「miehf スチュワーデス物語
アフリカ編」
さて、
アフリカ といえば、miehfが
スチュワデースの研修生時代 (ええ、miehfにもそんな時代がありました。
フラッシュダンスの音楽が流れるような(?? )時代でした。)に行った
ケニヤ線での出来事を思い出す。
新米クルーのmiehfは 先輩クルーに言われるまま、満員のエコノミークラスのお客様に食事を配ったり、乱気流で大きく揺れる機内に踏ん張り立って、コーヒーを入れたりした。(客から拍手が沸き起こらんばかりでした)
「常に笑顔で」 これはクルーのモットーだろう。
どんな状況であっても、 例え
機内で火事が起こっていても、
消火器とガスマスクを手に取るまでは、通路を微笑みながら小走りに歩く。 クルーの不安な顔は、たちまち客の心理状態に伝達してしまうのだ。 機内でのパニックは命取りとなる。
ケニヤのナイロビに向かっていたその便で、私の
クルー根性を試す出来事が起こった。
毎回食事を配る時、客の中のアフリカ系の一人の男性が
ものすごい形相で私を
にらみつけるのだった。
トレーを下げる時、飲み物を配る時、 その
にらみ目は私の顔を痛いほど突き刺し、一瞬でも目を合わせることなどとても出来ない気迫を放っていた。
それでも 私は口元に微笑を携え、全くその
にらみに気づいていない素振りで仕事を続けた。
「きっと彼はアジア人を何らかの理由で
とても憎んでいるに違いない」
私なりにそう考えることにした。 なにせこの外資系航空会社で、アジア人は私一人、客層にもアジア人は一人も見当たらない有様だった。 私一人に その
「憎み」が集中してるのだろう。
長いフライトを終え、非常口を開けると そこはアフリカ。
ムッとした熱気と共に現地スタッフが陽気な底抜けの笑顔で
「ジャンボ!!! 」 と言って迎えてくれる。
私達も客達が降りるのを笑顔で見送る。
疲労をみじんも見せずに微笑みながら一人一人に会釈していく中、ついに あの「
にらみ親父」の番が近づいてきた。
「またどんな
にらみを効かせてくるのかな。 今度は嫌がおうでも
目を合わせないといけないしな」
最後に
殴られるかもしれない。どうしたらいいものか考えあぐねていると、親父はジリジリと私に近寄ってきた。
ところが以外にも この親父は
満面の笑みを称えている。別人のようだ。
「ええっ!! この親父、こんな風に笑えるの!!?」
と意表を付かれていたところに 親父がこう言った。
「 あなたは 私が
あなたを見つめていることに
全然気づいてくれませんでしたね。 僕は あなたがステキな方だと思って、必死でフライト中見てたんですよ」
「、、、、はぁ!!? (怖くて直視できへんかったっちゅうねん) 」
彼は そう言って とても残念そうに肩をすぼめて去っていった。
あなたがケニアの道で見ず知らずの人から眼をつけられたり、恨めしそうににらまれた時、それはきっと あなたが
あまりにも魅力的だからに違いない。
こちらはキリマンジャロ山。仕事を放り出して撮影した貴重な一枚