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カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

白川郷の八重桜

2005年05月09日 | 旅の徒然
会議のあと少しばかりの休暇を取り、息子と二人で飛騨高山にやって来た。一昨日は、世界遺産にも登録されている白川郷荻町の集落を一日見学した。春の好天に恵まれ、とても気持ちのよい散策をすることができた。何よりも、合掌造りの家々と田舎の風景が素晴らしい景観で我々旅人の心を和ませてくれる。そんな田舎道を歩いていると、見事な赤ピンク色に染まった八重桜の大輪が咲いていた。飛騨の遅い春を真っ青な空と一緒に演出してくれている。山里にようやく来た春が、少しでも長く続いてほしいという人々の願いを聞いてくれているかのように、咲き誇っていた。そこで、駄作ながら一句。

行く春よ 待てと咲きにし 八重桜かな

築地市場での生物学教室

2005年05月04日 | 旅の徒然
東京で開催中の国際会議に出席している同じ分野の同僚(米国人5人、日本人1人)と早朝の築地市場に出かけた。皆のお目当てはお寿司の朝食だが、その前に場内に入っていって、後でお腹に入るだろうはずの魚を検分した。まず、場内の活気と交通渋滞に圧倒され、アメリカからの友人は皆目を大きく開けて、ウロチョロするばかりである。何百万円もするだろう冷凍のマグロが、電動のこぎりで小さなかたまりに切られていく様子を皆で固唾を飲んで見学。様々な貝類が、中身をむき出しにしてまだ動いている。そして、何よりも科学者である我々の眼を奪ったのは、大きな目をもった金目鯛である。体の鮮やかな朱色がまず目を引くが、皆はその巨大な魚眼を様々な角度から覗き込み、その透明さに圧倒されている。これは、クリスタリン・レンズや角膜を形成する内容物が細胞・分子レベルで整然と配行している結果に他ならない。そして自然はその自然のミラクルを惜しむことなく、この美しい魚の一匹一匹に寸分の誤差もなく授けているいるのである。実験室でこんな大きなレンズを再現することは非常に難しい。感嘆の一言だ。じっくりと肉眼で観察したあと、皆がこぞって金目鯛をデジタルカメラに収める。私もパチリとやった。そして、皆で場内のとある寿司屋に駆け足で向かった。

皐月の東京

2005年05月01日 | 旅の徒然
もう五月だ。日本は黄金週間に入っている。東京で行われる国際会議のために日本に来ている。昨日は30度を超える暑さだったらしいが、今日は大変すがすがしい春の日だった。街のあちこちに、つつじが美しく咲いている。トロントよりは1ヶ月は早い。日本に着いて最初の日は、たいてい早朝から起きだして、散歩に行く。朝の東京の街は比較的静かでいて、でも街の匂いがする。生活が身近にあるような街を歩くのが楽しい。早起きのおばあちゃんが路地から出てきたり、新聞配達のお兄さんが自転車のブレーキを鳴らしながら駆け抜けていく。そんな街には、小さな公園が必ずあって、体操をしたりジョギングをしたり、ベンチで新聞を読んだりしている人たちを見かける。そんないい生活がある。とある公園に咲いていたつつじを写してみた。

札幌の街

2005年03月24日 | 旅の徒然
88年に北米に転出する前、私は札幌に住んでいた。そして今仕事で札幌に来ている。ここ数年、札幌は毎年のように来ているが、今回駅前の変貌ぶりには驚いた。JRタワーや新しいホテル、デパートができ、昔の駅舎的雰囲気はもうない。それと同時に、駅から北大正門までの距離が極めて短く感じられ、徒歩でもまったく苦にならない距離にちじまったような気がした。建物が大きくなると、街のワン・ブロックが小さく感じられるのだ。大通り公園の付近は大きな変貌はなく昔の面影通りだ。北大構内は、新しい建物がいたるところの見られ、特に私のいた理学部や旧北大第二農場のあたりは新しい建物が立ち並び大きな変貌ぶりだ。昨年の強風で多くのポプラやエルムの木々が倒されて、中央ローンや理学部ローンでは、痛々しい木々を目撃した。構内を走る大学の無料循環バスはとてもいいアイデアで、便利で快適であった。私のいたころにはなかった。
 私がこの街を離れて再び訪れるたびに、この街の印象は変わる。それは街の変貌による印象の違いというよりも、時とともに変わってゆく私の心の中の変貌によるものだ。日本を離れた最初の5年目のころは、この街が好きだった私の心の中の郷愁はピークであったように思い返す。11年住んだこの町を私はとても気に入っていた。渡米後10年目では、徐々に郷愁が懐古の変わり、訪れるたびに心の中の懐かしさを客観的に捕らえられるようになっていったと思う。街自身への愛着というか愛情が変わったわけではないが、その自分の気持ちを「観る」自分自身が変わっていったような気がする。そして17年立った今、益々客観性がましてクールな気持ちで札幌の街を楽しむことができる。
 私がNIHに移った88年当時、同じ研究室でベンチを隣同士にしたテキサス出身のジョン(当時大学院生)に、札幌はこんないいところだと自慢していた。積極的でアウトゴーイングな典型的アメリカ人のジョンはその後学位を所得し、コロラドの山歩きのために1年休暇をとったあと、日本に英語の教師としてやってきた。当初は東京にいたが、すぐに札幌に移り住んだ。90年のはじめだったと思う。私の言葉がほうんとうかどうか確かめに来たのか。。。そのジョンは今札幌にある女子短大で常勤の助教授をしている。週に3-4日ほど講義をして、残りの日々は、夏はバイクライド、冬はスノーボードをして楽しくやっていて、札幌は天国だと私に言う。彼の札幌在住年数は、私のそれを超えた。数年前彼と札幌で会ったとき、狸広路にある彼の行きつけの札幌ラーメンの店に、ジョンが連れて行ってくれた。そして、「O-I-SHI-I」と二人で連呼しながら味噌ラーメンを楽しんだ。異国で人と知り合い、その彼と私の心のふるさとでまた再会する。何とも感慨深いものがある。今日、彼に電話してみようと思っている。今度は、私の好きだったカレーの店でも紹介してやろうと思っている。まだあればの話だが。。。

私の時差ぼけ対策

2005年03月19日 | 旅の徒然
札幌と横浜で開催されるシンポジウムに出席するため、今から日本に飛ぶ。幸いトロントから成田までエア・カナダの直行便が飛んでいて、約13時間のフライトである。私は毎年このフライトを4-5回利用する。時差は14時間(夏は13時間)。昼と夜が逆転する。時差ぼけ対策は、いろいろ試したがこれといったものはない。メラトニンを試したこともあったが、私には特に利かなかった。心がけていることは、フライトではできるだけ寝る。到着後できるだけ早く現地の時間に合わせるために、夜中になっても眠れなかったら、市販されている睡眠促進剤(Nytol)を使ってでも寝るようにしている。昼はできるだけ太陽の光を身体に浴びる。まあ、こういったところか。到着後初日、2日目は身体も心も少なからず興奮状態にあるから、特に疲れや疲労は感じないが、3-4日目ぐらいが一番つらくなる。こういう時期に、睡眠をよく取れれば時差ぼけは比較的楽に乗り越えられる。いづれにしても、旅行中は寝不足になる。それが、帰宅後の体調に影響する。私が帰宅後一番注意しているのは、大学からの帰るときのドライブた。夕方になると必ず眠くなる。そしてドライブ中でも眠気が襲ってくるので、これが一番要注意である。それでは、いってきます。 

追伸:旅行中もできるだけ投稿する予定です。最後になりましたが、寺島さま、多寿さま、コメントありがとう。チェルシーはまだまだ元気一杯です。