畑とともに過ごす日々

~有機農家の暮らし~

絹さや ありがとう

2012-05-31 23:46:20 | 

今年は絹さやが本当によく採れました。

ここ20日間くらい、絹さやを採るのが毎朝の私の日課になっています。
とにかく毎日必ず見て採ること、それが長く収穫する秘訣だと、農家になって数年、なんとなくわかってきました。

こちらは右の列が絹さや、左がこれから最盛期を迎えるグリーンピースです。

50メートルの絹さやの畝を左右から見てまわると、だいたい1時間位はかかってしまいます。
のんびり採っていては、時間がかかるばかり。
テンポ良く収穫するためには、
「手元は見ずに、豆のほうを見る」、
「あまり振り返らないようにする」、
そして、腰カゴが必需品。
私の場合、それがコツかな~と、思っています。

それから、一般に売られているぺったんこの絹さやより、ひとまわり大きくて、厚みが出てきたものを収穫するようにしていました。
そのほうが美味しいと思うからです。

絹さやって、煮物の上に、ばってんに飾ってあったり、どうも脇役的存在として使われていることが多い気がします。
でも、それでは食べた気がしない。
こんなふうにサラダにしたり、

天ぷらや、ただ蒸し煮して塩味だけで食べたり、炒めたり、
とにかくこの時期だけのもの、主役にしてたっぷり食べました。

野菜セットにも結構たくさん入れて、かえって敬遠されてしまうかなと思ったのですが、配達のお客さんに、
「ちょっと多いですかね・・・?」と尋ねたところ、
「多い分にはいいわ~」とか、
「うちは豆はいくらあってもいいの」
といったお返事だったので、大丈夫だったかな。
宅配で野菜をとってくださったみなさま、どうだったでしょうか?

でも、こんなふうに絹さや三昧だったのも、あと数日で終わりそうです。
最初は木が小さくて下のほうに成るので、かがんで収穫していましたが、今では私の背よりはるか高くなり、背伸びしなければ届かない位置に成っています。

枯れてきた木も出てきました。
本当に、今年はどうもありがとうございました。そしてまた、寂しいような気持ちになります。

収穫している時、鈴なりの絹さやを見て、
「野菜(植物性の食べ物は、だったかな?)は人間に食べられるのを良しとしている」
といった内容のことを、以前本で読んだのを思い出しました。
それに対し、牛や豚などは肉になる前、恐怖におののき、されていきます。
肉を食べる時、される家畜に思いを馳せると、「いただきます」という言葉はまさに「命をいただきます」ということであり、その言葉の重みが増すのではないでしょうか。

人間は、植物を育て、それを収穫し、でも全部食べつくさず、
植物が残した種を採って、翌年また育てて食べる。
それがずっと続いてきて、これからも続いていきます。
自然から与えてもらった、人間と植物との幸せな関係だなと思います。

毎朝あせりながら絹さやを収穫しつつ、そんなことを考えていました。
また来年も会いたいです。


ブルーベリー開花

2012-05-02 08:43:20 | 

野菜の販売がいつ頃からになるかというお問い合わせを、ちらほらといただいております。
一番最初に収穫できそうな、菜っ葉やかぶ、ミニ大根、さやえんどうなど、あと一歩のところです。
春は全般的に寒い日が続いていたので、例年より少し遅れているように感じています。
暖かい雨が恵みとなり、あと数日でぐっと育ってくれることを期待しています。
大変お待たせしておりますが、もう少々お待ちください。
また、うちの野菜を待っていてくださる方がいることを、とても嬉しく感謝しております。

さて、うちのブルーベリーの畑では、ハイブッシュ5品種を栽培しています。
早生品種から順番に花を咲かせ始めます。
そして今、ようやく全種類が開花したところです。

花芽がどんなふうにふくらんで開花し果実ができていくのか、今年は写真に撮って観察しようと思いました。

こちらは晩生のバークレイという品種。
4月10日。
花芽がぷっくりしています。

4月18日。
上の写真と同じ花芽です。ひとつの花芽から、いくつかの蕾に分かれていくのがわかります。

4月29日。
一部咲き始めています。まだ蕾もあります。
ブルーベリーの花は、すずらんのように可憐で小さいです。

この後、花が落ちたところから果実がそれぞれふくらんで、ひとつの房状になります。
ブルーベリーの収穫で一番難しい点は、房全体が青く色づいて熟したように見えても、一粒ごとに熟し具合が異なるところです。
同じ房の中でも、裏側を見るとまだ赤くて酸っぱい粒と、もう大丈夫な粒が混在しているのです。
葡萄のように房ごと収穫、というわけにはいきません。

一つの房がいっぺんに開花せず、順々に咲いている・・・こうして花の咲く様子を見ると、果実も順に熟していくのが納得できます。

ブルーベリーの花を見ると、来るべき収穫時期のことを思い、なんとなく気が引き締まります。
収穫頑張らなくては。