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身の程知らずの独り言

音楽的にも文学的にもダメダメな♀が、身の程もわきまえず、好き勝手な戯言(主に、中島みゆきさん)を記しております。

みゆきさんの声、その39「氷中花」(「組曲(Suite)」)

2016-01-11 17:36:00 | 中島みゆきさん(声)
「組曲(Suite)」(2015.11.11)の4曲目、
「氷中花(ひょうちゅうか)」です。

前回の"声"で書いた「霙の音」の直前の曲です。

その"みゆきさんの声、その38「霙の音」(「組曲(Suite)」)"で、物凄く大雑把にこの曲をまとめたのが、
"「氷中花」は、最初の朗々とした歌声が、客観的な回想を
『♪夏だったよね~』
のアクの強い幼声で過ぎし日の激情を、
『♪もう泣かない~』
の力強い歌声から、今も続く強い感情と何かしらの決意のようなものを感じます。
「氷中花」って、歌声だけで感情の強弱は勿論、主人公が見つめている心の中の情景まで、鮮やかに浮かび上がらせている気がします。
ちょっと意味は、違うかもしれませんが、イメージとしては
"声の起承転結"。"

本当に、大雑把。(笑)

「霙の音」がメインだったとは言え、
"声の起承転結"はやっぱり違うな~(^o^;)

「霙の音」の時も、何か違うな~と思いながら、後でチェックするの忘れてたんですよ、、、(--;)

で、改めて考えて出てきたのが、
"歌声の3幕劇"

まず、
第1幕「回想」

どこか懐かしさを感じる落ち着いた歌声が、優しく奏でるモノローグ。

『♪誰にも頼らずに強く歌うことに憧れ』

自身のことを歌ったようなモノローグは、一言一言を大事にしながら、決して力まず、気負わず、平静を保ちながら。

『♪なさけないほど何ひとつ叶わぬ自分を知る』

声の微妙な明暗や濃淡に、苦さや憧憬をにじませて。

『♪誰にも甘えずに歌う潔さに憧れ』

『潔さ』と言う言葉を使う、みゆきさんが好きです。

『潔さ』と言う言葉は、中島みゆきによく似合うと思います。

第2幕「激情」

『♪夏だったよね 抱き合ったのは~』

それまでの平静を振り払うかのような、感情をむき出しにした語りかけ。

泣き声と評する人もいますね。

でも、声は泣いてないて思うんです。

少なくても、泣きだけじゃない。

この歌詞も、内容は回顧ですよね。

しかし、アクの強い歌い方と幼声(たぶんこの声が泣き声と評されたんだと思います)が、当時の感情をまざまざとよみがえらせる。

泣く、呼ぶ、後悔する、でもその大前提の激しい恋情。

そんな、若き日の激情を追体験させる力が、この歌声と歌い方にあるような気がするんです。

映像のフラッシュバックのような、歌声を使った"感情のフラッシュバック"。

その激情に、グイっとつかまれるんです。

本当に、一番最初に聴いた時は、鷲掴みにされました。

「霙の音」で、この鷲掴み感覚は慣れると書きましたが、最初の衝撃は強烈でした。

あの歌声に胸を締め付けられ、あのアクの強い歌い方に、胸をえぐられるような気がしました。

最初の衝撃が強烈過ぎて、何回も聴いていると、沁みるけど衝撃は弱まるような気がします。

でも、時間を置いて久しぶりに聴くと、掴まるんですね。

慣れて何も感じないんじゃなくて、予測できる分、衝撃が弱く感じるだけなんで、衝撃を受けてることには、変わりないんですよね。

そして、
第3幕「決意」。

『♪もう泣かない もう呼ばない 後悔の資格もない~』

重厚な歌声が、力強く歌い上げる3幕目。

真っ直ぐに歌い上げる声が、胸に響きます。

この3幕は、歌詞だけを見ると"絶望"という言葉がよぎるのに、歌声は決して絶望していない気がします。

歌声の力強さは、絶望ではない、しかし、単純に希望でもない、今の自分自身に向き合う覚悟と、それを受け入れて生きていく決意を、私は感じます。

そして、これが先に書いた
"主人公が見つめている心の中の情景"と感じた箇所です。 

これぞ、妄想ですね。(笑)

また、歌声に熱がこもっていくのに、ガナらないなぁと思ったら、ラスト
『♪氷の中立っている』の
『♪いるぅぅ~』
と、伸ばした語尾に少しだけ唸りが感じられる。

ここ、好きですね。(^^)

歌い終わって、マイクから離れる瞬間が見えるようです。

2幕もそうですが、みゆきさんの歌ってる姿が見えるような気がする曲です。

1幕はスッとキレイな立ち姿で優しげに歌う。

2幕は手でマイクを包むようにして、語尾で顔を跳ね上げるように歌う。

3幕は拳に力がこもり、最後は何かに挑むような強い眼差しで唇を噛み締め、毅然と顔を上げる。

これも、単なる私の妄想ですが、歌声が、とても視覚的な曲に思えるんです。

ダイナミックに、歌声や歌い方を変えることで、曲の表情を実に見事に浮き彫りにしているように感じます。

それで上記のように、勝手に舞台劇になぞらえました。

しかし、劇と違い、歌には1番、2番、3番があります。

そこで、反則覚悟で、2番を各幕の第2場に無理矢理したいと思います。

第1幕 第2場「夢」

1番の「回想」は、微妙な濃淡はあれど、平静を心がけたモノローグ。

『♪夢を見てた それは誰にでも許される宝物だ』

『♪ゆめ』の響きを聴いて、1番とは違うような気がしました。

それは、1番の方が個人的な内容だから?と、最初は思ったんです。

歌詞も日本語だと、一般論に変わったように感じるんですね。

でも、英訳を見ると、主語は「I」になっている。

次の
『♪飛び立つことに不器用な人間にとってさえも』
も、「like me」とあるので
「私のような不器用な人間にとってさえも」となるんでしょうね。

英語補習組の私でも、主語を拾うことくらいはできます。(笑)

もしかして英訳って、こうして使うのかしら?

だとすると、1番の方が客観視できる内容なんじゃないでしょうか?

1番の「回想」は、2番の
『♪夢を見てた』、『溢れかえる夢』
の『夢』のような気がしてきます。

『夢』だから客観視することができる。

だから、平静を保つことができるのかもしれないと。

一見、一般論のように見える2番のほうが、『夢』と『一瞬の今』の間で揺れ動く感情が入っているんじゃないでしょうか?

だから、歌声が熱を帯びてくる。

『♪あふれかえるゆめ~』
の力がこもっていく歌声が、この曲の中で1番好きな声です。

この声から、失った者への喪失感とは別に、『夢』への愛しさを感じます。

しかし同時に、やはり『夢』を選んだ深い後悔も。

第2幕 第2場「衝動」

『♪一瞬の今と 永劫の未来』
『♪もう戻らない 一瞬の今』

舌足らず(?)な、
『えいごうのみらい』
も好きですねぇ♪

2番の熱を帯びていく歌声に、更に引き込まれていきます。

その歌声と対義語のような歌詞が、より激しくうねる感情を描き出している気がするんです。

『溢れかえる夢』と『一番だいじなもの』、
『一瞬の今』と『永劫の未来』、
『冷たい熱』と『灼熱も情熱』。

第3幕 第2場「氷中花」

終幕大詰め、3番まで含みます。

第1場で、
『♪氷の中立っている』
と歌われた箇所が、
『♪氷の中咲いている』
と歌われます。

哀しみや後悔、喪失感を抱えながらも、『咲いている』んです。

ただ、立ち尽くしているんじゃない。

氷の中であろうと、咲く覚悟と決意を感じます。

閉ざされた氷の中に、凛として咲く一輪の花が、見える気がします。

厚い氷の中、何者にも侵されることのない孤高の花が。

みゆきさんの立ち姿が、毅然と立つ花の姿そのもののような気がします。

『♪さいているぅぅぅぅぅ~』

ラストでガナルか唸るのかなと思ったら、響かせ続けてやはり唸る寸前でとめた歌声も印象的でした。

この響きにも、真っ直ぐ立つ花を感じました。

そして、美しい立ち姿から丁寧なお辞儀。

静かに降ろされる緞帳。

ここから、カーテンコールなんてとこまで考えたら、妄想のしすぎでしょうね。(笑)

それでなくても、妄想の範囲をこえて爆走してる気がします。

本当に、ビョウキですね、スミマセンm(__)m。

カーテンコールではなく、5曲目
「霙の音」へと続いていきます。

爆走次いでにもう少し。

この曲順だけは、アルバム収録曲を決めた段階で決まっていた気がするんです。

田家さんが、「組曲(Suite)」の収録曲をあれこれと関連付けようとして、みゆきさんの苦笑をかっていたのと同様に、苦笑をかうだけだろうと思いますが、
「氷中花」と「霙の音」は"声"で関連していると思うんです。

そう言えば、月イチで田家さんいじられてましたねぇ。(笑)

「ないこと、ないこと言う」って。(笑)

愛はあるけど、チョッピリ、、、ね。f(^_^;

話戻して、関連と書くと語弊があるかもしれませんが、"声の対義語"のような気がするんです。

「氷中花」のダイナミックな歌声の使い分けと
「霙の音」の微妙で繊細な歌声。

真逆でありながら、どちらも歌声が、言葉以上の感情表現をしている作品だと思うんです。

そして真逆に聴こえるから、より各々の声が際立つような気がします。

そう言う意味で、内容ではなく歌声で関連しているように思うんですよ。

あ~本当に、"ないこと、ないこと、書いて"と怒られそうですね。(笑)

実はこの記事、年末に書きはじめていたんです。

やっと何とか、まとまった(?)ので、ホッとしました。

だいぶ強引ですが、、、f(^_^;

いつも書いてますが、あくまで私の勝手な妄想なので、寛大な気持ちでお読みいただけるとありがたいです。(^^;

長々と妄想にお付き合い頂いて、本当にありがとうございます。(^^)

では、また。(^-^)
コメント (10)
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