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わかりやすく 明るく 楽しい

2008-03-05 00:24:19 | ・講演・セミナー・シンポ
六本木にそびえる森タワーの展望室から下にみたところの国立新美術館(2004)を、看板建築みたいだと、建築史家の米山先生はふとお話されたましたが、先生はけっこう黒川さんの作品がお好きなんですね。先日のえどカル(えどはくカルチャー)建築家列伝シリーズ講座゛黒川紀章゛を受講していて、そう感じました。伝わりました。黒川さんの建物を明快だと連発していらした。理屈抜きで明るく楽しいと。特に最高なのは埼玉県立美術館(1983)と名古屋市美術館(1987)ですよね。 先生が学生の頃は、黒川さんは日本の建築界から冷遇されているところがあって、なかなか好きだと口にできない雰囲気があったとか、確かに槇文彦さんのディテール、安藤忠雄さんのテクスチャーなど、そういうのは人気があってもてはやされたのだろうというのはよくわかる気がします。黒川さんの建物には○△□といった積み木細工のようなわかりやすい純粋形態の造形や光を取り込んで中と外をうまくつなぐ空間があり、なるほど大人になっても忘れていないワクワクするような子ども心、特に少年心をくすぐるような仕掛け、演出、そんなものがあるのかなぁと、私はそんな気がしました。

黒川紀章さんは学者としての業績に惹かれた京都大学の西山夘三氏の研究室から、東京大学大学院の丹下健三研究室の門をたたきます。スパイと思われたのでしょうか。同じ門下の論客建築家磯崎新氏に対してはもちろん意識していたでしょう。ご本人も哲学的、思想的な論を展開するのは当然です。けれども、今回の講座の中での私の一番の発見ポイントは黒川さんはむずかしい理論家ではなくアイデアマンで感覚的デザイナーセンスに長けた、そっちの人だということでした。その純粋形態のわかりやすさが海外にも受けたのですね、建物には冷たくない人なつっこさ、明るさ、楽しさがある。竣工時の誰もいない美しいだけの建築写真ではなく、そこには子どもが写っている。それらのお話を伺って、私は新鮮な驚きと共にどこか安心を覚えました。黒川さんの晩年の別の活動からユニークなキャラクターの顔は伺えてはいましたが、ちょうど1年くらい前、私が初めてお会いしたときの(最初で最後でしたが)印象も実は勝手に思い描いていたイメージとは少し違いました。国際的に活躍する著名な建築家は意外と穏やかでやわらかかったのです。ここで人物と建物がどこかつながった気がします。亡くなってしまったなんてまだ信じられず、さみしく残念に思います。私は黒川建築作品を特に意識してこれまでたくさん観て味わったわけではないので、もっと積極的にみつめてみたい気持ちになりました。そう思えたことがうれしいです。

昔、心斎橋筋歩いてまっすぐ、大阪のソニータワー(1976)デートしたことあるんです。ガラス張りの長いエスカレーターの景色を楽しみながらいっしょに。でも、もうなくなっちゃったみたい、映像みながら、ちょっとせつなく涙が出そうになりました。学生時代は国立文楽劇場(1984)で『仮名手本忠臣蔵』だったか文楽も見ました。でもその建物を造ったのは黒川さんだとは当時はぜんぜん知りませんでした。外観に猪目ハート模様の唐破風がついたディテールが可愛いんですよね。黒川さんは国内にとどまらず多くの美術館建築を手がけられていますが、感謝したいのは私の故郷である和歌山県にも近代美術館と博物館(1994)を残してくださったことです。やっぱり今となってはうれしく財産です。東京にある建物に負けない立派な、明るく開放的な空間です。特に美しく曲面を描くファサードガラス張りの博物館が私は好きです。過去にはそこで地元出身の文化学院を創設した西村伊作や夭逝した版画家田中恭吉など充実した展覧会を開催していたようで喜ばしいです。でも、田舎だから訪れる人が少ないのが悲しいところですが、これからも企画運営には期待したいし、がんばって頂きたいと思います。ただ黒川さんの当初のプランとは違って、現在は能舞台を囲む池の水が抜かれているのが残念に思うので、次回帰省した際にはそのことについて担当者にどういうことなのか尋ねてみたいと思います。

黒川さんはわかりやすい前衛性を確立した希有な人、海外評価も高い。メタボリズムの中銀カプセルタワー(1972)の取り壊しに関しては国外から批判がでるかもしれないとのことです。また私生活では君はバロックだと言った女優で奥さまの若尾文子さんとの出会いと最後のお別れのエピソードも紹介されて、「いい奥さんじゃなかった」「そんなことない、ほんとに好きだったんだから」の泣かせる場面、人として誰かを、愛する人をよろこばせたい、それはいちばん自然で素朴な気持ちだと私も思います。生きる、働くモチベーション、エネルギーにつながります。最後に、米山先生は黒川さんは全力で駆け抜けた良い人生だったとお話しされて、私もしみじみとそう思いました。

講座後、友人たちとお茶しながら、「今日の先生のお話は特によかったわねぇー。新鮮でしたわー。」と、みんなでさんざん盛り上がってあれだけおしゃべりしたのに、家に帰ったら、また同じ友人から夜に電話がかかってきて、今日の興奮冷めやらずの続きをまたまた語りあったのがちょっと可笑しくて、なんとも可愛らしい彼女、奥さまだなと微笑ましく思ったのでした。またマスコミや権力におもねているようでスカンとアンチ黒川で手厳しい批評を加えていた仲間も、今回は視点が変わって、純粋に建築作品は評価できるのだと気づいたそうでニコニコ笑顔でした。それもうれしかった。

゛わかりやすく、明るく、楽しい゛ というのは 講師でいらっしゃる米山先生の建築講座や見学会にも通じる魅力的なところです。わかりやすいというのは大事です。もちろん気の抜けたわかりやすさではありません。ご指導くださる先生方は素晴らしく一般に向けての建築講座は数あれど、そこはやっぱり米山先生がダントツイチバン、一位です。私はそう思っています。ですから、我々のようにリピーターで学習する受講者も多いのです。資料もバッチリ、黒川さんのちっちゃい子どもの頃のカワイイ写真、若かりし学生時代のステキな笑顔、真剣な表情も織り交ぜて下さり、ひとりの建築家が、人間が浮き彫りにされてとても身近に感じられます。実に奥深い内容です。米山先生、いつもありがとうございます。質問とか毎度詰め寄ってうるさくてスミマセンでございます。次回の春期えどカル建築対談講座も、今からすんごく楽しみにしております。(人気が高そう、ハズレルことのないようにだけはお願いします) どうもありがとうございました。

★写真は黒川さんの花数寄イメージから →↑

アーキテクトセミナー★

2008-02-25 23:12:24 | ・講演・セミナー・シンポ
★東京ガスアーキテクトセミナー2008
伊東豊雄×藤森照信×西沢大良×藤本壮介 さん
プリミティブな暮らし~と題したセミナー
一時間前に行ったのに既に行列、さすがに学生さんが多い。
この豪華な顔合わせだと、参加したくなるというもの。
ケンチクフレンズにも会ったし、そりゃ、やっぱり行くよね。
なかなか面白かった、ちょっとメモを読み直してから、
気になったポイントを書き残しておこうと思う。
とりあえずのご報告・・・。

多摩美の図書館の画がほしいところ、悔しいかな、まだ観てないので、
とりあえず、゛真珠゛を探す前に出てきた表参道のTOD`S。
そうそう会場ビルの窓ガラスから槇さんリニューアル!?の東京体育館が見えた。
ぺったんこなメタリックな兜って感じでした。

ツボを心得よ

2008-02-10 01:00:30 | ・講演・セミナー・シンポ
自由学園明日館の公開講座の見学会。

★昭和8年竣工 旧朝香宮邸・東京都庭園美術館。
 建築史家・米山先生に解説して頂きたかった建物のひとつ。
希望が叶って、空間をご一緒に味わうことができてうれしい。
やっぱり先生はすごくて細かい部分までちゃんとみてらっしゃる。
そして、私が気づかないようなポイントをちゃんと伝えてくださる。
楽しいです。米山先生、今回もたっぷりとありがとうございました。
街の建物にケンチクに少しでも興味を持ち始めたあなた、
米山先生です、魅惑の世界はそこから始まりますよ。

★アール・デコ→過去の様式からの脱却
・モダニズムは様式的モチーフの記憶が残るアーチを嫌うが
アールデコ的手法ではセットバック効果を加味し用いる。→車寄せ
オーダーも限りなくパロディ化。→1階大客室壁
・異なる素材感、石と真鍮・金属などの組み合わせ。→マントルピース
・正面玄関のラリックレリーフ女神像→両柱にフルーティング。

★アール・デコ20世紀初頭に興った新芸術は大量生産などの工業化を背景に流線型やスピード感をスタイルとして求め、デザイン上の特徴としては幾何学的、繰り返しの美学、反復、ギザギザ模様、波や渦巻きなどが挙げられる。

本日のえどはく

2008-02-03 01:17:07 | ・講演・セミナー・シンポ
両国の駅で何本も電車をやり過ごして
寒さも忘れずっとしばらくみつめていた・・・。
もしもあそこがプラン通り全面ガラスだったら・・・
どうかなぁと。
 
まるい薔薇窓みたいなのは後から仕方なく考えたのね。

2月6日★追記 ↑ちがうぞ。
菊竹さんの江戸博構想のスケッチには最初からあの丸窓はある。
1987.6.15 別の2種類とも。仕方なくなんてマチガイ。訂正。

木造の魅力

2007-10-06 00:13:40 | ・講演・セミナー・シンポ
 ★たてもの園セミナー 木造の魅力
①木造モダンの世界 ~近代建築30選~
目利き建築史家・米山先生のセレクトですが、
前川さんの自邸はまちがいなく登場、ぜったい上位ランクですわ。

レーモンドの「夏の家」1933(移築されて、現・ペイネ美術館→)
それから、吉村順三さんの「軽井沢の山荘」1962もきっと入るわね。
吉村さんは木のぬくもりがあたたかい八ヶ岳高原音楽堂1988も設計してます。
こちらはピアノ弾き語りがステキなミュージシャンの達彦さんもお気に入りです。

★ 11月25日の日曜日、江戸東京博物館ホールで確かめましょう。 

知るを楽しむ

2007-10-03 23:53:55 | ・講演・セミナー・シンポ
゛ 知るを楽しむ ゛観てます。
タイトルがイイ。そうです、知ることは楽しい。
昨夜の火曜日は、私のこだわり人物伝。

10月 11月 白州正子はアンコール
゛どきどきさせるものだけが美しい゛ 武相荘行きたい。
眼の宇宙・澁澤龍彦 横須賀美術館での展覧会には行きたい。

今夜のBGMは菊地成孔 DEGUSTATION A JAZZ
イメージの断片ばらまいて、アタシ的には閃いたって感じ!!
Michel Legrand (今月来日)`you must believe in spring`あり。
菊地さん、知る楽の5月マイルス・デイビス人物伝を語ってた。

知る楽、聴く楽、たのしい。

ART STUDIES

2007-09-23 23:26:55 | ・講演・セミナー・シンポ
昨日のアートスタディーズ<1910~伝統芸術の近代化>の勉強会。今回はとても興味深い内容で収穫が大きかった。建築サイドからのゲストは藤森先生でテーマは「茶室とアールヌーヴォー/武田五一」。
ごいっちゃん、1901年ヨーロッパに留学してアールヌーヴォーに熱心に入れあげて、期限過ぎても帰ってこなかった。それで先生の辰野金吾が怒っちゃったのね、それで東大教授のポストを棒に振ることになる。五一ちゃん、東大じゃなくて京都へ行ってよかったのかもね。新設された京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)教授となる。ここには東京美術学校教授でやはり文部省の命でフランスに留学して帰国していた(ちゃんと期限は守ったよ)浅井忠がいた。その後、忠さんと組んで、福島邸などアールヌーヴォー作品を次々と手がける。五一ちゃん、設計に夢中になり生徒の設計図面を朱入れしてついつい自分の思うようにしちゃうって、生徒を導く教育者としてはどうだったのだろうってハテナマーク、もちろん半分クスクスのね。どっちかというと自分の設計や図案デザインのほうが楽しくて大好きだったのかもしれないね。
五一ちゃんが留学前に関心を持って調べていたのは茶室だった。五一の帝国大学の卒業論文は「茶室建築」(1897)その後も『建築雑誌』に「茶室建築に就て」を連載。建築の近代日本の歴史においていつも何かを探し、新しいものを生み出すとき、伝統に寄り添う、絡めてくる。歴史主義であれば法隆寺からパルテノン、バウハウス派は桂離宮、コルビジェ派は伊勢。丹下さんはヘリコプターをチャーターしてか、伊勢神宮上空を旋回して大接近したことがあるらしい。今じゃ考えられないけれど。そして武田五一、堀口捨己の系譜が茶室へと眼を開く。

えどカル案内リーフレット★

2007-09-14 00:11:40 | ・講演・セミナー・シンポ
★えどはくカルチャー(えどカルぅ)
`えどはく`とは 江戸東京博物館の略称、愛称。
`えどカル`とは えどはくカルチャーの略です。
みなさんも親しみを込めてそう呼んでくださいね。

リーフレット掲載のキレイな写真でしょ、小野吉彦さん撮影です。→
フランク・ロイド・ライト設計の自由学園明日館です。→
JR池袋駅からちょっとだけ歩きます。

空が青い~~って、
これじゃわかりぬくいから、クリックしてください ★えどカル建築家列伝
ほらねぇ、バーンとでてくる、とってもきれいでしょ~
カンゲキの美しさですわ。青い空と建物、コントラストが効いてます。
えどはくカルチャー講座は建築講座の他にもいろいろありますよ。
上下スクロールしてどうぞご覧になってください。
目玉は企画展にあわせた夏目漱石関連でしょーね。
お宝資料なんかも出るのでしょう。こちらも楽しみです。

ginza salone

2007-09-13 00:29:35 | ・講演・セミナー・シンポ
 ★佐野研二郎展 ギンザ・サローネ ggg
今もっとも゛旬゛な広告クリエイターだそうです。

×佐々木宏さん
(゛そうだ、京都行こう゛クリエイティブディレクター)
ギャラリートークでした。
ほんとは同じ博報堂の佐藤可士和さんとの対談が
第一希望だったんですけどさすがに電話予約の申し込みが
残念ながらつながらずかないませんでした。

佐野さんは、デザインに関して、
小細工やこねくりまわしてのクリエイティブでなく
みんな、最大公約数に共通するような楽しいモチーフをみつける。
たとえばイチゴのショートケーキみたらほほ笑むみたいな、
作文書くとき、原稿用紙がカラフルだったらいいな、みたいな。
ウソつかない、自分は素直なほうで地でやってるとお話しされた。

それから、作品(モノ)に人格つけてる、想定している
カッコイイ系か、ギャハハのギャル、或いはうふふ など。

佐野さん、
どことなくTブー!Sの自分が生み出したキャラクターに似てましたよ。
飾らない素朴な親しみやすさがあります。
日光江戸丸のニャンまげも愛らしいキャラクターです。

クリエイティブな世界が少し覗けて、お話が聞けてよかったです。

洋館再考

2007-07-06 23:04:47 | ・講演・セミナー・シンポ
コンドルさ~ん、聞いてください。
今日は★洋館再考-コンドルからヴォーリズへ-というシンポジウムに行って来ました。
初めて降りたつ駅の上、世田谷区の会場がややこしい場所で、けっこう遠かった。
でも、その筋ご専門の豪華先生方の興味深いお話が伺えてヨカッタです。
シンポ後の懇親会では立食パーティ、これまた楽しかったです。
本日ここに集まった方々はケンチク系のあちらこちらでよくお見かけする方ばかり、
先生方ともお顔馴染みで、建物の保存運動などにもご尽力され、
とても熱心な筋金入りのまじめなケンチクマニアさん(シツレイ)だと思います。

ART STUDIES 第9回

2007-06-30 23:46:05 | ・講演・セミナー・シンポ
 ★アートスタディーズ・レクチャー 
20世紀の日本建築・美術の名品はどこにある?
第9回 1915~(24年) テーマ<日本近代化の二重性>


こちらの建築と美術に関する勉強会はバネリストが専門家ばかりで、一般素人にははっきりいってレベルが高く、理解するのには難解で毎度躊躇して見送っていたのすが、今回は何が何でも参加せずにはいられませんでした。とは言ってもひとりでは心細いので、友人を誘って行って参りました。建築サイドからのゲスト講師が長谷川堯氏(武蔵野美術大学造形学部教授・建築評論家)テーマが「大正建築-後藤慶二と豊多摩監獄を中心に」ズバリこれ(だけと言っても過言ではない)がお目当てです。どなたの講師も発表の持ち時間厳守、お話が40分、パネリストの質疑応答20分でアッという間の1時間でした。ああ、短すぎます。机はなく照明が落ちてきちんとメモできる明るさになかったので一生懸命に耳を傾けていました。

豊多摩監獄のスライドをたくさんみせていただけたのはヨカッタ。監獄のファサードはフライングバットレス、ネオゴシック、ジョン・ラスキンなどのデザインを汲んでいる。赤レンガはレッドハウス・アーツ・アンド・クラフトとも結びつく。門は思想犯の大杉栄が馬車に乗せられてやってきたり象徴的なものだった。真ん中がドームで十字の監房はイギリス都市部などのアーケード空間とオーバーラップするような類似性を持つ。自己の内面の充実、内側からつくる、その後の堀口捨己など日本における表現派、分離派へと少なからずつながっていく。スライド写真は解体中の宮本隆司さんの廃墟写真も含まれていました。

私はこの長谷川さんの「神殿か獄舎か」の特集記事が掲載されているINAX REPORTOctober 2006 No.168を持っていたので、友人がせっかくだからそれに先生のサインを頂いたらと言ってくれて、最初は著作本じゃなく雑誌記事に失礼じゃないかしらとも思ったのですが、『神殿か獄舎か』(1972相模書房)は神田の古書街で探すしか手に入らないようですし(きっと高額それでも読みたい)、すっかりその気になってしまい、サインをちゃっかり頂きました。ちょっと驚いていらっしゃったけれど、やさしい微笑みを返してくださりていねいに応じてくださいました。
本当はもっと後藤さんから深く村野藤吾さんにつながるところまでお話を伺いたかったのですが、なにせ時間が足りなかったです。しかし、ご本人にお会いしたことでまたひとつ興味が深まりました。うれしいです。長谷川先生はおだやかな笑顔のなかに静かなる情熱を持たれている方、そんな印象でした。

水の季節

2007-06-20 00:17:41 | ・講演・セミナー・シンポ
学校はね、今週月曜日にプール開きしたのです。
キャッキャと楽しそうな声が聞こえてくるのが早くも夏の予感です。
これからの季節(梅雨はどこへ行った?)水は気持ちイイですね。

先週、★ミュージアムセミナー・えどはくカルチャー
建築史家の米山先生が講師でいらっしゃる゛近代建築と水辺゛の講座を受けました。

水辺に寄り添う明治の頃からの日本橋や丸の内の建物についてなど、
とても興味深いお話を伺ったのですが、
80年代以降、現代に至っては天王洲アイルやお台場などのウォーターフロント、
再開発プロジェクトが進められ、水との関わりが見直されてきていて、
水の存在が大切にされるようになってきたとお話しされていました。

浅草からお台場に向けて船の体験ががオススメだと。
ずっと以前、一度だけ友達と乗ったことがあるのですが、最近は、
りんかい線ができて便利になったので、ついそちらを利用してしまいます。
写真はゆりかもめのなかから →

あの金色オブジェの★アサヒスーパードライホール(1989・スタルク)
水辺から視点をかえながらみると、爽やかにみえると、
ビールジョッキをかたどったビルとのコンビネーションもよろしいと、
先生はおっしゃっていたので、私も確かめてみたいと思いました。
隅田川に架かるいくつもの橋のデザインもいろいろあっておもしろいと思います。

えどカル講座

2007-06-10 23:37:08 | ・講演・セミナー・シンポ
えどカルに藤森先生がご登場です。

ミュージアムセミナー えどはくカルチャー2007 夏
★東北大学創立100周年記念展示 至宝展関連講座
★藤森建築と芝棟 藤森照信(東京大学 生産技術技術研究所教授)

 9月9日(日) 2時~3時30分
お申し込み・お問い合わせは→★江戸東京博物館

ミュージシャン・オフコースの小田和正さんは東北大学工学部建築学科ご出身
藤森先生と同級生でご友人の仲です。

建築家列伝 丹下さん

2007-05-27 23:43:16 | ・講演・セミナー・シンポ
えどカル米山先生の建築家列伝シリーズ<丹下健三>を受けた。前回、今回と続けて会議室のいちばん後ろの席を(敢えて)セレクトしているのだが、これがいい。後ろに誰もいないと思うとゆったりリラックスして臨める。この場所がお気に入りになりつつある。ちょっと遠いけど先生のお顔もちゃんと見えるし。私の前列はすべて3人掛け机の真ん中を空けて両サイドに腰かけていて、いちばん後ろの私だけが真ん中なので、自分の目の前を人物が遮らず、まっすぐに視界は開けている。大きなスクリーンに広島ピースセンターが映しだされたときだった。私は瞬間キャッと小さく声をあげた。まさに軸線、私と広島ピースセンターは一直線上にあった。体感した。
丹下さんは軸線にこだわる。みごとな軸線が通っている。原爆ドーム、広島ピースセンター、厳島神社、代々木体育館は明治神宮と、東京計画、東京湾岸上は皇居から結ばれる。そして、大東亜建設記念営造計画では、東京と富士山がつながっていた。

山梨文化会館(山梨放送本社)と静岡新聞・静岡放送東京支社(テナント・山梨放送グループ)、文化会館はみたことがないけれど、静岡新聞の建物は東京にあって電車のなかからも見えて、ココア色の幹と枝のような特徴ある建物。これらがメタボリズムの志向と共通していると言われれば、それはわかる気がする。丹下さんの弟子である黒川紀章さんはメタボリズムメンバーで、残念ながら取り壊されるようだが中銀カプセルタワーとも結びつかなくもない。静岡新聞とは距離的に場所も遠くは離れていないし。新陳代謝、成長する。しかし円筒系のコアシャフトが道路だとは、都市のイメージを立体的に建築で表現しているとは、へぇ~~って感じ、東京計画1960とつながるわけだ。都市のように計画された建物。そんな発想というか、考え方が潜んでいるとはなんておもしろいんだろうと思う。丹下さんは建築単体だけではなく、都市計画を考えていた人で、東京大学に日本初の都市工学学科が1964年に新設されて教授にになったのだ。それは東京オリンピックと同じ年だ。
1964年、この年こそ 丹下さんにとって、重要な年なのだ。おそらく・・つづく。