夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『オテサーネク』

2002年11月03日 | 映画(あ行)
『オテサーネク』(原題:Otesánek)
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ヴェロニカ・ジュリヴァー,ヤン・ハルトゥル,クリスティーナ・アダムツォヴァー他

昨年の晩秋末に公開されたチェコ/イギリスの映画です。DVDにて。

子宝に恵まれない夫婦。
毎日泣きどおしの妻をのために、夫は赤ちゃんの姿に似た切り株を持ち帰ります。
妻は大喜びして、この切り株をオティークと名づけ、ベビー服を着せ、あやします。
愛情を注がれた切り株には生命が宿り、
どんどん大きくなって、そのうち人を食べるように。

と書くととても恐ろしそうだけど、ホラーというよりおとぎ話です。

大人は次々と食べられてしまうのに、
この家の異変に気づいた隣家の少女には素直にしたがうオティーク。
食べる前には手を洗う習慣を、少女がオティークに躾けるシーンなど、
兄妹がほしかった少女の気持ちも伝わってきます。
人を食べる前にも一生懸命手を洗うオティークには笑わされちゃう。

化け物とはいえ、自分の息子としてオティークを愛しつづける母、
狂気と思いつつ、何ともできずにオタオタしてしまう父、
うーん、非常におもしろいです。

タイトルのオテサーネクとは、
少女が読んでいる童話に登場する、まるでオティークな木のこと。
さて、結末やいかに。

「年間10本前後の映画を観る人」にはあまりお薦めできません。
「なんじゃこりゃ」と思うこと、請け合います。(^○^)

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