夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ダメジン』

2008年06月20日 | 映画(た行)
『ダメジン』
監督:三木聡
出演:佐藤隆太,緋田康人,温水洋一,市川実日子,篠井英介,
   ふせえり,笹野高史,岩松了,山崎一,片桐はいり他

自分だけの思い込みや聞き違いなのに、
それが正しくないかもしれないなんて想像すらしないから、
誰かに確認することもなく今まで来て、
ふとしたきっかけで思い込みだったと知り、
「え~っ?」ってマジで驚いた瞬間ってないですか。

三木監督の作品には、毎度そういうネタが満載。
『亀は意外と速く泳ぐ』(2005)や『転々』(2007)、
人気ドラマ『時効警察』も同監督の作品。
本作は、2002年に撮り終えていたにもかかわらず、
プロデューサーが降板したことからお蔵入りしかけ、
2006年にやっと公開された作品だそうです。

神奈川県、川崎市。ある夏の暑い日。
共同生活するダメ男3人、リョウスケ、ヒラジ、カホル。
彼らが真剣に考えているのは、「一生働かずに生きていく方法」のみ。
働かずに生きるため、食べることのできそうな物を探しては焼いてみる。

そんな3人に、近所に住む猫じじい(猫好きのおっちゃん)が
「ダラダラしているならインドに行け」とアドバイス。
100万円あればインドで一生暮らしていけそうだと、
3人はなんとか100万円を貯めることにするのだが……。

小ネタをいっぱい挟んで、話はダラダラ進みます。
このテンポがたまらん!
とにかく、出てくる人がみんなダメダメで変人。
トルエン中毒だったり、中途半端なヤクザだったり、
お風呂でコーヒーを沸かしていたり、年中、川に下半身浸かっていたり、
タコ焼きで原付のタイヤを滑らせたり。

抱腹絶倒ではなく、クスクス笑いの連続です。
インドのことならインド人に聞け、
でもインド人の知り合いがいないから、ちょっと似てるインドネシア人に。
「インドのことなんてわからないよ」と怒るインドネシア人の
店の名前がインドの地名だったりして、
張り巡らされた小ネタに気づけば笑いの渦。
ダメダメなのに、そろってハーモニカが吹けるのも変やっちゅうの。
猫好きの私にとって、猫が焼かれるシーンなんて言語道断なのですが、
その猫がどう見てもヌイグルミで、不覚にも笑ってしまいました。

その他のキャストも超豪華。
吉岡秀隆、伊東美咲、麿赤兒、岡田真澄などなど。

「ムエンボトケって、焼いても煙の出ない人のことじゃなかったの?」。
これにクスッと笑ってしまった人にはオススメ。

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