(原題:The Claim)
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:ウェス・ベントレー,サラ・ポーリー,ピーター・ミュラン,
   ナスターシャ・キンスキー,ミラ・ジョヴォヴィッチ他

1867年、カリフォルニア州の金鉱で栄えたとある町に
鉄道会社の測量隊がやってくる。
この町に鉄道を通せるかどうか調査するためだ。
鉄道が通るかどうかは、これからの町の繁栄に大きく影響する。
なんとか鉄道を通してもらおうと、町の人々は測量隊を酒や女でもてなす。

測量隊と同じころに町にやってきた母娘がいた。
母親のほうは病気を患っており、死期が近い。
彼女は実は、町を仕切る実力者ディロンの妻だった。

ディロンはその昔、金を掘り当てることを夢見てこの町にやってきた。
夢破れて文無しになりかけた頃、吹雪の山中である男と出会う。
金鉱採掘権を譲るというその男に
ディロンは妻と生まれたばかりの娘を売り渡したのだった。

妻であるエレーナは、自分の死期が近づいたのを知り、
娘ホープの将来を保障してもらうためにディロンの元にやってきた。

真実を何も知らずに育った娘と対面し、
娘に自分の生活のすべてを残して償いたいと思うディロン。
事情を知らない町の人々や、ディロンの情婦であるルチアは、
娘にご執心なディロンを見てあらぬ疑いをかける。
噂の渦中の娘は測量隊の一員であるダルグリッシュと恋に落ちて……。

ビデオのジャケットにはミラ・ジョヴォヴィッチの名前が冠してあったので、
彼女の映画かと思ったら、とっても脇役(ルチア役)でした。
ミラ・ジョヴォヴィッチの映画みたいに宣伝したほうが売れるのか!?
ちなみに彼女は『フィフス・エレメント』(1997)でバンデージぐるぐる巻きのリールー役。
リュック・ベッソン監督を虜にしてすぐ結婚、すぐにポイした強者(ツワモノ)です。
オトコを踏み台にするその姿勢、映画のなかでもそんな感じ。
でも不思議とイヤな女の印象は受けません。
体型がツル、ペタッ、ストンで(^^;、オンナオンナしてないから?

ホープ役のサラ・ポーリーは、子役だった『バロン』(1989)から順調に成長している感。
『バロン』はモンティ・パイソンの一員であるテリー・ギリアム監督作品です。

原題は“The Claim”で、金鉱の利権のことだそうな。
なんでこんな邦題になるねんっ!

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『DRIVE』

2003年06月04日 | 映画(た行)
『DRIVE』
監督:SABU
出演:堤真一,大杉漣,安藤政信,寺島進,筧利夫他

同監督の『弾丸ランナー』(1996)、『POSTMAN BLUES ポストマン・ブルース』(1997)で
激走しつづけた堤真一が、今度は車で走りつづけます。

薬品会社の営業マン、朝倉は頭痛持ち。
医者にストレスのせいだと言われる。
幼いころに両親が自殺したことが原因と思われる。

そのせいなのかどうなのか、
クソ真面目な朝倉は、社会のルールは決して冒さない。
秩序正しい生活をし、交通ルールもきっちり守る。
法定速度を厳守し、右折不可のところで曲がるなんてもってのほか。

そんな朝倉の営業車に、銀行強盗をやらかしてきた3人組が飛び乗ってくる。
どうやらもとは4人組で、そのうちのひとりが仲間を出し抜き、
金を丸取りして逃げたらしい。

金を取り返すべく、裏切り者を追跡しようとする3人。
しかし、強盗に庖丁で脅されようとも
朝倉は交通ルールを守って運転しつづける。
こうして朝倉と強盗3人のドライブがはじまる。

一方、用意周到な裏切り者は、
逃走経路の河原にあらかじめ停めておいた車に乗り換えようとする。
ところが手をすべらせて車のキーを落としてしまう。
土手の穴に落ちたキーを拾おうと腕を伸ばすが、穴から腕が抜けなくなって……。

激走シリーズ(?)や前作の『MONDAY マンデイ』(1999)に比べると
テンポがイマイチなようにも思えるけど、それはこの運転だからしょうがない!?

強盗のうちのひとりが実は坊主。
逃走中にまぎれこんだライブハウスで
ヘヴィメタ・バンドの演奏に合わせて説教たれたら若者に大ウケ。
寺島進がいい説教をいっぱい聞かせてくれます。
スキを見て逃げようとする朝倉に、
「人間は500年前から『縁』が決まっている。これも何かの縁だ」って調子で。

裏切り者の強盗役、筧利夫は、ほとんど土手で寝っころがったまま。
土手には成仏できない幽霊が現れたりして、
怯える筧の情けない姿と表情がこれまた笑えます。

田口トモロヲ(また見過ごすところだった)、麿赤兒、柴咲コウ、松雪泰子など、
みんなちょっとずつだけど効果的な使われ方。

ドライブをつづけるうちに、それぞれが自分の居場所を見つけていきます。
やっぱり好きです、この監督。

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