よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

ストレスに負けない生き方(1)

2017-05-08 14:41:50 | 健康・病気
太古の昔から、ヒトはいろんなストレスに対応しながら生きてきました。かつては、外敵から身を守るなど生命の危機に対するストレスが主流でしたが、現代では、仕事、人間関係、金銭など、より多面的、複雑化、慢性化したストレスに変化しているといってもよいと思います。

では、ストレスの正体は何でしょうか。良いことであれ、悪いことであれ、ある状態から、別の状態へ大きく「変化」すると、人間はそれをストレスと感じます。適度なストレスは、思考能力アップ、体力増進など体にとってもよいものですが、悪いものでは、様々な病気の原因になることが知られています。

かつては、身を守る仕組み(~闘争か逃避か~)として進化してきたのが、「ストレス反応」と呼ばれるものです。強い不安・恐怖を感じると、最初に脳の扁桃体と呼ばれるところが興奮し、視床下部(自律神経の中枢)を介して、体の各臓器が反応します。この時、副腎からストレスホルモンと呼ばれるコルチゾール、アドレナリンなどが分泌され、血圧や脈拍、血糖が上昇し、瞬時に行動できるようになります。
現代では、生命の危機になるような大きなストレスはめったにありませんが、現代社会を生き抜く上での様々な小さなストレスが積み重なって、体に変調をきたします。

慢性のストレスにより絶えず分泌されるコルチゾールにより、特に海馬の神経細胞が傷害され、うつ病の原因となることが知られています。さらに、ヒトには、目の前の現実だけでなく、過去や未来についてあれこれ考えを巡らす能力(心の迷走)があり、そうしている間、ストレス反応が続き事態を悪化させています。ストレスが続くことにより、自律神経の過剰反応が起こり、血圧上昇、血液凝固能亢進し、脳卒中、心筋梗塞発症の原因になることもよく知られています。
その他、免疫力が低下し、がん、アレルギーが起こります。ストレスにより、胃が痛くなる経験(胃炎・胃潰瘍)をお持ちの方もおられるでしょう。血糖上昇により、糖尿病になる危険性もあります。

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