夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『サンシャイン・ステイト』

2003年10月04日 | 映画(さ行)
『サンシャイン・ステイト』(原題:Sunshine State)
監督:ジョン・セイルズ
出演:アンジェラ・バセット,ティモシー・ハットン,イーディ・ファルコ,
   メアリー・スティーンバージェン,ゴードン・クラップ他

フロリダの海岸沿いの町。
15歳のとき、生まれ故郷のこの町から追われるように出ていったデズリーが、
夫を連れて帰ってくる。

町にはリゾート開発を狙う業者が数社出入りしており、地元住民と対立していた。
ふだんは穏やかなこの町に、いろんな人間が入り乱れて騒々しくなる。

モーテル兼レストランを経営するマーリー。
父から任された商売を守りたいが疲れている。
別れた夫はひと山当てることばかり考えて、マーリーに金を無心。

開発業者のひとり、ジャック。
単なる開発ではなく、セントラル・パークのような
人びとに愛される景観を残した開発を考えているが、
その思いはなかなか伝わらない。

さびれつつある町に活気を取り戻そうとがんばる
お祭りの主催者フランシーン。
しかし、誰もお祭りの大切さを理解してくれない。

そしてデズリー。
母に呼ばれて戻ってきたが、母の意図がつかめずにいる。
15歳のときから抱えつづけていた思いを、母にぶつける機会はあるのか。

ジョン・セイルズも必ず観たい監督です。
作品は『エイトメン・アウト』(1988)、『パッション・フィッシュ』(1992)、
『フィオナの海』(1994)など。
『アポロ13』(1995)の脚本家でもあります。

彼の作品に一貫して言えるのは、根っからの悪人はいないということ。
どんな人も心の葛藤があり、悩みを抱えていない人間なんていない。
でも、みんなもがき苦しみながら、なんとか前向きに生きていこうとします。
がんばってもどうにもならないことがあるけれど、
それでもどの作品にも希望の光が射しています。

新作が登場するたびに観たいと切に願うけど、
日本では未公開やごく一部に限られた公開だったりして、
あまり観る機会には恵まれません。
これは去年公開された最新作。
レンタル・ビデオ店にも入荷してもらえないことが多いけど、
奇跡的に発見。TSUTAYAもたまにはいいことある。

「サンシャイン・ステイト」とはフロリダの俗称。
車のナンバー・プレートにそう表示されています。
陽のふりそそぐ町、いいですね。

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