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畑とともに過ごす日々

~有機農家の暮らし~

安納芋でタルト

2010-12-05 22:45:33 | 台所しごと

しげファームでは、3種類のさつま芋を作っています。紅東、紫芋、そして去年から作り始めた安納芋です。
安納芋は種子島を代表するさつま芋の品種だそうですが、紅東と同様に、千葉でも作れます。

中の色はオレンジがかった黄色をしていて、水分が多く、ねっとりととても甘いのが特徴です。焼き芋をしていると、安納芋から出る糖分で、下に敷いた石が飴のようにくっついてしまうほどです。焼き芋の味は、まるでカスタードクリームを思わせるほど、なめらかで甘みがあります。

さて、その安納芋で、タルトを作ってみました。
参考にしたレシピは、月森紀子さんの本から。マクロビオティックのお菓子レシピです。


フィリングの部分は、蒸した安納芋と豆乳で作っています。
上に載せた飴がらめは、オリジナルはレーズンとくるみでしたが、くるみが無かったので落花生を使ってみました。しかもちょっとけちったのでトッピングが全面ではなく中央に寄っていまいました。

マクロビオティックのお菓子のレシピは、卵やバターを使わない分、使った野菜や粉の味をシンプルに楽しめるところが良いなと思います。しかし、さつま芋は蒸すより石焼きにしたほうが、やはり美味しくなるような気がします。次は石焼きにした安納芋で作ってみたいと思います。

ところで、マーケットなどでさつま芋を並べていると、「戦時中の食糧難の頃を思い出すから食べたくない」という人に出会うことがあります。その頃はどう食いつなぐか必死な毎日で、食べる楽しさなど無かった時代だったのでしょう。
今はいろいろな野菜を食べることができ、それに合わせて使う調味料や食材も豊富にあるのが当たり前になっていますが、ふと、ほんの数十年前はそんな時代だったんだと思ったりします。


さつま芋ご飯

2010-11-21 22:46:35 | 台所しごと

お米を炊くときに、さつま芋を小さく切って一緒に入れるだけの、さつま芋ご飯。
具をあらかじめ調理する炊き込みご飯や混ぜご飯とは違った手軽さで、忙しい時におすすめかと思います。
これは先日のお昼の写真。


玄米とさつま芋を圧力鍋に入れ、いつもの分量の水に、昆布、塩、醤油、酒を加えて炊きました。それから、食べる時にすり胡麻をかけてみました。
これからの季節、同じように里芋でも作ります。もちろん白米でも美味しいと思います。

この日は夕方から夜にかけて配達で遅くなり、夜もこのご飯を食べるつもりだったのですが、ちょっと変化をつけたいと思い、ドリアをイメージして作ってみたのがこれです。

小麦粉と豆乳でホワイトソースを作ってみたかったのですが、その気力は無く、残っていた木綿豆腐とオリーブオイル、胡麻ペースト、味噌、レモン汁、塩をフードプロセッサーで混ぜてソースを作ってみました。オーブンで焼き色を付けて出来上がったその味は・・・ソースがマヨネーズ味のようで、ちょっとイメージと違ってしまいました。また次にソースを変えてやってみようと思います。


牛蒡と人参のかき揚げ

2010-11-13 09:20:38 | 台所しごと

台所を預かる人にとって、毎日の献立を考えるのは結構大変なことだと思います。料理好きならばともかく、料理が好きではなくても日々台所に立っている人はたくさんいることでしょう。
私の場合、料理の苦手意識はすごくありました。でも農家になってから、「その時あるもので料理する」スタイルになり、その点ではだいぶ楽になった気がします。今日は何を食べよう、よりも、今日はこれをどうやって食べよう、という感じです。メニュー先にありきではなく、旬の素材をもとに、そこから献立を考えていく、というのが自然な流れかなと思うようになりました。

そうは言っても引き出しの数はまだまだ足りない私。どう料理して食べようか思いつかない時は、つい天ぷらにしてしまいます。味付け不要、素材任せ、それでもなんとなく食卓が華やぐような気になるのは、私だけでしょうか?
これは牛蒡と人参、それと人参の葉も加えたかき揚げです。この組み合わせはかなり好きです。


ちなみに衣は簡単に小麦粉を水で溶いたものにしてます。食べる時は天然塩をつけることが多いですが、ご飯に載せてタレをかけ、精進天丼にするのも好きです。

人参がやっと大きくなり、牛蒡と組み合わせて料理できるようになりました。
根菜が主役の季節がやってくるなと感じるます。


大浦牛蒡

2010-11-01 00:30:00 | 台所しごと

うちの畑では、牛蒡は「大浦牛蒡」という品種を作っています。
太いものは直径10cm位にもなります。やわらかく、風味豊かな品種です。太くなると中にスが入りますが、それがまた煮物などでは、味がしみやすくなるのです。

しかし、立派なものもあれば、又根になるものも多し。

又根でも野菜セットに入れていますが、一番左のようにあまりにも全体的に短く、タコのようになると、うちの台所行きとなります。

又根ばかりだと調理する時にちょっと使いずらそうですよね。でも、牛蒡はよく洗えば皮も食べられます(皮の部分に香りがあって美味しい)。水にさらすと茶色くなるのがアクだと思われがちですが、実際はポリフェノールなので水にさらす必要もありません。そう考えればタコの足をぽきぽき折って、たわしで洗って即切れるので、まあそんな面倒でもないかな、と思います。

牛蒡というのは美味しいなと、つくづく感じます。牛蒡の入った味噌汁を飲むと、本当にほっとしますよね。
発酵学者の小泉武夫氏はきんぴら牛蒡を食べる時のことを、「シャキシャキコリコリとした歯応えの中から、ゴボウのやや土の匂いのような野趣の香りが鼻孔から抜けてきて・・・」と表現されていました。きんぴらを多めに作り、朝昼晩三様の楽しみをされるそうです。朝はご飯にのせて「きんぴら丼」に、昼はうどんにのせて「きんぴら皿うどん」、夜はビールのお供に。私もきんぴらをご飯に混ぜておにぎりにしたりします。

さて、先週は、毎日掘り出されるタコのような牛蒡を、毎日のように調理していました。
ちょっと恥ずかしいのですがほんの一例です。

これは竜田揚げです。にんにく醤油にしばらく漬け込んでから、片栗粉をまぶして揚げました。牛蒡は揚げると香ばしく、甘みを感じます。お酒のおつまみにもなりそうです。一緒にのっているのは、さつま芋のおかか煮、胡瓜とマスタードのサラダです。

それから、こちらの写真の奥に写っているのは、牛蒡とじゃが芋、玉ねぎで作ったポタージュです。自家製の豆乳も少し入っています。

ついでに平皿にのっているのは、やはり畑では「難あり」のため、台所行きとなった野菜。胡瓜とめかぶの酢醤油和え柚子胡椒風味、里芋のつきいもと蕪の葉のお浸し胡麻ソース添え、蕪とピッコロ人参とズッキーニのソテー。いつもこんなに盛りだくさんにしているわけではないのですが、この日は台風で午後から家にいたため、久しぶりに時間に追われず料理したものです。

春が来るまで、しばらく牛蒡とお付き合いできそうです。


栗ジャムづくり

2010-10-18 20:50:33 | 台所しごと
 10/17(日)に開催される「アースデイマーケットちば」に向けて、栗ジャムをつくりました。ようやく端境期が終わったものの、まだそれほど野菜を豊富に持っていけない時期。でもせっかく出店するので、なんとか楽しい店先にしたい。というわけで、栗ジャムを販売することにしました。
 マーケット前日の午前中、ジャムづくりにとりかかりました。栗は2週間ほど前から収穫し、下処理をして冷蔵保存しておいたもの。貯蔵の間、糖度が増すそうです。

圧力鍋で蒸してから、中をひたすらくり抜きます。栗ってころんとしていて、つくづく可愛らしいですね・・・オバケのQ太郎の毛のようなものまで生やしています。午前中は好きな音楽を聴きながら、ひたすら栗をくり抜けるのかと、この時を楽しみにしていました。しかし、やり始めると、外は天気も良く、農作業日和。家の中でこんなことをしていていいのかという気がしてきます。しかも結構時間がかかり、終わりのほうはかなり焦ってきました。

 ようやく3キロ分の栗の中身を全部出し、水、てんさい糖とともに鍋に入れ、火を入れます。栗の風味を全面に出したかったのと、私自身甘いジャムが苦手ということもあり、今回てんさい糖の量は控え目にしました。ジャムとしては保存性が低くなりますが、冷蔵保存で早めに召し上がっていただくタイプとして販売することにします。ブランデーとバニラオイルでほんの少し風味付けをし、とろみが付いてきたところで火を止め、フードプロセッサーでなめらかにします。でも、少し粒が残る程度に。
 やっと完成。秋を告げる栗ジャム、みなさんに喜んでいただければと思います。