「ついに免許証 」今朝、黒豆の地方発送が終わった。 年末にし終えなければならないことはあと一つだ。( もちろん
大掃除を除いて ね)
11月に 「
三年かけて取得した車の免許」の
免許証を
パリ市
警察署まで取りにいかなければならないのだ。(
ロータリーだらけの町参照)
実地試験に合格すると
「合格」という所に丸が打たれたヒラヒラの紙が届く。 以前は
「不合格」の所に大きな丸が書かれて五回も届いたものだったが。今回のものには「不合格」の方がグシャグシャっと消されている。 有難いことだ。

そのヒラヒラの紙で二ヶ月間運転してから、実際の免許証をもらいに警察署に取りに行くシステムになっている。
パリ市
警察署は、あの有名な
ノートルダム寺院の真向かいにある。
セーヌ川に沿った、まさにパリの中心の
シテ島という小さな島に、ノートルダム寺院とこの警察署がドーンっとそびえ立っている。
ノートルダム寺院の門をくぐると、
「ああ、私の前世はきっと敬虔な
修道女だった」
などと 自分の前世が美化されて感じるものだ。(
私の前世参照)


ところが 10メートル先のパリ警察署の門をくぐってセキュリティチェックを受けていると
「 ああ、自分は前世では
よっぽどの悪 だったんだろう」
などと考えてしまうような、そんな
天と地 程も違う印象を受ける。

人は 環境に左右されやすいものだなぁ、と思いながら、今日もしぶしぶ警察署の門をくぐった。
門をくぐると、そこにいる人達が皆
「悪人」に見えてくるから恐ろしい。
受付で順番待ちの番号札をもらう。 ロビーにはあふれんばかりの悪人、いや
免許証申請者が所狭しと待っている。

それなのに役人の数はたった二人だ。
私の札には
「あなたの番まであと七人待ち」 となっているが、どう見てもこの数は「七人」ではない。
電光掲示板には、10分に一回くらいの順でしか呼び出し番号が出ない。 隣の人の持つ札を見ると 「
D 031 」 となっている。
私の番号は 「
R 053」 だった。つまり R のついてる札の人は七人でも、それ以外に K 、S 、 T、 U 、 などという違うアルファベットに番号のついた札を持った人達がいるのだ。
待ち時間をどうにかして短く感じさせよう、という心憎いパリ警察署のアイデアなのかもしれないが、こんなことでだまされる程私達はバカではない。
どのくらい待っただろう。 長い長い時間が過ぎた。 三年の教習所の時間から考えると、膨大な時間、私は「免許証」を手にするために待った。
「R 053 」の文字が電光掲示板に
「ピンポーン」という音とともに映った。
防弾ガラスで仕切られた小さい窓の向こうに無表情な役人がいる。 紙きれだけが入る一ミリの隙間に、私の呼び札とヒラヒラの紙を入れる。
一体、この「免許証」を
略奪強盗しよう、というものが存在しているのだろうか。
謎は残ったが、とにかくやっとのことで
「私の免許証」を手にした。
警視庁を出るとそこはセーヌ川。 うれしくて記念撮影をしてみた。

今日は極寒。手が
かじかんで、危うく免許証をセーヌ川に落としそうになる。 冷や冷やとした。
それでも懲りずに、今度はノートルダム寺院とのツーショット写真

もちろん
警視庁とのツーショット写真は撮らなかった。