結婚を機に妊娠を望んだ私は、ガン検診などの基本検査を受けに生まれて初めて産婦人科に行くこととなった。
一般科医のように、電話をすればその週に診察してもらえるものとばかり思っていたら大間違いだった。
どこの産婦人科に連絡しても三ヶ月待ち。
仕方ないので三ヶ月待った。
初めて出会った産婦人科医は私に言った。
「いい? あなたが妊娠したと思ったら、とにかくすぐに 目当ての産院に予約するのよ」
予定日にお月のものが来なかった、 その瞬間から、パリの産院
の「 席取り合戦 」は始まるのだ。
最終生理日初日から六週目から産院の予約が取れるという。
私はきっちり計算して、六週目の初日に病院に電話をした。
しかし電話はいつも話し中。ものすごく込んでいるようだ。
仕方ないので直接病院に向かった。
元ラグビー部、そんな感じの二十歳前半のがっちりとした青年がジーパンとシャツ姿で産院の受付に座っていた。
{日本の産婦人科病院ではありえない光景じゃないかな、、、}
いかにもアルバイトっぽいその青年が、
「 、、で、あなたの最終生理日は?」 と質問してくるので、正直
答えるのが気恥ずかしく感じた。
青年は丸い表をクルクルとまわして、私の出産予定日を割り出した。
「うわーー!! あなたはラッキーですね。 まだ席が残ってますよ」
このパリの同日出産予定の妊婦達は、競って この六週目の初日に予約を取るのだ とその時分かる。 しかも朝一に予約を入れる。
六週目の二日目に予約を取ろうものなら、もうどこの産院も開いていないのではないか。そんな感じだった。
だから 生理周期が長い人は、妊娠が例え確定していなくても予約を入れるのだ。
すごい競争率を肌に感じ、しかし、なんとか外国人である私がフランス人妊婦の勢いに負けずに一席を無事確保できたことに安堵した。
気づくと、いつの間にか私の背後にカリブ系のおばちゃんが座っていた。イスの背もたれに グデーンっともたれかかっている。
「彼女が これからあなたを指導する産婆さんですよ」 青年は言った。
クチャクチャとガムを噛みながら、 この気楽そうな雰囲気のカリビアンな産婆さんは、どうも休み時間なので受付に遊びに来ているようだった。
時々私と青年の会話に入ってきて、「そうじゃないと思うよ~~」 などと背後からお気楽に意見を言う。
私の後ろには、いつの間にか臨月で出産間近、という感じの妊婦さん達の長蛇の列が出来ていてびっくりした。
しかも待合室がなく、イスもないので、皆苦しそうだ。
身軽な自分がイスに座っているのが申し訳なく感じたのだが、受付の人達は いつものことのように平然としている。
妊婦は特別、 そんな考えはことごとく失くなり、わが身は自分でしっかり管理していかなければ、という 「自立精神」 がさらに育つ、そんな産院の雰囲気だった。
一般科医のように、電話をすればその週に診察してもらえるものとばかり思っていたら大間違いだった。
どこの産婦人科に連絡しても三ヶ月待ち。
仕方ないので三ヶ月待った。
初めて出会った産婦人科医は私に言った。
「いい? あなたが妊娠したと思ったら、とにかくすぐに 目当ての産院に予約するのよ」
予定日にお月のものが来なかった、 その瞬間から、パリの産院
の「 席取り合戦 」は始まるのだ。
最終生理日初日から六週目から産院の予約が取れるという。
私はきっちり計算して、六週目の初日に病院に電話をした。
しかし電話はいつも話し中。ものすごく込んでいるようだ。
仕方ないので直接病院に向かった。
元ラグビー部、そんな感じの二十歳前半のがっちりとした青年がジーパンとシャツ姿で産院の受付に座っていた。
{日本の産婦人科病院ではありえない光景じゃないかな、、、}
いかにもアルバイトっぽいその青年が、
「 、、で、あなたの最終生理日は?」 と質問してくるので、正直
答えるのが気恥ずかしく感じた。
青年は丸い表をクルクルとまわして、私の出産予定日を割り出した。
「うわーー!! あなたはラッキーですね。 まだ席が残ってますよ」
このパリの同日出産予定の妊婦達は、競って この六週目の初日に予約を取るのだ とその時分かる。 しかも朝一に予約を入れる。
六週目の二日目に予約を取ろうものなら、もうどこの産院も開いていないのではないか。そんな感じだった。
だから 生理周期が長い人は、妊娠が例え確定していなくても予約を入れるのだ。
すごい競争率を肌に感じ、しかし、なんとか外国人である私がフランス人妊婦の勢いに負けずに一席を無事確保できたことに安堵した。
気づくと、いつの間にか私の背後にカリブ系のおばちゃんが座っていた。イスの背もたれに グデーンっともたれかかっている。
「彼女が これからあなたを指導する産婆さんですよ」 青年は言った。
クチャクチャとガムを噛みながら、 この気楽そうな雰囲気のカリビアンな産婆さんは、どうも休み時間なので受付に遊びに来ているようだった。
時々私と青年の会話に入ってきて、「そうじゃないと思うよ~~」 などと背後からお気楽に意見を言う。
私の後ろには、いつの間にか臨月で出産間近、という感じの妊婦さん達の長蛇の列が出来ていてびっくりした。
しかも待合室がなく、イスもないので、皆苦しそうだ。
身軽な自分がイスに座っているのが申し訳なく感じたのだが、受付の人達は いつものことのように平然としている。
妊婦は特別、 そんな考えはことごとく失くなり、わが身は自分でしっかり管理していかなければ、という 「自立精神」 がさらに育つ、そんな産院の雰囲気だった。