カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

Stem Cellの発見から50年

2011年02月01日 | サイエンス
日本では日本海側で大雪が降ったようですが、こちらトロント地方も今夜から明日にかけて、25-30cmの雪になるという予報です。また道路が混乱するでしょうから、明日は大変です。

今日は、私の所属するオンタリオ癌研究所の大先輩にあたるErnest McCullochJim Till両博士が、今脚光を浴びているStem Cell(幹細胞)の存在を骨髄細胞を使って初めて明らかにし、その第一報をRadiation Research誌に発表した日から数えて50年目にあたる記念すべき日でした。研究所では、それを記念して盛大に記念式典が行われました。

両博士の科学に対する情熱はそれはすごいものでした。医者であり研究者であったMcCulloch氏と物理学出身のTill氏の間で繰り広げられた活発な共同研究がその成果を生み出しました。今日は、60-80年代の両氏をよく知る人々がその様子を語ってくれました。私は90年以降の晩年のお二人しか知りませんが、両博士ともとても気さくで話好きな方でした。Till博士とはカーリング仲間でもありました。今はもうやっていませんが、素晴らしいショットを見せていただきました。

大変残念だったのは、出席を予定していたMcCulloch博士がこの式典を待たずして、先週1月20日に他界されたことです。享年84歳。謹んでご冥福を祈りします。

お二人の記念すべき論文発表50周年を祝って、乾杯!


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