夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『フローズン・タイム』

2008年08月03日 | 映画(は行)
『フローズン・タイム』(原題:Cashback)
監督:ショーン・エリス
出演:ショーン・ビガースタッフ,エミリア・フォックス,
   ショーン・エヴァンス,ミシェル・ライアン他

レンタル新作。2006年のイギリス作品。
これでR-15なのは何故?
イケナイ妄想に駆られる青少年が多いと困るから?
確かに女性のハダカはたくさん出てきますけど。

監督はファッション誌の写真家としても活躍中の人なのだそうです。
そのせいなのか、ハダカの映像もファッションショー風で、
ちっともヤラしくはありません。

美大に通う画家志望のベンは、
「君を幸せにする自信がない」と言ってしまったがゆえに、
数年間つきあっていた恋人スージーにこっぴどくフラれる。
未練たらたらのベンを横目に、
速攻で新しいオトコと大学の食堂でいちゃつくスージー。

以来、ベンは不眠症に陥る。
家にいてもどうせ眠れないんだからと、
ベンは近所のスーパーで夜勤のバイトをすることに。

ある日、ベンは時間を止める能力を身につける。
「時間よ、止まれ」と念じたその瞬間に、
まわりのすべての動きがフリーズ。
その間、動き回れるのは自分だけ。
時間を元通り動かしたくなれば、パンと手を叩けばいい。

スーパーで買い物する女性客の服を脱がせては、
彼女たちをモデルにデッサンしまくるベン。
そんなとき、バイトの同僚シャロンの横顔に惹き付けられ、恋に落ちる。

映像もオシャレなら、キャッチコピーもオシャレです。
「時間が止まった世界。ボクの恋は加速する」。
中身も洒落た小品で、とてつもなくロマンティック。

とても好きだったのは、恋の呪縛が解ける瞬間。
小学生の頃から好きな人に好きとなかなか言えなかったベンは、
大好きだった女の子が「キスしてもいいよ」と言っているにも関わらず、
目の前で怖じ気づいて、「明日に取っておく」と言ってしまいます。
翌日、彼女に会いに行ってみると、なんと彼女は転校。
それ以来、ここぞというタイミングでキスを逃しつづけます。
その彼が、シャロンに不意打ちのキスをされた瞬間、
呪縛がするすると解けて、不眠も解消。
何カ月かぶりに爆睡する姿はこのうえなく愛らしい。

原題は“Cashback”。
邦題の意味である「静止する時間」はベンの個展のタイトルです。
原題も映画を観れば納得ですが、この邦題が登場するシーンは
暑さをかき消す涼しげな美しさ。

恋をしているとき、
どうして時間は短かったり長かったりするんでしょ?

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もうちょっとだけ、ヘヴィメタ。 | トップ | 『うつつ UTUTU』 »

映画(は行)」カテゴリの最新記事