さて、miehf の初フライトの行く先は 青い海に囲まれた「カリブ海」の島々だった。
先輩クルーに言われるままに、乗客が乗り込む前の機内の準備を必死でやりこなしていた時だった。
とある男性が乗り込んできて、 先輩クルーが
「miehfさん、 こちらが今日のパイロット。 miehfさんはね、日本人 なんですよ」
そう言って、 そのステキな男性 (おっと,パイロット) に私を紹介してくれた。
そのパイロットは 日本人である私に驚いた顔をし、しかし とても好意的な笑顔を称えてコックピットに入っていった。
いよいよ離陸の時がやってきた。
この時間は クルーにとって 「魔の時間」
暗く照明を落とされた機内で、非常口のジャンプシートに乗客と向かい合って座っている間、 クルーの頭の中は
「 カリブ海着いたら何しよーっかな~~~!!!」
と考えているでしょうか。 いいえっ 違いますっ!!! ( 多分、、、)
この時間は 「非常時に何をどの順序で行うか」 という
決まりごとを 念仏のように頭の中で唱えている時なんですね。
また 乗客の誰を 自分の緊急アシスタントとして使おうか、 と乗客物色 もしています。
( たくましく健康そうなあなた、きっと狙われていますよ!! )
暗くシンっと静まり返ったその時間、 私も神妙な顔をして先輩クルーの隣に座っていた。
すると 突然機内電話がかかってきた。
電話を取った先輩クルーは 誰かと手短に話すと、
「さっ miehfさん、 機体の前に行って頂戴」
私は言われるまま、 シートベルトをはずして暗い機体の中をヨロヨロと前に進んでいった。
{ 一体どうして私が機体の前に行くんだろう。 }
半人前の私には分からなかった。 ただ先輩の言われるままに機内を進んでいった。
前に着くと、シェフクルーが
「さっ miehfさん、 早くっ!! 」
慌しくコンコンっとパイロット室をノックしたかと思うと、中から鍵がガチャッと開けられて、 突然視界180度のパイロット室が目の前に広がった。
先輩クルーは有無を言わさず私の背中を押して中に入れた。
「ええぇっ!!!?????? 」
瞬時に鍵が閉められ、 私は成すすべもなく呆然と立ち尽くしていた。
パイロットと コパイロットは もう離陸操作に全神経を集中させている。
この国際線のエアバスのパイロット室で新米の私が離陸する、というのか。
これは 「新人いじめ」 か何か?
とりあえずこうして突っ立っていては危険だった。 頭上にも無数のボタンがあって、 間違えて触ってしまってはいけない。
パイロットのすぐ真後ろにあるジャンプシートに腰かけた。あまりにパニックになっていたのもあるだろうが、 特殊なパイロット用のシートベルトのかけ方が分からなかった。
あれこれ試すが どうしても装着できない。 まさか 離陸操作をしているパイロットの肩を「トントン」っと叩いて
「あのー、 これって どうするんですか? 」
とも聞けない。
私は とりあえず、両手でしっかりと紐を握り、シートベルトしているフリをした。( これって意味ある??)
機体はどんどん上がって行き、 グラッと揺れる度に「ヒャっ」 と言った。
パノラマに広がる離陸の光景を、miehfは シートベルトを掴みながら凝視していた。
離陸体制が安定した頃、 また 「コンコンっ」 とノックの音があり、 パイロットは鍵を開けた。
「さっ miehfさん、 そろそろ仕事に戻りましょう」
先輩クルーが迎えに来てくれたのだった。
私は フラフラとよろけながら機内に戻り、 また慌しく仕事に専念した。
ついに 着陸体制の時がやってきた。 こちらも「離陸」と同じく「魔の時間」 にあたる。
クルー達はこの時間、全員が緊急時の行動を頭の中で繰り返しイメージトレーニングするのだった。
その時だ。 またどこからか機内電話がかかり、 先輩が
「さっ miehfさん、 機体の前に」
今度はmiehfにも想像がついた。 私は「着陸」をコックピットでするのだ。
今度はカメラを手にもって、冷静にパイロット室に入った。
シートベルトも装着できた。
パイロットは ふと一瞬、私が来たことを気配で感じて微笑んだ後、真剣な顔に戻って 着陸操作に専念した。
機内電話 は彼からかかってきていたのだ。
日本人の私に、こうして 「いらっしゃい」 と歓迎の意を現してくれていたに違いない。
着陸した後も、このキャプテンはパイロット席に私を座らせ、写真を撮ってくれた。
「パイロットって 親切な人種なんだなぁ 」
そう思ったが、その後出会ったパイロットに そんなサービスをしてくれる人は誰も現れなかった。
あれは夢だったのだろうか。
しかし私の手元に残る「奇跡の写真」 が それは現実だったことを物語っている。
先輩クルーに言われるままに、乗客が乗り込む前の機内の準備を必死でやりこなしていた時だった。
とある男性が乗り込んできて、 先輩クルーが
「miehfさん、 こちらが今日のパイロット。 miehfさんはね、日本人 なんですよ」
そう言って、 そのステキな男性 (おっと,パイロット) に私を紹介してくれた。
そのパイロットは 日本人である私に驚いた顔をし、しかし とても好意的な笑顔を称えてコックピットに入っていった。
いよいよ離陸の時がやってきた。
この時間は クルーにとって 「魔の時間」
暗く照明を落とされた機内で、非常口のジャンプシートに乗客と向かい合って座っている間、 クルーの頭の中は
「 カリブ海着いたら何しよーっかな~~~!!!」
と考えているでしょうか。 いいえっ 違いますっ!!! ( 多分、、、)
この時間は 「非常時に何をどの順序で行うか」 という
決まりごとを 念仏のように頭の中で唱えている時なんですね。
また 乗客の誰を 自分の緊急アシスタントとして使おうか、 と乗客物色 もしています。
( たくましく健康そうなあなた、きっと狙われていますよ!! )
暗くシンっと静まり返ったその時間、 私も神妙な顔をして先輩クルーの隣に座っていた。
すると 突然機内電話がかかってきた。
電話を取った先輩クルーは 誰かと手短に話すと、
「さっ miehfさん、 機体の前に行って頂戴」
私は言われるまま、 シートベルトをはずして暗い機体の中をヨロヨロと前に進んでいった。
{ 一体どうして私が機体の前に行くんだろう。 }
半人前の私には分からなかった。 ただ先輩の言われるままに機内を進んでいった。
前に着くと、シェフクルーが
「さっ miehfさん、 早くっ!! 」
慌しくコンコンっとパイロット室をノックしたかと思うと、中から鍵がガチャッと開けられて、 突然視界180度のパイロット室が目の前に広がった。
先輩クルーは有無を言わさず私の背中を押して中に入れた。
「ええぇっ!!!?????? 」
瞬時に鍵が閉められ、 私は成すすべもなく呆然と立ち尽くしていた。
パイロットと コパイロットは もう離陸操作に全神経を集中させている。
この国際線のエアバスのパイロット室で新米の私が離陸する、というのか。
これは 「新人いじめ」 か何か?
とりあえずこうして突っ立っていては危険だった。 頭上にも無数のボタンがあって、 間違えて触ってしまってはいけない。
パイロットのすぐ真後ろにあるジャンプシートに腰かけた。あまりにパニックになっていたのもあるだろうが、 特殊なパイロット用のシートベルトのかけ方が分からなかった。
あれこれ試すが どうしても装着できない。 まさか 離陸操作をしているパイロットの肩を「トントン」っと叩いて
「あのー、 これって どうするんですか? 」
とも聞けない。
私は とりあえず、両手でしっかりと紐を握り、シートベルトしているフリをした。( これって意味ある??)
機体はどんどん上がって行き、 グラッと揺れる度に「ヒャっ」 と言った。
パノラマに広がる離陸の光景を、miehfは シートベルトを掴みながら凝視していた。
離陸体制が安定した頃、 また 「コンコンっ」 とノックの音があり、 パイロットは鍵を開けた。
「さっ miehfさん、 そろそろ仕事に戻りましょう」
先輩クルーが迎えに来てくれたのだった。
私は フラフラとよろけながら機内に戻り、 また慌しく仕事に専念した。
ついに 着陸体制の時がやってきた。 こちらも「離陸」と同じく「魔の時間」 にあたる。
クルー達はこの時間、全員が緊急時の行動を頭の中で繰り返しイメージトレーニングするのだった。
その時だ。 またどこからか機内電話がかかり、 先輩が
「さっ miehfさん、 機体の前に」
今度はmiehfにも想像がついた。 私は「着陸」をコックピットでするのだ。
今度はカメラを手にもって、冷静にパイロット室に入った。
シートベルトも装着できた。
パイロットは ふと一瞬、私が来たことを気配で感じて微笑んだ後、真剣な顔に戻って 着陸操作に専念した。
機内電話 は彼からかかってきていたのだ。
日本人の私に、こうして 「いらっしゃい」 と歓迎の意を現してくれていたに違いない。
着陸した後も、このキャプテンはパイロット席に私を座らせ、写真を撮ってくれた。
「パイロットって 親切な人種なんだなぁ 」
そう思ったが、その後出会ったパイロットに そんなサービスをしてくれる人は誰も現れなかった。
あれは夢だったのだろうか。
しかし私の手元に残る「奇跡の写真」 が それは現実だったことを物語っている。