つわりになると、 日に日に食べたいものが変わり、そしてしまいには、昔食べたものが恋しくて仕方なくなってくる。
昨日はいなり寿司と冷そうめんが食べたくなり 日本食品店に駆け込んだ。
今日目覚めると、 「すきやき」 が食べたい。
私にとってのすきやき は まさに「父の味」
料理をしない父が、すきやきの時だけは「鍋奉行」に変身し、決して誰にも主導権を渡そうとしなかった。
牛脂を炒めた鍋にしょうゆと黒砂糖だけの味付けで、 濃くてくどくて仕方のない味の肉や野菜を嫌々食べたものだった。
皆が「 やめてくれ~~~~~~」 と懇願しても、 父はしょうゆと黒砂糖を どんどん鍋に入れていく。
そんな父はもっぱらお酒ばかり飲み、うどんを入れる頃には眠たくなって寝室に入っていく有様だった。
パリに来て、そんな甘辛い記憶の「すきやき」は全く興味の沸かない料理だったので、一度だって作ったことはなかった。
しかし この「つわり」 という症状が、私を 「父のすきやき」へと導いたのだ。
早速今日 韓国食品店 へ向かう。
今日はユーロマートさんで、 神戸牛のスライス、白菜、春菊、えのきだけ、豆腐、讃岐うどん を購入。これに玉ねぎとポワローネギを加えました。
糸こんにゃくとしいたけは 日本食品店で。
旦那が仕事で留守の昼間、 私は一人、「父のすきやき」の味を求めて猛烈に鍋にしょゆと黒砂糖をぶち込んだ。
神戸牛のとろりとした味わいと濃い味付けが、涙が出るほど美味に感じ、私は鍋ごとすきやきを平らげた。
旦那が戻ってきたら、 この残った汁でうどんを作ってあげよう。 ( お気の毒!?)
忘れられない父の味。
この間、タラスープを食べて早々にも
「父の味」を味わったお腹の赤ちゃん、
今度はmiehfさんを通して「おじいちゃんの味」を知ったのね。
今から父の味で育つなんて、すばらしい胎教になっていると思うわ。
でもクレランさんのキッシュの右に出るキッシュはないわ!!
こればっかりは、コリシモで送れないしね・・・
次回はツナ入りも食べてね!
ふくよかな滋味一杯の茶碗蒸しのような。
ツナ入りも楽しみにしていまーす!!!