「ワサビで凱旋門」
免許を取り、北海まで上りつめたシャケだが、いまだに運転能力は幼稚。
そんな私を危惧して、日曜ごとに運転レッスンしてくれる者がいる。
毎回重い腰を上げさせるために食べ物で私を釣るのはお安い御用。
今日は 切れてる「ワサビ」を買いに行く、という夢を見させて(?!)オペラ界隈の日本食品店「K子さん」 を目標に 私にハンドルを握らせた。 見事....
無事 K子さんに着きワサビを買い終え、さっさと帰るつもりでいた所、今日の同伴者の「たくらみ」が暴露した。
「君は凱旋門を上手くまわる必要があるよ」
凱旋門といえば、ロータリーの中でも 一番悪名高いロータリーではないか。
うわさによれば、入ったが最後、未だに回り続けて出れない者もいるという。
同伴者は私を乗せて凱旋門まで連れて行き
「こうしてまわるのさ」
と一回転して見せた。

凱旋門を中心にして、放射状に道が何本も通っている。右側優先で気を取られていると、左からも車が突っ込んでくる。頭が二つあっても足りない、そんな感じだ。
頭が三百六十度自動回転するように注意を払い、それでもぶつかる直前の危機を数度経験する。
特にタクシー運転手は容赦ない。わざと嫌がらせしているかのようにスレスレ1cmまでくっついてくる。クラクションを鳴らしてみたって、「ニタッ」と笑って去っていく。
冷や汗かいてどうにか一周してから外に出れた。 記念に「ワサビ」を撮る。 しかも 本場「生ワサビ」 だから格が違う。

やれやれ、これで家に帰れる、 そう思っていた矢先
「君は 氷の上をすべってみる必要があるよ」
またもや同伴者の次なる「たくらみ」を知った。
今度は同伴者が知っている「穴場」 という場所に向かった。
そこは森に通じる道で、雪解けの道が見事凍っている。

「いいかい、おもいっきりスピードを上げて、それからおもいっきりブレーキを踏むんだよ。 どんな風にすべるか 体感してみなさい。」
私は
「 もしこんな状況だったら、スピード落としてノロノロ走るから、こんなスベル練習いりません!!」とむくれた。
こんな練習して本当に「すべった」ら命の保障もない。
ブーブー理由を言って絶対にすべろうとしない私にあきらめた同伴者は、 しばし私を「森」に放置(!?)してくれた。
嬉々として 雪で覆われた森に足を踏み入れると、そこには「幻想の銀世界」 が待っていた。 私は夢を見ているのだろうか。
太陽が燦燦と私に向かって輝いてくれている。

誰も足を踏み入れていない真っ白の雪が積もったままの森で、私は久しぶりの雪だるまを作ってみた。
カキ氷のシロップを持ってきたら良かったナ。
そんな感じのサクサクとしたおいしそうな(!!? )雪だった。
スベル練習はコリゴリだが、この森にはまた来てみたい。
私の作った雪だるまはきっと、むこう一月はこうして薪の上で静かにこの銀世界を眺めているに違いない。

免許を取り、北海まで上りつめたシャケだが、いまだに運転能力は幼稚。
そんな私を危惧して、日曜ごとに運転レッスンしてくれる者がいる。
毎回重い腰を上げさせるために食べ物で私を釣るのはお安い御用。
今日は 切れてる「ワサビ」を買いに行く、という夢を見させて(?!)オペラ界隈の日本食品店「K子さん」 を目標に 私にハンドルを握らせた。 見事....
無事 K子さんに着きワサビを買い終え、さっさと帰るつもりでいた所、今日の同伴者の「たくらみ」が暴露した。
「君は凱旋門を上手くまわる必要があるよ」
凱旋門といえば、ロータリーの中でも 一番悪名高いロータリーではないか。
うわさによれば、入ったが最後、未だに回り続けて出れない者もいるという。
同伴者は私を乗せて凱旋門まで連れて行き
「こうしてまわるのさ」
と一回転して見せた。

凱旋門を中心にして、放射状に道が何本も通っている。右側優先で気を取られていると、左からも車が突っ込んでくる。頭が二つあっても足りない、そんな感じだ。
頭が三百六十度自動回転するように注意を払い、それでもぶつかる直前の危機を数度経験する。
特にタクシー運転手は容赦ない。わざと嫌がらせしているかのようにスレスレ1cmまでくっついてくる。クラクションを鳴らしてみたって、「ニタッ」と笑って去っていく。
冷や汗かいてどうにか一周してから外に出れた。 記念に「ワサビ」を撮る。 しかも 本場「生ワサビ」 だから格が違う。

やれやれ、これで家に帰れる、 そう思っていた矢先
「君は 氷の上をすべってみる必要があるよ」
またもや同伴者の次なる「たくらみ」を知った。
今度は同伴者が知っている「穴場」 という場所に向かった。
そこは森に通じる道で、雪解けの道が見事凍っている。

「いいかい、おもいっきりスピードを上げて、それからおもいっきりブレーキを踏むんだよ。 どんな風にすべるか 体感してみなさい。」
私は
「 もしこんな状況だったら、スピード落としてノロノロ走るから、こんなスベル練習いりません!!」とむくれた。
こんな練習して本当に「すべった」ら命の保障もない。
ブーブー理由を言って絶対にすべろうとしない私にあきらめた同伴者は、 しばし私を「森」に放置(!?)してくれた。
嬉々として 雪で覆われた森に足を踏み入れると、そこには「幻想の銀世界」 が待っていた。 私は夢を見ているのだろうか。
太陽が燦燦と私に向かって輝いてくれている。

誰も足を踏み入れていない真っ白の雪が積もったままの森で、私は久しぶりの雪だるまを作ってみた。
カキ氷のシロップを持ってきたら良かったナ。
そんな感じのサクサクとしたおいしそうな(!!? )雪だった。
スベル練習はコリゴリだが、この森にはまた来てみたい。
私の作った雪だるまはきっと、むこう一月はこうして薪の上で静かにこの銀世界を眺めているに違いない。
