ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

庭を模索する

2012年07月11日 | 読書録

陽射しが強くなりましたね。休日も日中は暑すぎて、昼は借りて来た本の消化です。





・丸山健二 「安曇野の白い庭」新潮社 2000年


「 良い庭というのは、そこの長時間佇んでいたいという欲求にかられるかどうかで見分けられる。」



そうそう。そうなのよね~。


小説を書く傍ら、庭づくりの奥深さに目覚めてゆく過程がクールな情熱で綴られていて、あっという間に読み上げてしまいました。自分が庭の何に惹かれるのかを、改めて認識させてくれたように思います。


戦う庭づくり、とでも言うのでしょうか。数ある庭本の中でも、予想以上に気に入った本です。






・日本花菖蒲協会「NHK趣味の園芸 人気品種と育て方 ハナショウブ(花菖蒲)」NHK出版 1999年


おかしいなあ。ちび庭の「赤い」ハナショウブ(仮称)、ハナショウブの葉っぱにあるはずの主脈がない。花弁の付け根は黄色だけど…判別できないと生育方法が合ってるのかどうか分からない。


と、この本を借りてみましたが。たくさん載ってる品種のどこにもウチの「赤い」花色はない。花の形も「6弁とも垂れ下がっていて、うち3弁だけ付け根に黄色がある」のはやっぱり載ってない。


そんな特別な品種とは思えないんだけど…。


ネットでもなかなか引っかからなかったんだけど、「茶色 菖蒲」でようやく発見。



どうやら、「ルイジアナアイリス」というものらしい。


アメリカのミシシッピ川 流域原産の「茶菖蒲」を改良したもので、品種改良が進んで現在は素晴らしくいろんな色があるのだけれど、ウチのはどうやらその初期の品種のよう。



アメリカ産だったのか~。色も渋くて姿がすっきりと清楚なので、てっきり「ノハナショウブ」の1変種ではないかと予想していたのですが。


ところで、気になる記事も見つけました。花菖蒲類はとても丈夫なので、気をつけないと雑草化しやすい、と。現に、西アジア~ヨーロッパ原産の「キショウブ」はすっかり帰化して、なんと「要注意外来生物」になっているのだとか。


え~っ!キショウブといえば、近所の側溝に群生してて、毎年きれいに咲くから楽しみにしてるんだけど。そうだったのか!!!なんと、琵琶湖でも広がってかなり問題になってるらしい…。しらんかった~。


確かにジャーマンアイリスなんか、うんざりするほど(!)丈夫よね~。もともと日本のハナショウブの野生種には黄色系の花はないそうです。


ウチのかわいいい自慢の花も、要注意外来生物なんて不名誉なレッテルを貼られないように、脱走に気をつけないといけませんね~。日本中どこ行っても赤いハナショウブがはびこってる、なんてことにならないように。やっぱり日本のハナショウブは、紫よ。ね。


ー残念ながらルイジアナアイリスは載ってなかったけど、いろんな品種や特性が詳しく書かれ、うつくしい仕立て方などとてもよくわかる良い本でした。





・ますむらひろし「賢治に一番近い森 猫の事務所 どんぐりと山猫」 朝日ソノラマ 1985年



描かれているどの風景も全部好き!子供の頃育った山深い故郷のあらゆる魅力を思い出す絵本です。うわ~っ、シリーズあるだけ、片っ端から読んじゃお~っと。





・王軍「北京再造ー古都の命運と建築家梁思成ー」集広社 2008年


図書館の棚をざっと見ていて、つい目が留ってしまいました。


雄大な歴史の遺産である、世界に類を見ない城塞都市北京の分厚い城壁や、伝統ある胡同(細い路地)や四合院(住宅様式)を守るのか。


それとも、人民の発展のために交通や住宅の便を重視し、それらを取り壊し、新しい近代都市北京へと生まれ変わるのか。


ボリュームのある本ですが、老建築家のOld Beijinへの限りない愛情と哀しみ、都市に生活する者たちが必要とする現実とのせめぎ合いに、つい今日の京都の姿を重ね合わせてしまい、どんどんページが進みます。


まだ取り壊される前の城郭の姿に思いを馳せたり、様々な観点からの複数の都市計画案の違いなどたくさんの資料を見ると、こんなに議論を重ねて今日の北京が形作られているのかと思うと感慨深いものがあります。


きっと、日本にもあちらこちらにいろんな素晴らしい町のたたずまいがあったのでしょうね。昔に戻ることは出来ないけれど、どんな生活様式を作り出してゆくのかは、「デザイン」の一端にほんのわずかでも関わるものとして、とても興味のあるところです。





…さあ、そろそろ一番の陽射しも越えたし、畑に行くとするか…。


☆今日のちび庭気温:20~34℃やっぱ30℃越えると、豆つるやらスイカやらシシトウやら、熱帯系の植物の伸びが違いますね。(^_^)